『スプラトゥーン2』プレイ記録(2019/06/03)

本日の徒然

 日をまたいだのでノーカン! ということで10戦縛りを乗り越えて、もう10戦しました。
 2日分に書いてませんでしたが、

  • 10戦までする
  • ブキとギアは10戦中固定

 という軽い縛りがあります。本当にあるやなしやですが。
 さておき、ブキを変えての10戦。ブキは<ジェットスイーパー>です。久しぶりなのでかなり不安でしたが、案外うまく立ち回れました。ガバガバな時も多いですが、意外と臆病にいってもなんとかなるな、と。もうちょい前にプレッシャーを与えるジェッスになりたいところですが、まあしばらく修練が必要やね。
 ギアは一新。アタマはスぺ減、フクはメイン効率、クツはメイン効率という積みです。メイン効率積むとインク切れが少なくなるので、好きです。もうちょい、インク回復とかにしても良さそうですが。ギアは育ってないので、育てる楽しみがありますのことよ。
 さておき、勝敗等の記録。

勝敗等の記録

テンプレートは、

  • 〇戦目:戦ったステージ:勝敗;塗りポイント:キル数(アシストキル数) デス数 スペシャル使用数:一口メモ

となります。それではいってみましょう

  • 1戦目:ホテルニューオートロ:勝ち:塗り917P:キル5(0) デス0 スぺ4:一歩引いて戦う、ってやったら安定する。お味方が強いという面もあるんだけども。長射程は活かせる場所だと安心して戦える。
  • 2戦目:ホテルニューオートロ:勝ち:塗り806P:キル2(0) デス2 スぺ3:詰めすぎた。もうちょい引いて戦わないと。でも、攻めっ気が出てしまう。
  • 3戦目:ホテルニューオートロ:勝ち:塗り794P:キル4(2) デス3 スぺ3:いかん、どうも前線が分からず前に出過ぎている。もうちょい引く、もうちょい引く……。
  • 4戦目:チョウザメ造船:勝ち:塗り851P:キル6(1) デス0 スぺ3:引き気味、出来た。キルも取れたが、お相手がお一人途中抜け。……勝った!←割り切った
  • 5戦目:ホテルニューオートロ:負け:塗り732P:キル1(0) デス4 スぺ1:今度は攻め過ぎた。もう一人ジェッスがいたのでつい……。
  • 6戦目:チョウザメ造船:負け:塗り760P:キル6(0) デス4 スぺ2:うぐー! いけていたのにお一人蒸発案件! 最後押し切られました。返す返すもうぐー!
  • 7戦目:ホテルニューオートロ:勝ち:塗り828P:キル4(2) デス2 スぺ3:相手お一人いない案件。だが、勝つ! ←自分の場合されることをもりもりと。
  • 8戦目:チョウザメ造船:勝ち:塗り782P:キル4(3) デス2 スぺ3:引き気味に、が出来た。お味方にクソタレ強いスクイックリン使いがいらっしゃったのが一番の勝因でしょうけども!
  • 9戦目:チョウザメ造船:負け:塗り905P:キル3(1) デス4 スぺ3:荒れ試合。しかし、お味方が即溶けるのできつい。こっちも即溶けたが。
  • 10戦目:ホテルニューオートロ:負け:塗り746P:キル1(0) デス3 スぺ3:上手く移動できず。戦犯です……。
    • 10戦6勝4敗。本当に久方ぶりなジェッスとしては良い戦績。しばらく使えば、だいぶマシにはなるだろう、という感じを手応えとして。というか、ジェッスも面白いなあ。

 『スプラトゥーン2』プレイ記録(2019/06/02)

本日の徒然

 日が空いた。しないと腕前が鈍るというもので、今日はほとんどリハビリの為という感じである。しばらく一日10戦はしていきたい。といいつつ、今日は20戦した。日をまたいだからノーカン! という理由である。ブキとかも違ったし、これくらいはね?
 さておき、明確にする理由があると、やっぱり楽しさというか、やる気に影響が出る。する理由がアレ、というのはあるけど、楽しい時間をクリエイトするのは、何事においても重要度が高い。そう思う吉宗であった。←何故ここで吉宗?
 さておき。本日の使用ブキは<N-ZAP83>。ファミZAPである。ごり押すのではなく、丁寧な立ち回りが要求される、けどお前今そんな丁寧に動けるの? 案件で、まあそうよね、という立ち回りでした。普通に黒ZAPでリハビリで良かった気もします。次々回は黒ZAPですね。
 ギアパワーはアタマがヒト速、フクがメイン効率、クツがメイン向上。メイン向上は初めて付けましたが、強いのかどうかいまいち分からず。立ち回りガバだったからなあ。
 次は勝敗の記録です。

