『TRIGUN STAMPEDE』1話を見たことについて

この項について

 内藤泰弘暦は『トライガン』からではなく『サムライスピリッツ』から、というある意味ファミマガ世代な私が、新作『TRIGUN STAMPEDE』を見てどう思ったかを残しておくための項となります。サムスピからトライガンに行ってマキシマムを追いかけて『血界戦線』も通った私です。『トライガン』に一家言ある向きだと思っていただいて差し支えないです。
 前置きはこれくらいにして、それではいってみましょう。

視聴前のヒヤリハット体験

 内藤泰弘トライガン』シリーズはどういう作品か、という点を語ると長くなります。一家言あるので当然ですが、詳しくやると長すぎるので、ここでは「内藤先生が考えたボンクラ人情SF西部劇だ」という指摘だけで済ませておきます。
 このボンクラSF西部劇という部分について、『TRIGUN STAMPEDE』にはヒヤリハット感覚がありました。というのも、CMを見るだに、SFものとしての面と感情の面を強く打ち出していて、ボンクラが入らないんじゃないか、という感じに見えたのです。人情の方は泣き演出みたいな方向になるのか!? ともなり、つくづくあのCMは罪深かったと思います。
 罪深かった、というので大体わかるかと思いますが、『TRIGUN STAMPEDE』は実際にはきっちりボンクラ人情SF西部劇でした。完全に内藤泰弘節を備えつつ、リメイクというかリスタートというかリイマジネーションされた作品となっていました。

第一話について

 『TRIGUN STAMPEDE』、『トライガン』という作品についての理解度ががちがちに高く、それは一話目の完成度に結実しています。まずSFなとことこの作品の始動のとこをきっちりやり、西部劇的世界とSFさを砂漠を行きながら巨大生物をチラ見せすることで理解させてから、ヴァッシュ・ザ・スタンピードの登場からその罪状とかの話をきっちり提示する。その後で人の住むところとこの世界のキーの一つであるSF要素のプラントの話に、更に人情が絡まってくる。そっから、更に乱痴気騒ぎに突入して、ヴァッシュの抜け感と凄さがきっちり面陳される。そしてナイブスが何かしたのが分かる形で次回に続く。
 おおよそ、『トライガン』という作品のリメイクとしては十全です。そういう意味では見事な一話だったといっていいでしょう。ヒヤリハット体験は覆されましたよ。
 特に、この話のクラスター爆弾を鎮圧するムーブが素晴らしくボンクラの考えたかっこいいやつです。お前それ撃ったら自分も危なくねえか? という疑問点はありつつも、見た目の派手さとヴァッシュの矜持が垣間見える部分とを併せ持つ♡シークエンスとして優れていました。これだけでこの作品が好きになるところです。

第一話から見えた改変部分について

 『TRIGUN STAMPEDE』、REなので、色々と変わっている部分がありました。それが顕著なのがメリルさんとおっさんのコンビでしょう。
 メリルさんは仕事が保険会社の人から新人記者になっており、ついでにコンビを組むのがベテラン記者のおっさんに代わっています。これによって、ヴァッシュとの関わり方も記者の視点という形に変わっています。
 この改変についてどう思うか、というところですが、私はオッケー! でした。ヴァッシュについて回るなら、それの方がいい面がある、という理解です。原作でも保険会社関係はあんまりクローズアップされてなかったので、それなら違う職にするのはありでしょう。リメイクですし、完全に同じにしないのは全然よし。ちなみに、1話段階でも記者であるというのがきっちりと意味があるので、それもオッケー! な理由です。おっさんがきっちり機能してて、適当な改変ではないと見せてこらえました。やりおるな。

まとめ

「そうねえ。ベースをきっちり意識しつつリメイクとして立ち上がっていた、でいいじゃないの?」
「そうですね」