大体の内容「茶子さん、免状をとる。」。ということで、茶子さんがとうとう洗濯の免許を取る話などが収録されたのが、『鬼桐さんの洗濯』4巻なのです。
ネタバレ？ としつつも今回はそういう話はほぼしない、とは先に記載しておきます。今回これを取り上げたのは、そのあまりにもな感情を掻き立てるもの、端的にしてしまうとエモさが天を突く勢いだからです。
単行本描き下ろしワンカットに光るものがあり過ぎて遮光グラスが要るレベルのこの漫画ですが、今回もあまりにもエモーショナルなとこが頻出しており、仕事中の脳内で、エーモーォー！ エーモーォー！ とオフスプリングのALL I WANTのサビのとこの調子でエモエモさせていただきました。反芻するだに、エモいから困ります。
今回のエモ喚起の場面は三か所あるんですが、まず一つ目がこの漫画の最高度エモとして君臨し続けるトキエさんエピソード。
1巻の描き下ろしワンカットでとんでもないエモさを叩き出すことになる、シオ子さんがトキエさんの書いた募集広告を見るやつは、トキエさんエピソードが増えるにつれてパワを増すことで知られています。
この4巻でもトキエさんエピソードが追加されており、そのビッグネームに嘆願とか行動力の化身か！？ というものだったので、更にトキエさんの存在感が増してまいりました。
この漫画世界だと霊とかも存在するっぽいので、いつかトキエさんと巡り合う時がくるかも、とネタ振りはされているのも相まって、トキエさんの募集広告を見るシオ子さんの絵がエモい。というのが再確認できるかたちになってまいりました。
二つ目は、茶子さんが免状を取る回の後の、うしろではなくとなりに、というワンカット。今までついていくだけだった茶子さんが、シオ子さんに並ぶことが出来た、というのでもうエモい。エモーショナル。
そもそも茶子さん、美術系の学校に行っていて、更にその気配り力が重なって人外にも適したデザインをするようになる、というのが提示されます。
それを見込んで雇いたい、という方まで現れるのですが、それでもシオ子さんのところで、というのを固持する、というムーブをするところで、既に頭の中にうしろではなくとなりに、がインサートされているので、エモさの度合いが倍増すという単行本の固有の力をフル活用してくる訳ですよ。
エモ過ぎんだよー！
と『日常』のちゃんみお顔になるのもしょうがないと思っていただきたい。その折角の技量を活かせないのでは？ というのに対するアンサーとして、見込んだ方がシオ子さんのとこの隣に居を構えるというのもしていて、そこまでだったのか、というのと、そこまでだったとしても、というのが合わさって気持ち気持ち悪い顔になるのもまた、しょうがないと思っていただきたい。エモ過ぎるんです。エモ過ぎるんですよこの漫画は！
閑話休題。
三つめは、温泉旅館（リアル地獄の）に行った回で、魔王君が混浴！ というのに女性陣から遠くにいる、というまあそりゃね、というムーブから湯あたりしてしまう、というお膳立てからの、茶子さんの膝枕に、というところです。
ブーッ！（AA省略）
魔王君、茶子さんが好きという前提と、茶子さんはそう言うのに気づいてないというもう一つの前提が、ここのエモさ、荘厳感転360（グロリアスエモリューションスリーシックスオー）を形作っています。魔王君、ここで意識があったら、もう一回意識を失うレベルの状態ですよ！
更に、ここで茶子さんがどういう気持ちで膝枕しているんだい！ おいおいおい！ ってので、妄想の翼がスイングバイからのスイングバイして、えっ？ まさかの脈あり！？ まで到達してしまいます。
とはいえ、多分脈は今のところはないのでは、とも、もう一段のスイングバイで到達します。あれは、弟の面倒を見るムーブ！ という地点ですね。
脈、ゼロではないけど、ちょっと方向性の違う脈がある、という見方です。この脈を、活かしきることが出来るのか、魔王君！ というのが、この漫画の行く末の一つのフックとして立ち上がっている。そう思ったりしました。
さておき。
最後に個人的に好きな回の話をすると、シオ子さんの手の紋章の意味が分かった回は素晴らしかったですね。呪いとかそういうのではない、のはいいんだけど、それ大昔にはない図案ですよねえ！？ 現代洗濯事情が生んだやつですよね！？ ってなるとこと、その真の能力がちゃんとあったことのインパクトが強過ぎました。能力がちゃんとあるの、本当に笑いました。あるんだ！？ という。
それにちゃんと現代バージョンに進化もしているのも分かった後は、どういう作りなんですか！？ ってなるしかない状態でした。便利だ！
ということで、茶子さんとシオ子さんが今後どういう風にやっていくのか、というのが、免状取ったがゆえに余計に気になるので、続刊素早くしてください。これはお願いです。
となったところで今回はここまで。