勝敗等の記録

テンプレートは、

  • 〇戦目:戦ったステージ:勝敗;塗りポイント:キル数(アシストキル数) デス数 スペシャル使用数:一口メモ

となります。それではいってみましょう。

  • 1戦目:ホテルニューオートロ:勝ち:塗り813P:キル1(0) デス2 スぺ2:オートロ初勝利、だっけ? そもそもバトったのが初めてかも。スプリンクラー向きのステージという感じ。塗り置ける。
  • 2戦目:ホテルニューオートロ:勝ち:塗り878P:キル3(0) デス4 スぺ2:僅差ながら辛くも勝利。もうちょい上手く生き残らねば。アメフラシ回数最低3はしたい。
  • 3戦目:チョウザメ造船:負け:塗り955P:キル1(0) デス4 スぺ2:ローラーにしてやられた感。でも、他もキル数酷いので似たり寄ったりか。
  • 4戦目:チョウザメ造船:負け:塗り835P:キル3(1) デス3 スぺ2:うむぅ、上手く立ち回れてない。キル数は取れてる方だけど、味方に負担があるのかしら。
  • 5戦目:チョウザメ造船:負け:塗り828P:キル1(0) デス5 スぺ2:僅差負け。悔しいです! 狙いのアメフラシ三回は出来ず。立ち回りが悪い……。
  • 6戦目:ホテルニューオートロ:負け:塗り1071P:キル3(0) デス3 スぺ3:とりあえずアメフラシ三回はしたのでノルマは達成。負けてるけど。どうにもお味方に負担掛けてるのかしら? キル数は高かったと思うが……。
  • 7戦目:チョウザメ造船:負け:塗り594P:キル1(0) デス4 スぺ1:うーん、微妙に勝ちきれない塗りも少ないし戦犯です。
  • 8戦目:チョウザメ造船:勝ち:塗り988P:キル6(2) デス1 スぺ3:終始前へ押せたので気持ちのいい試合だった。そうそう、こうやって押すのが一番なのよ、って動きが出来た。
  • 9戦目:ホテルニューオートロ:勝ち:塗り699P:キル3(1) デス2 スぺ2:押せ押せムード! でもアメフラシは二回。三回撃てるようになりたい。
  • 10戦目:チョウザメ造船:負け:塗り787P:キル3(0) デス5 スぺ2:むう、自分弱い案件。いいとこなかった。
    • 10戦4勝6敗。負け越し。ブランクがあるにしても酷い試合が多かった。そう一気呵成に攻めるブキでもないのに、前に出過ぎたか。……塗りたいんや!

 感想 渡井亘 『恋愛感情のまるでない幼馴染漫画』2巻

恋愛感情のまるでない幼馴染漫画 2 (バンブー・コミックス)
恋愛感情のまるでない幼馴染漫画 (2) (バンブーコミックス)

