ネタバレ?感想 あfろ 『ゆるキャン△』16巻

ゆるキャン△ 16巻 (まんがタイムKRコミックス)
ゆるキャン△ 16巻 (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「やべえぞ、つっこみなしだ!」。ということでこの作品でもボケ役に振れる場合が多いなでしこさんと、ボケ以外したことがない恵那さんとのコンビがあわや大ごと、というヤバめの旅となったのが、『ゆるキャン△』16巻の概略なのです。
 よくよく考えると、なでしこさんと恵那さんの二人がタッグを組んで旅を、というのは地味に今までない形でした。ボケとボケが組み合わさるとどうなるか、というのをまざまざと見せつけるギリのところでした。
 しかしご安心ください。今回はちゃんと頼れる後輩、絵真さんがいたのです。絵真さんもわりあいボケ方向に振れるタイプに見えましたが、年上の二人がボケ倒し始めるので必然的にツッコミポジに収まりました。
 これが良かった。絵真さんがしっかり者属性を出せると知れたのも良かった。ちょっとボケだと思ってすいませんでした。
 というか、なでしこさんと恵那さんだけだったら、電車で寝倒して終着駅に行ってた可能性がわりと大きい。極大かもしれないくらいでした。ボケがボケっとし過ぎている!
 そもそも、なでしこさんはソロキャンではちゃんとやれてたのに、なんで複数人になると一気にボケに回るんだよ! という嘆きも出てこようものです。
 本当にあの時はソロキャンはきっちりしたいことをして満喫してたし、ボケの要素が鳴りを潜めていたのに……。あれか、恵那さんと絵真さんが一緒だったから気が緩んだのか。
 とはいえ、恵那さんもなでしこさんのキャンプ計画の破綻しそうなとこに対して正鵠を射る助言をしていたので、それが実行の段階になって気が緩むってある!? です。でも、あの二人ならなりかねない……。という予断を持つくらいには、なでしこさんも恵那さんもボケ気質ではあります。なるもの致し方なしか……。
 さておき。
 今回の旅のメインであったアプト歩きと横川鉄道博物館というセレクトは、こんな激渋なのを女子高生のするが旅の目的にする!? ではありますが、なでしこさんが少し鉄道に興味を持っていたという伏線はあり、成程、そこ繋がりね、という納得はありました。あれを伏線と言っていいならですが。
 その目的の一つ、アプト歩きは歩き無精な私には最初、魅力があんまり分かりませんでした。歩かなくていい時は歩きたくないじゃないですか。
 でも、ここを鉄道が通っていて、という妄想をして道の成り立ちなどを考えつつ歩く、というのは成程旅って感じじゃねーの。という理解をしたりしました。
 昔はこういうのがあった、という遺構に思いを馳せるのは、ある意味ではオタの聖地巡礼と近いものがあるんだなあ、とも。
 ここがどうだったか、というのを考えて楽しむ妄想力は、オタなら基本的に搭載されている奇行なので、それと親和性が高いという気がしたのです。
 その辺はなでしこさんもそのつもりで歩いていて、だからそこで勝手にシンパシーを持ってしまいました。その気持ちわかるー。
 もう一つの横川鉄道博物館は、絵真さんも心の声で鉄道オタ養成所とか言ってましたが、ああいう鉄道系の沼が深いのはこういうとこが色々あるからなんだろうなあ、という理解をするには十分な、ちょっと行ってみたいに駆られるものがありました。
 私は鉄の者ではないですが、鉄道関係は何気に心惹かれるところはあり、それが今回の博物館ネタで起き上がらされた感じがしました。電車の正面の表情を見る、というのは中々よいものだなとも再認識したくらいです。
 その正面からの電車を色々に喩えていくくだりは、だからそういう見方もあるか、という気づきもありつつ、こうやって顔に見立てるのもまた人間だね! ってなったりもしました。そう喩えられると、一気に親近感も出ていい感じです。
 さておき。
 今回はなでしこさんの旅の話でしたが、次回はリンさんのアヤさんとの酷道話になりそうです。
 また大変そうな道に進んでいるなあ、というアヤさんのでもそれが楽しそうだから一緒に楽しみたい、ってなるリンさんが、初期の頃からは隔世の感すらあります。成長!(そうか?)
 でも、酷道旅って取材大変そうなんだけど、大丈夫なんだろうか。車じゃいけない場合とかもありそうだし、バイクで行くにしても危なそうだし、とにかくあfろ先生に置かれましては命大事にで行ってほしい。死んで花実が咲くものかです。生きてくれい!
 とかなんとか。