大体の内容「いいものなら売れるなどというナイーブな考え方は捨てろ」。とラーメンバカになったハゲに言われそうなルディさんの無茶武器を眺めて楽しむ漫画。それが『冒険には、武器が必要だ!』なのです。
冒険には、武器が必要だ!
なら、それを作る鍛冶屋にスポットを当てる! 慧眼です。鍛冶屋キャラというのは色々な作品で、あるいはSF的ならメカニックとすればそういうサポート職は本当に色々な作品に出ているものです。しかし、意外とその鍛冶屋単体に重点を置く作品は多くないものでした。
その隙間にするっと入ってきたのが、この漫画です。
内容としては、迷宮の前にある街で金物屋の丁稚をしているルディさんが、その仕事をしながらせっせと無茶苦茶な武器をこさえて、その武器が活かされる時は来るのか? みたいな話をしています。1話目から、その武器が活用される、んだけど目算とは違うなあ。というので、名鍛冶屋として名が売れていくのはまだ先そうだけど、いつかそうなる日がくるのか。そういうのを見所とする漫画となります。
しかし、鍛冶屋メイン! そういうのもあるのか。となるところでしょう。実際鍛冶屋メインの話にすると地味になりがちというか、職人系の話って派手にしづらいところがあり、特に職人仕事をメインにすると淡々としがち。それがいいという漫画、『ハクメイとミコチ』とかありますが、結構難しい匙加減を求められます。
では、この漫画は? となりますが、派手になるところはきっちり派手にしつつ、地味なところはきっちり地味にする、という匙加減となっています。特に1話の地味なところであるんですが一気に派手になるところでは千載一遇! って感じで派手にしているので、この匙加減ならいけるわ! ってなりました。もう、スキ。
さておき。
個人的にこの作品の好きなところはルディさんが無茶苦茶な武器を作る才と、素材に愛される素材運に恵まれているところ。でも、無茶苦茶な武器は無茶過ぎてピーキーだったり、素材に愛されるがゆえに危険にも愛されているとこがある、という地味にギリギリなラインで生きているのがいいのです。本人が凶悪な武器を作る技術には長けているけど戦闘能力はないのもあり、わりとこの子危ない橋渡まくりでは? というので、ある意味目が離せません。
その無茶な武器ネタとしては、友達の包丁を作ってあげる! というので作った万能調理刀紫閃丸がいいです。その人の調理スキルと刀の相乗効果で家を割るくらいの超切れ味になる、という無茶苦茶な包丁です。その回は使用相手を考えて作れ、というのがお題としてあったのですが、確かに使用相手と相乗効果出ているから相手のこと考えてるけど、家まで切るのは包丁としては0点、というのは正しい判断だと思いました。包丁が出していい切れ味ではない。
ちなみに、この紫閃丸がルディさんを襲う怪物を倒すという展開もあるので、武器としてきっちり使えることも明らかになっています。ますます包丁としてこれを作ったのが頭おかしいとも言えますが、武器屋なのであるから武器として使えるなら間違いではない。包丁としてお出ししたのが間違ってるんだけど。
そんな作るものの用途が迷走しているルディさんですが、1巻最後にはちゃんと使う相手と使用用途とをクリアした武器の製造をしています。ちゃんと考えて、どうすればお題をクリアできるか、というのに到達するという、相手の倒し方を考えていくパターンであり、よくあると言えばよくある段階ですが、鍛冶屋目線でいくとこうなるか、という仕上がりでした。自分でやるのではない、使う相手がいる、というので、色んなキャラを上手く生かした展開を今後も作れるのさ、ウェーハハハ! ってのを見せつけられた感じです。自分でしない、が悪いのではなく良いになる手管とでもいいましょうか。色んな条件としての使用者と対象と制限で話をいかようにも、ってなりそうです。そういうの、嫌いじゃないわ!
ということで、基本サポート職をメインに据えてどうなる? と思ったら意外とこの手管がありですわー! となる漫画。それが『冒険には、武器が必要だ!』なのです。