hanhans.hatenablog.com
 大体の内容「女の子わんさかなのに、何でお前そういうのないの!?(半ギレ)」。今回も、幼馴染とは恋愛感情は全く無いッ! と思っていただこう!! している真田辰季。なら、他の女の子はどうなのよ、というのでもその辺も全く、という謎なムーブである種の覇道を突き進む辰季の明日はどっちだ。そう言う漫画じゃねーから! なのが『恋愛感情のまるでない幼馴染漫画』なのです。
 まず、1巻感想で2巻収録範囲でえるせんせいと付き合っていた、と記載しましたが、あれはどうも違うっぽいので、この場を借りて訂正させていただきます。えるせんせいが辰季にだいぶ気があるし、辰季もその辺は分かっているっぽいですが、それでも付き合ってはいない。というか、むしろ何故付き合っていない!? って話ですよ。その辺がクレーバーというか、空良さんがいるせいでその辺がねじ曲がっているんでしょうか。そりゃあ、親友の女の子とやたらスキンシップが近かったりするから……。作中の人もなんで付き合ってないのみたいな発言を、描き下ろし部分とはいえぶっこんできてますし、その辺はあの漫画世界がおかしい訳ではないという示唆はあるんですが、でも、今回も恋愛感情のまるでないのでした。
 付き合っていない、というと巨乳枠の一人、日花里さんとも付き合っていないんだよなあ、というのが。辰季と日花里さんはホットなライバル関係、というので一転すると恋仲に発展するやつなんですが、まあ転ばないよね。日花里さんが迂闊過ぎる馬鹿というかなり遠隔地にいるか好き者でないと耐えられない性質でも、転ばないんだよなあ。辰季側が転ぶ可能性が極小なので、日花里が転ばないとなんですが、あの御仁いらんところで一人で転んでるから、むしろ慣れてしまっているという可能性も。恋仲が一つでもできるとバランスブレイクするからそうなったらが見たい、という禁断のお気持ちもあります。でも、日花里じゃあ駄目か……。水着持ってこい、ってんのに着てくるやつだからな……。というかその悩殺ボディでよく警官にもしもし喰らわなかったな……。完全に、マジにわいせつ物陳列罪やぞ……。
 さておき。
 この漫画は、普通の思考をすると付き合っていないとおかしい、というレベルの繋がり方をしている辰季と空良さんの親友としてのイチャコラという謎のワードを確認する漫画ですが、今回もまあ、近い。これで恋愛感情があったならもうくっついているというかくっついている(婉曲表現)の確定ですが、しかし、この二人はそういうのではないんだよなあ。という雰囲気というのは相変わらずです。このやたら気安いくせにラブではないという謎ムーブ、しかし慣れると中々に良いものです。辰季が空良さんに対しての感情を自制している、というのでもなく、本当に親友としてのふるまいです。でも相手は女体なので、というので男の子だなあ、というタイミングはあるんですが、そのままエロに! ってならない。紳士とかじゃなく、なる訳ないだろって雰囲気。この空気感というのが、この漫画の至上と言える部分です。生臭みがありつつも、真なるそれはない。フレーバーとしての身近エロ、とでも言いましょうか。
 でも、この空気がいつまでも続くのか。という点は常々思うところがあります。いつか、もしかしてでかい爆弾としてあるのではないか。しかし、この漫画が『恋愛感情のまるでない幼馴染漫画』としている限りは、そこは全くでない、という信頼もあります。個人的に実はありました、となったら訴訟も辞さない構えなので(面倒臭いオタ)、自分で引いたラインは越えない、という渡井先生の矜持が続くことを祈りつつ、よく分からない感想を終えたいと思います。

