ネタバレ?感想 小野中彰大 『魔法少女にあこがれて』9巻

魔法少女にあこがれて (9) (バンブーコミックス)
魔法少女にあこがれて (9) (バンブーコミックス)

 大体の内容「えーっ!? 正体あんたなの!?」。というまだどういう理屈だか分からないのでそのリアクションでしか正答の部分を感じられない超展開がぶっこまれるのが『魔法少女にあこがれて』9巻なのです。
 そのあんた、の話をするとネタバレが過ぎるので、ここは「尻……。それが伏線になるんだ……。単に趣味だと思ってた……。」とだけにして、今回は濃密に立ち上がって一周回った結果、相思相愛となったロコさんとルベルさんについて書いていきます。他にも書くことは、ベーゼとレオパルトが唐突にエロりだしてどうしようかと思った部分とかもありますが、あまりにイカれた一周を回ったロコルベルが語りた過ぎます。そんな回し方あるんだ!? というのが際立ちすぎているのです。
 元々ロコさんとルベルさんは絶妙に微妙な関係性です。
 ロコさんも想ってはいるけど、まだルベルさんの方が強い想いを抱いている、なのでくっつきそうでくっつかない、ロコさんも頑固だしルベルさんもツンデレ。なので微妙なラインでいちゃこらしてきた二人でした。
 というか、ルベルさんのロコさんへの献身というのが今まであった、という話を経由しているので、読者としてはロコさん、もっといかんか! となるところです。答えておやりよ、ロコさん。あんたの最大のファンですぜ? それも最前列かぶりつきで、しかしツンデレ傾向もあるという、その距離間でツンデレはないでしょ? な人ですよ? 押したら結構簡単に折れますよ? と言ってあげたいレベルのルベルさんのそれを知っていると、ロコさん! ってなる。
 だったのですが、今回イミタシオがこの二人を捕らえ、ロコさんの方に幻覚をガンギマリさせて誰とも知らない幻覚の中の誰かの為に歌わせる、という尊厳破壊を、幻覚に焦がれるというロコさんにもだし、自分以外の誰かに焦がれて歌われるというルベルさんにもというやつをかましてきます。
 これだけでもうイミタシオの悪辣さが「外道~~~ッ!!」と『ブラック・エンジェルズ』の雪藤顔になるんですが、そこから一転捻ってとんでもない地点に着地することになります。
 それが、ロコさんが幻覚で見えているが全てルベルさんだ、という地点です。無理やり見せられている幻覚であっても、ルベルさんを見ている、というのが立ち現れたのです。
 様々な意味において、俺は何を見せられているんだ? となりました。
 こんな胸糞展開から、そんな純愛展開になることある? というか数が多くてもルベルさんに全員見ている、ってどういう状態? そもそも、いつもわりとこういう感じで歌ってたの? と疑問が噴出しますが、でもとんでもない一周を回って、良い地点に着地したというのは良かったのかなと思います。思うしかない。
 この展開のその後は10巻以降、10巻でイミタシオがぶちのめされるだろう後にならないと分からないんですが、この二人の関係が一気に進展しそうなアトモスフィアです。というか、そもそもロコルベルが【真化】できるようになっている可能性もあります。
 この漫画の一つの核心である【真化】は9巻段階では具体的なトリガーは明かされていないものの、たぶん愛が重要なんだろうな、という気はしています。
 それは今までの流れ、アズールさんが愛に目覚めたり、サルファさんが愛を自覚したり、レオパルトさんが愛を叩き込まれてできるようになったり、だったので、愛が重要、という気がするのです。
 そしてベーゼさんも【真化】できる段階にある、というので、レオパルトさんとの愛からかなあ、とか思っていますが、その辺が真に明かされるのはもうちょいかかるのかなあ、とかなんとか。
 前は性癖がこじれるとそうなるのか、とか思ってたんですが、性癖もある意味では愛の部類。それが好き、愛するという感覚なのかなあ、と今は思っています。
 いや、無茶苦茶言ってるのは分かってる。でもこの漫画普通におかしいから、こちらもおかしくならないといかんのです。そうしたい!
 とか言いつつ今回はここまで。イミタシオ、どのようにぶっ飛ばされるやら。