ネタバレ感想 伊藤明弘 『ディオサの首』1巻:及び伊藤明弘カタリ

ディオサの首 (1) (サンデーGXコミックス)
ディオサの首 (1) (サンデーGXコミックス)

 大体の内容「手錠で繋がれた二人の運命とは!」。とある南米で、ある悪徳警官を追う二人。その二人の手には、手錠。繋がれた二人は果たしてどうなるのか。あまりに伊藤明弘節。B級世界重点。でも、面白さはいつも一線級の特S級。それが『ディオサの首』なのです。
 その題名からも分かると思いますが*1、この作品は全体としてB級映画の雰囲気を持っています。命軽やかに行われる銃撃戦こそが、この漫画の持つ最大のお楽しみであり、そういう意味でB級という言葉はしっくりとくるものがあります。
 しかし、B級というのは、単に劣るという意味ではございません。予算枠や時間枠で、Aより少なく、という意味もあります。つまり、時間も金は掛かってない、ということです。金がかかってないなら、時間が掛かってないなら、時間や金のかかっているA級より面白くないか?
 当然、NO! ですよ。それは誰もがなんとなく分かっていることだと思います。そして、この漫画は優れたB級、内容として予算が掛かってなさそうな、しかし、内容の方は大充実の一本なのです。
 まず、伊藤明弘と言えばガンアクション。ここに関して言えば、毎度やる気満開。当たり前だよなあ? というレベルで、大きいアクションのネタから、細かいアクションのネタまでぶっこんできます。
 『ディオサの首』におけるその大ネタは手錠で繋がれた二人による大立ち回りです。主に、銃器担当モニカさんに、カマキリ拳担当=お荷物のアツシさんがくっついているせいで動きは大きいし、的としても大きい、どうする。というのを、しかし言葉で説明しないで絵だけで見せる超絶技巧をぶっこんできます。既に漫画家としてのキャリアというのは、ほぼ確立された伊藤明弘先生ですが、それでもまだまだ旺盛に銃撃戦のネタを持ってくるというそのチャレンジブルさには脱帽するしかありません。もう、好き。
 さておき。
 次にこの漫画を高い位のB級にしているのは、作品の妙な牧歌的雰囲気。ハリウッド特A級作の、どの秒も無駄にしない、という意識高い系と違い、どこかのどかな、ゆるい時間がこの漫画には流れている場面があります。最初の警官のフリをしろ、からのバカっぽい場面とか、途中でアツシさんとモニカさんがトロッコをこいでるとことか、チンピラがやりたい盛りなせいで銃撃戦中なのにモニカさん捕まえて色々やるんだ! って会話しているところとか、どこか弛緩した空気が流れるのです。
 これがいい。昔のB級映画とか見ると、尺の都合でもないのに変に時間稼ぎしている場面とかありますが、あれと同じタイプのやつです。それが作品の雰囲気を、一気に緩ませる。この圧倒的弛緩技術の粋! この作品のB級さ、内容が緩いという意味合いでの、として象徴的なところかと思います。
 最後に、この漫画がただのB級で終わらない、高い位のB級にしているのが、ふんだんに散らばった謎です。特にモニカさんは、何故そんなに銃器の扱いに長けているのか? 何故捕まっていたのか? 何故男から逃げているのか? というかあの男何? と矢継ぎ早に疑問が出てくるくらいに謎に満ちた存在です。
 しかし、その謎はサイドの話。メインは、アツシさんが何故捕まる形になったのか、ということ。敬愛していた漫画家が殺され、その罪を着せられた上に、知り合った人が殺されている。単に、それをした悪徳警官がクスリでラリって殺して罪を着せた。というだけでは微妙に説明しきれていないように思えます。本当に単に罪を着せる為な可能性もあるにはあるんですが、まだ何か隠されているのでは、というあわいがあります。
 そう早口で言いたくなるくらい、この漫画の謎は良い感じに満ちています。A級な内容のものでも可能な話を、しかしあえてB級アトモスフィアで。その意気、粋が堪らないわけですよ。
 お話の方は、追いかけていた悪徳警官に宿を襲撃され、その上でヘリで追いかけられて、という状況に、モニカさん絡みの男たちがやってきて、さあ鉄火場だ! という状態で次の巻へ。隙があったら話を拗らせる、という感じにどんどこぶっこまれてきますが、果たしてこの漫画どこに到達するのか。注視したいと思います。

伊藤明弘カタリがしたいので、ここでする。

 さて、ここからは予定をそのままにして、何故ここまで私が伊藤明弘先生を好きなのか、というのだと思われるものを適宜語っていくので、興味のない人は話の途中だがワイバーンだ!
 ということで、たらたらと語りあかしていきましょう。
 まずどこから話したものでしょうかね。とりあえず、常日頃から思っていた、伊藤明弘先生のヤバさについて語りましょうか。
 そもそも、漫画においてアクションとはどういうものでしょうか。諸賢には色々な一家言があると思いますが、私の場合は、