 感想 安堂友子 『マチ姉さんの妄想アワー』上・下巻

 大体の内容。「鬼神のごとき昔話クラッシュ!」。桃太郎やシンデレラ。誰もが読み聞きした作品を、ちょっとうろ覚えなせいで全くの原作クラッシュになってしまうマチ姉さんの明日はどっちだ。それが『マチ姉さんの妄想アワー』なのです。
 この漫画は昔話クラッシュ系、という系統的に言うと増田こうすけ先生のそれに位置する、というとちょっと混乱があるんですが、基本的にはそこにあると言って差し支えない作品です。昔話ならいくらクラッシュしてもクレームはこないぜ! と言わんばかりに昔話をクラッシュしていくその様はいっそ清々しいレベルです。とはいえ、クラッシュするにしてもエログロは一切ないので、お子様にも安心。むしろ原作より倫理観を育てるのに適しているくらいです。いいか小僧、これが、世の中だ! って感じの話に降りていくので本当にいいのかと言われると伏し目がちになりますが。
 さておき。
 昔話ネタ、でもそれって数は無限じゃないでしょう? という点に対しては、昔話ネタ、それを一回だけしか使わないと誰が決めたんだ? という西城秀樹声で高らかに歌い上げるが如く、いろんな角度で昔話をクラッシュしていきます。切り口さえ違えば、いくらでもできるのさ! というそのテクニック、ちぃ全部覚えたーっ!(チャカ顔で)
 冗談はさておき、その切り口さえあればいくらでもできる、というのの最右翼は、泉の女神。つまり、金の斧と銀の斧です。これがネタとして多くなる、というのは、何かを落としてそれのグレードアップ版を提示する、というムーブが沢山の切り口を誘発するからでしょう。落とした物とそのグレードアップ版がいくらでも考えられる。けれど似た話にはならない、というのがまたこの漫画の非凡なところです。個人的には落とした物に対してグレードアップ版が全然大したものじゃない、ということはこれ落としたの……。ってなるネタが好きです。落とした物に対するグレードアップ版の絶妙さ加減が本当に素晴らしいのです。それは、ああ、これはこの人……。ってなるレベル。本当に絶妙です。
 さておき。
 この漫画は一応、マチさんの寝物語として、それがちょっと違う! というていで始まりますが、流石に内容がフリーダム過ぎて寝物語として不適、となってから、徐々にマチさん家族の奇人っぷりがフューチャーされていきます。マチさんが迷子スキルと妙なものを拾ってくる癖と食事に凝ったものを作ろうとするとヤバイことが起きる能力に、この昔話クラッシュが加わって最強に見えますが、上の姉二人も世紀末ヒャッハー世界の人みたい奇人と対人恐怖症が行き過ぎて奇人とで、かなりぶっ飛んでおり、更に兄弟も若干劣るとはいえ結構ヤバイので、全方面ヤバイという奇跡の家族が生まれることに。このぶっ飛んだ家族の話だけでもこの漫画はもっていけるくらいのパパパパワーがあるんですが、それはあえてしない、その回の最初と最後の一本だけしかしない、という立ち振る舞いで、それが故に余計に多弁というか、最初と最後でインパクトを残そう。という意志力に繋がって、だからもう一段余計に印象に残る仕儀となっております。それでもマチさんが印象にきっちり残るところも含めて、見事な匙加減といえるでしょう。非凡!
 ということで、昔話を多方向からクラッシュをしつつ、ヘンテコ家族漫画でもある。それが『マチ姉さんの妄想アワー』なのです。

