ネタバレ?感想 瀬野反人 『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』2巻

ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~ (2) (角川コミックス・エース)
ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~ (2) (角川コミックス・エース)

 大体の内容「深度が高まる、異種族言語の世界!」。ぶっちゃけるとWHAT? な展開ながらそれが逆に面白いという中々無茶苦茶な漫画。それが『ヘテロゲニア リンギスティコ ~異種族言語学入門~』なのです。
 この漫画、基本的に異世界また旅物ですが、メインが言語学にある為、他の種族さん達と意思疎通出来ているのか? というのが主軸で、だからこそ常にこの話は通じているのか? という惑いが常時ポップアップしている、という中々変な漫画です。1巻では人間の言語とは異種過ぎる発声や色などで違う、というのを見せてきましたが、この巻ではわかりそうで分からん、というラインを常に反復横跳びする展開が見られます。言葉としては通じてそうなんだけど、抑揚や感情の関係でうまく伝わらない、というのをしてきます。地味い!
 ぶっちゃけた話、この漫画においてカタルシスというのはほぼないと言っていいと思います。大体言葉が通じないですし、ならボディランゲージだ、というのも人と他種族の方ではそれも全く違う、というのでこれガイドいなかったら詰んでる……。というものでした。前任者の教授もよくこんな世界で生き残っていたな、作中現在も生きてるけど、と唸らされます。
 今回の難題はミノタウロスのモウ(と聞こえたので識別の為そう名付けた)が常にキレ気味なことです。ただ、これはハカバさんがそう感じたのであって、実際どうなのか、というのは分かりません。悪そうだなあ、とは、その仕草で思えるのですが、特にちゃんと解答としたのもない、朧気にこれは? なのでした。一応、ちょっと通じた? という部分はあるんですが、それまでの負荷に対するカタルシスというのには薄すぎるので、この漫画は本当にガチだな、という感想しかでてきません。
 さておき。
 この漫画はガチです。異種族なら言葉はボディランゲージレベルから違う、という確かにその通りだろうけど! というのをきっちりとしてくる、ガチガチのガチです。そう言う意味では、読む人を選ぶというか、ちょっとした言葉のニュアンスの違いとかを延々とやるので、そこについていけないとさっぱり、なんですが、そういうちょっとしたことが楽しい! となれば逆に超お薦めという、極端な漫画となっています。あるいはケモナーな方ならわりと好物になるのでは? という気もしますが、そこ限定で押す漫画でもないな、とも。
 さておき。
 今回の巻では、ミノさんの話がメインではありますが、サイドに「ワン!」についての情報収集というのもあり、これが本当に地味に聞き込む、聞き込む、聞き込む、という展開で、それで分かった、ような? という地点までしかいかないのが本当に地味です。二度言うくらいです。でも、朧気ながら答えを見つけ出した感じというのは妙に楽しかったので、個人的には当たりな漫画だよなあ、という凡説を出して、締め!