 感想 服部昇大 『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』2巻

邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season2 (ホーム社書籍扱コミックス)
邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん Season2 (マーガレットコミックスDIGITAL)

hanhans.hatenablog.com
 大体の内容。「邦キチ、セカンドステージ!」。セカンドステージになっても邦キチ映子さんのプレゼンという名の暴力は続く! ということで、邦画〇○○〇映子さんが邦画を、とにかく邦画を強引にプレゼンして相手をポカーンとさせる漫画。それが『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』なのです。
 今回も、隙あらば邦画のプレゼンをオート始動する映子さんと、それに対して的確なツッコミでいなしていく洋一の伝統芸能とまで言える形が、更に突き進められます。邦画専門というそれだけでゲテモノアトモスフィアなのに、その中でも的確に濃いのをチョイスしてくる映子さんの選定眼はある意味確かで、だから毎回、気にはなる、という地点に降ろされるんですが、そこへのアプローチが異次元なので、ここから一歩も動きたくない! というか、見たい見たくないで言うと見たいだけど、でもこの感情を見たいと表現したくない! という心理状態にさせてくれます。その点については、この巻で洋一が的確に指摘しているので、あっ、それやっぱり規定路線なんですね。という理解が可能になりますが、ある意味ではそうでないと邦キチ映子さんの味わいではないよな、というのも同時に理解させられるので、こういうのを痛し痒しッて云うんだなあ、という謎の達観を得てしまいます。
 今回の映子さんもオール活き活きしています。そのプレゼンの弱点を突かれても全然動じないですしね。突かれたのにむしろ嬉々としてそのムーブを続けますし。個人的には斎藤工さん回と『ボヘミアン・ラプソディ』? 違うね『来る』だ! 回がマストだったと思います。徒然ましょう。
 斎藤工さん回は、もう結構名の知れた俳優さんな斎藤工さんが、それでも変な映画に出てくれる! というので映子さんがリスペクトを全開にする回です。そこは『虎影』の回でもあるんですが、話を聞けば聞くほど、何故斎藤工さんはそれに出演するのを拒まなかったんだろう、という視点しか湧いてこないという、邦キチらしいセレクションの回でもあります。フルアーマー斎藤工というパワーワードが気になり過ぎて、でもそれをわざわざレンタルで? というので大変懊悩してしまう語り口でした。でも、超刺さるんですよね、映子さんの語り。『貞子3D』も気になってしまったし。でも借りて、みる? になる辺りもピーキーな映子さんプレゼンです。
 話が逸れました。
 『来る』回は洋一が『ボヘミアン・ラプソディ』を見てグラサンをかけて練り歩いているところに、同じようにグラサンをかけて練り歩く映子さんが! お前、まさか洋画を、『ボヘミアン・ラプソディ』を見たのか!? というのでそんな訳が今まであった試しがないのに思ってしまった洋一に、いえ、『来る』の柴田理恵さんです。とちゃんと言える映子さんは流石すぎると思いました。そして『来る』を見てグラサン柴田理恵さんに感化されるという地点も流石です。同時期にグラサンが印象的な映画があった、という奇跡を封じ込めるかのような回でもあります。一緒にされた『ボヘミアン・ラプソディ』はたまったもんじゃないでしょうけれど。
 さておき、『来る』回、これは見ないとまずいか? という圧のある回です。映子さんがどういうものか、として挙げるのがさだかや、ハイロー、コクソンの三段ドロップ。どう考えても悪魔合体にあえて失敗しないといけない組み合わせ。これはマストかー!? となってしまいます。まあ、映子さんが薦めた、というのは一転して映子さんが薦めた、になるので落ち着けられるんですが。
 さておき。
 2巻でも特に登場人物は増えず、偶にヤンヤンが出るくらい。などと、その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ。今回の巻で更に一人、邦キチの語りにやられてしまったお方が登場します。それが石破マリアさん。シネマサロン部の方ですが、1巻描き下ろしの『デビルマン』回の映子さんの語りに、てきめんにやられてしまった模様。ついでに、シネマサロン部ではザムの話が出来ない! という、流石おハイソ進学校、ザムの話は出来ないのか! 案件で、出来そうな映子さんと語りにきたのです。そこでいともたやすくおこなわれるえげつない行為(ザム語り)に、やはり洋一が的確にツッコミをいれて成立させる回となっております。いつものように洋一が大変ですが、映子さんもマリアさんも大変楽しそうで何よりです。
 ということで基本フォーマットは確立された漫画ですので、意外性の弾は多くはないですが、変な邦画を出せば自動的に変な回になる、というある意味構造の勝利は相変わらずでもあり、なので安心して邦画の奥深さを感じ入れる。それが『邦画プレゼン女子高生 邦キチ! 映子さん』なのです。

 ネタバレ感想 桜井のりお 『僕の心のヤバイやつ』1巻

僕の心のヤバイやつ 1 (少年チャンピオン・コミックス)
僕の心のヤバイやつ 1 (少年チャンピオン・コミックス)
表紙が紙、文章がKindle版のリンク

 大体の内容「僕の心に潜むヤバイやつ」。クラスの美少女山田杏奈さんを殺す妄想をしてはほくそ笑む、市川京太郎。陽キャ陰キャ、繋がりそうにない二人が、やっぱり中々繋がらない。そんな少年期のある意味良くあるものの集大成。それが『僕の心のヤバイやつ』なのです。
 桜井のりお先生というと基本的に危険球を投げる漫画家さんである、といって然りと言っていただける人は、案外多いと思います。『子供学級』から『みつどもえ』初期の頃にあった、ナチュラルボーンヤバいから生まれるものこそ、漫画家桜井のりおの基本技であります。しかし、それは常に危険を、特に読者心理の荒廃をもたらす諸刃の剣。実際その頃のイメージで桜井のりおせんせを敬遠する、私みたいなタイプも存在します。
 しかし、元凶じゃねえ現況における桜井のりお感というものは、それとは若干趣きを異にしています。色んな意味で長期連載となった『みつどもえ』において、ダイレクト暴力などの根源的なヤバさが、変態的という婉曲なヤバさとなり、それの積み重ねによってギャグとするというテクニックを身に着けたのです。それが更に押し出されているのが現在週刊少年チャンピオン連載中の『ロロッロ』。そちらの、ギャグとして扱うヤバさのスキルは、今、僕のビンテージが芳醇の時を迎える! レベルまで高まっており、おそらく桜井先生は今後『みつどもえ』の人から『ロロッロ』の人に変わっていくと思われます。
 その辺の話はちょっとずらします。そういう、ネタな部分でのヤバいの使い方が天道並みにそうか! そういうことか!! しているのが『ロロッロ』なのですが、ではもっと根源的にヤバい部分は失われたのか、というとそうではありません。きっちりとそれを、桜井先生は保持しています。それがこの『僕の心のヤバイやつ』なのです。
 この漫画のメインパーソナリティ、市川京太郎は、いい意味でも悪い意味でも中二的にヤバいです。自分の中に殺人衝動がある、という、中学生で罹患する中二病の基本ムーブをしているのがそれです。自分の中にあるそれを、飼いならせなかった、という妄想をしてしまう。ある話です。この、中二病として圧倒的によくある、しかしそのわりに根治に対する知識が不足している部分を、市川はまい進していきます。もちろん、殺人をしていくことは全く無く、妄想して悶々です。その上で、クラスのカースト上位の女子、山田杏奈さんに対して、妙に引っかかるものがありつつも、彼女を殺したら僕のものだ、という妄想に突っ込んでいきます。勿論ここでも悶々です。
 この辺の精神の機微、というのが非常に良くつかめる、というよりは異様に現実味がある、というのが桜井先生の持つ根源的な中二メンタル、もっと言えばガキメンタルの存在を感じずにはいられません。『子供学級』の頃の粗暴ともいえるそれが、より具体性と悶々度を追加して、市川に憑依している。とでも言いましょうか。成程、市川はヤバい。殺人をやるやらないではなく、そういう選択肢を持っていると思い込んでいるというヤバさ。ガキならぶっ放せる破壊衝動を、しかし今更持ってしまったということのヤバさ。これがしっかりと出ているのです。単なるガキメンタルからバージョンアップした桜井式中二メンタルへと進化を遂げて。この辺は流石に連載を持った作家の描くものだと思わされます。
 そして、この漫画のヤバイやつというのが、実は意味合いがそのままではない点も、この漫画が得難いと思える点です。今まで記述したように、市川はヤバい、と自己申告する衝動を心に持っています。それも確かにヤバイやつなんですが、実際にヤバイのは、市川、彼の心に降り立ったやつこそ、ヤバイのです。
 それは誰かと尋ねたら、先述の山田杏奈さんだと答えましょう。
 そう、市川は山田さんに恋しているのです。そのことをこの巻終盤で市川は気づきます。いつの間にか自分の中で存在を大きくしていたヤバイやつ。それこそ山田杏奈なのです。
 実際の所、市川と山田さんの接点は強くありません。典型的中二陰キャの市川と、スクールカースト上位陽キャの山田さんとでは、住む世界が違うまであります。なのに、ちょっとしたことで市川は山田さんに、接触とか付け回しとまでは行かないにしても、以前よりほんの、本当にほんの少し近い距離に寄ってしまいました。それで、少しずつ山田さんを知り、ある時はこっそりフォローをし、またある時は明確に口説きを妨害する。そうやって、山田さんを知るにつけて、市川は山田さんが好きになってしまっていたのです。その彼女の、市川の心の中に占める面積の増大こそ、ヤバイのだ。と勝手に思っていますが卿らはどうか。
 さておき。
 それにしても、山田さんは市川視点からだというのを差し引いても、良い感じに中学生なんですよ。中学生って自分の時期を思い起こせば、基本馬鹿だったと誰もが思うでしょう。そう言う部分を、山田さんもしっかり持っているのが好感度が高い。陽キャなのに一人学校の図書館でお菓子をよく食べるんですが、ねるねるねるねを食べようとして、水を取りに、でも水場が、水場が遠い! する回とか、水をこぼしまくったり、そもそもなんでねるねるねるねなんだよだったりで、かなりの馬鹿度を見せつけてくれます。クラスだと見せない顔を見ちゃったら、それも美少女なら、くらっとなっちゃうよなあ。という心持ちになるのは市川視点だからでしょうか。
 そういう訳で、市川と、市川の心の中にヤバイ存在感を出した山田さんは果たして今後どうなるのか。市川自身が好きって気づいちゃったけど、そうなっても積極的にいくのは市川じゃねえし、本当にどうなるやらです。私、気になります!
 という大天使チタンダエル台詞を持って、この項を閉じたいと思います。

 ネタバレ感想 小坂俊史 『新婚よそじのメシ事情』2巻

新婚よそじのメシ事情 2 (バンブー・コミックス)
新婚よそじのメシ事情【カラー増量版】 (2) (バンブーコミックス)
画像が紙。文章がKindle版。

hanhans.hatenablog.com

 大体の内容。「結婚での文化交流。それがメシ!」。という大上段を出しつつ、でも本当にそう言う部分って大きいんだなあ、という思いにとらわれるのが、『新婚よそじのメシ事情』なのです。
 1巻感想で2巻出るよな? 出るよなあ!? ってなってましたが、無事2巻刊行と相成りました。全読者を代表して、感謝の気持ちを述べておきたいと思います。ありがとうございます!
 という冗句はさておいて、今回も基本単なるメシ事情。だがしかし! まるで全然! この漫画に飽きるには程遠いんだよねえ! となるのは、ネタの引き出しの多さに起因するバリエーションの豊富さにあると思います。ネタにする為であるとはいえ、一食一食でそれが叶う物をきっちりと覚え、ネタにしていくというのは、まさしく小坂俊史先生の持ち味であります。それも、一人ではできなかった経験としての食事を、というのが分かる分、結婚に縁遠い生活をしている自分などには、そう言うのって、面白いんだなあ、というのを理解させるに十分なものがあります。結婚故の面倒というのも、きっちりあるのもいいですが、基本的に小坂先生がいい人なので、あんまり黒黒としたものにならないのもいいです。妻の王嶋環せんせが徹夜仕事を、というので先に寝たら、罪悪感みたいなのを覚えたりするとか、更にこっそり夜食で倍点! とか、後、出前を取るのが申し訳ない……、ってなるのとか、本当に小坂先生いい人なんだなあ、というのが感じられます。*1
 さておき、2巻でもそれ程特段に変化のある漫画ではありません。1巻収録範囲で焼きそばネタし過ぎたという反省があるのかどうかは知りませんが、そういう被り可能性のあるネタは今回殆どありません。結構色んな食べ物の話、という感じに仕上がっています。とはいえ、被りが無い訳でもない。それが回転寿司とちらし寿司。この辺、被りとも言えますが、別ジャンルの食べ物でもあるので、ノーカンとも言えます。まあ、どうでもいいですね! 単なる導入です!
 さておき。
 回転寿司回は、王嶋先生がしばらくの間、いいお寿司を食って漫画にするというジョブだったので、今更回転寿司戻ってこられないかも。ということの分水嶺として、回転寿司にやってきたという話。最終的に回転寿司は回転寿司でいい、という地点に着陸する、かに見えたのに、小坂先生と王嶋先生の回転寿司感の違いであんまり行かないかな、となって面白かったです。小坂先生の細かいポイント、海老を沢山頼み過ぎたのがバレるのが嫌、とか確かに感が違うな……。でした。王嶋先生も言ってますが、尻尾も食えやそんならあ!
 ちらし寿司回は、ひなまつりだ! ちらし寿司だ! というのに、え……? って小坂先生がなるという、食文化違いがしっかりと出た回。女系の、というか姉妹がいないとおざなりというか、しない文化になっちゃうよなあ、というのがよく分かったり。でも、小坂先生のお母さんは女系だったので、昔はしてたけど、その文化が消えちゃったんだなあ、と邂逅しつつ、特に手が出せないので酢飯を団扇でひたすら扇いで、の扇ぎ方が完全にちゃんと扇げてねえ! だったりなど、確かに文化が無いんだなあ、という感じでありました。
 さておき。
 お互いの食文化というのが絡み合う、というのはこの漫画の良さの一つですが、今回の巻もそれは色々。先述ちらし寿司回もそうですし、例えば王嶋先生の家で食べていたカレー焼きそば(素焼きの焼きそばにカレーを掛けるだけ)の話もそう。カレー焼きそば、本当に普通としか言えない味だった模様で、これを文化として残そう! と小坂先生がぶち上げるも、王嶋先生が、いや、別にいいんで。で片付いたりするのも面白かったです。特にまずくもしかし美味しくもない、というのは確かに残す意味あんまりないですしね。そういう部分で文化っていうのがなくなっていくんだなあ、という感慨なども感じてしまいました。
 最後に個人的に楽しかったというか、参考になったのは、王嶋先生が好きなメーカーのピーナッツバターを近所の店に定着させる為にヘビーユーザーになる、という話。気に入ったものは変えられない、良いモノ食べると戻れない、というのは成程で、しかしそれって郷里にはあるだろうか……。食ってみたい……。一つ500円くらい、と言うのを高いとするか安いとするか。美味いんだろうなあでも。という風に布教されてしましました。今度探してみます。
 ということで、今回も夫婦という最小単位での文化交流という見方も可能ながら、でも基本的に食うことって気取らないよね、というのがしっかり出た感じの2巻であったかと思います。ホテルピーナッツ。全部覚えたーッ!!(チャカ顔で)

*1:もちろん脚色もあるんでしょうが、それを感じさせないのがまたいい感じなのです。