元来あり得ない

 という判断をしています。
 はっきり言えば、漫画においてアクションは、普通は、存在できないもの。そう考えているのです。
 漫画って煎じ詰めれば、絵であり、もっと言えば静止画です。つまり、元来動いていないモノです。そこに対して、アクションとはその言葉通り、動きですし、動画なんですね。動いているもので、止まっているのはアクションではない。とすら言えると思います。
 だが! しかし! まるで全然! 伊藤明弘先生に対してはその言は通用しないんだよねえ!
 伊藤明弘先生の凄み、ヤバさは、動かない絵である漫画にアクション、動きを与える。そういう異常なテクニシャンである、という点にあります。アクション静画、という謎の言葉を、勝手に林立させたいくらい、止まっている絵なはずはのに、アクションしているのです。そこに対する様々なテク! 生半可では到達できない、匠ゆえの努力! これの凄絶さよ。ヤバさよ。
 この、漫画におけるアクション、というのの一つの到達点として、『ジオブリーダーズ』がありますが、ここで語ると話が逸れすぎてしまうので泣く泣く止めて、その到達点から伊藤明弘先生がどう進んでいるのか、と言う話をします。丁度『ディオサの首』の項なので、それに関する話にしましょうか。
 『ディオサの首』でのアクションに対する大ネタとして、二人羽織銃撃戦があります。片方、アツシさんが特に銃は使えないのに対して、片方、銃器を巧みに操れるモニカさんがおり、それが手錠で繋がれているがゆえに普通の銃撃戦は出来ない。というのに、それでも銃撃戦は出来る、出来るのだ! とその無理を承知で銃撃戦を組み立てているのです。普通に撃ち合うとアツシさんが普通に死ぬので、そこをどうするか、というの解答は是非『ディオサの首』を読んで確認していただきたい。←ダイマ
 その上で。
 その上で、二人羽織であることを活用した小ネタもガンガンと。個人的には二人羽織だからこそできるリロードは細かいけどいいネタだと思いました。その距離ならそうする! という納得がちょっと言説しづらいレベルで高いんですよ。ヤバイ。
 さておき。
 この、普通に考えると超お荷物な設定で、単なる銃撃戦では、満足できねえぜ! と不満足さんな伊藤明弘先生は一人自分を追い込んでいます。誰もやれと言っていないのに、自分から! 銃撃戦のマエストロの評は今でも健在であるのがよく分かる様態ですね? ヤバイの分かるでしょ?
 ただのアクションでも、既にコマ割りから、その内容にどういう配置にするか。どこを抜き描きして、どこを省略するか。どこを続けて、どこを止めるか。そういうのが巧みに組み込まれた高次のアクション作画なのに、そこに更に面倒なアイディアをプレゼント! それでもやってけるんだぜ! という、頼んでもいないのにチキンレ―スしている。それが伊藤明弘先生のアクションなのです。何度も言いますが、俺はもうヤバいと思う。
 さておき、なんかこの項を終わらせる方向が見えなくなってきたので、ここでいきなり断章とします。まだ自分の中でも、伊藤明弘先生の良さに未明な部分がある、と分かったので個人的に収穫です。
 とにかく、伊藤明弘先生は凄いんだよ! ヤバイんだよ! と言いつつこの項を終えたいと思います。

*1:サム・ペキンパーガルシアの首』がするっと出てきますね?

 今月のまんがタイムきららチェックポイント(2019年11月号)

先に総評

 ここは個人的なblogではありますが、ある程度一般的な言い方というのを考えたりしています。が、今回の号については個人的主観でカカッといいます。
 中盤以降の弾の弱さが際立ち過ぎなんだよー!
 というのは、同時にゲストの所が弱く感じるという答えを導きます。連載もありますが、まだ連載の域に入っていないのでは。などと不遜なことさえ言いたくなります。いいのもあるんです。ただ微妙なのの方が多いのです。この辺、私の趣味域が変わってきたから、という可能性もあるのであんま追及できないんですが、それでも、もうちょいこれどうにかならんか? と思ってしまうのを止められません。
 じゃあ、ゲストはどの辺が好き? と言われるとTYONE『謎のリリリス』が好きです。でも『星屑テレパス』はもっと好きです! となります。後者連載やんか! ですが、ちょっと前までゲストだったので中々連載と言うのに順応できないのです。我々は老いたるものなので。
 さておき、『謎のリリリス』は、中々曰く言い難い魅力というか、フックの付く面白さは結構ゲテモノアトモスフィアで、自分で言うのもなんですがこれ好きな人趣味悪いだろまであります。でも、可愛い絵が一気にシュールレアリスムにつっぱしったり、眼鏡っ子の基礎アトモスフィアがちょっとヤバかったり、その辺の崩すところの崩し方が大変PLUCK、勇気を! という気合の入った崩しなのです。これはこれでかなり評価が高い辺りが、きららロートルの末路と言う感じでもありますが、案外伏兵としては良い作品なので、連載されるといいや! と思うのでありました。
 総評じゃなく『謎のリリリス』話になってた気がしますが、その通りなのでこの話は終わりだ!

個別チェック三連弾

  • かきふらいけいおん! Shuffle』
    • まだまだへたっぴな三人娘に、しなの先輩は昔を見てしまい……。頑張ります、というので、頑張りきれずに音楽を去った誰か(名前は出てないからね)のことを思い出し、アンニュイになるしなの先輩。そこへ、莉子先輩が、ちゃんと音楽教えてるよ。と。その辺の心の機微、良い物でした……。というか莉子先輩がどう考えても音楽知識あるのに、というのも、しなのさんとはある意味同じ傷の為だった、けど今一緒にしなのさんと教えられる、というのでもう、この、あー! 建築しよう、ここに、キマシ塔。
  • TYONE『謎のリリリス
    • リリスが、やってきた!(二度目) なんか可愛い女の子じゃねえかよ! どういうことよ!? となりますが女の子同士が頬をすりすりするのは七難隠すって言いますもんね。まどマギのとか見てしこたまやられた勢なので、止めろTYONE。その絵は俺に効く。ってなりました。話としては店が出来たものの、売る物以前にどういう店かも分からんし、どうなるんだろう、としか言いようがない術です。連載化したらそれはそれで怖いですが、待ってます、よ!
  • 湖西晶『下を向いて歩こう』
    • これが齢ほにゃららな小説家美浜流木、バッドコンディションの姿である。そりゃシエル大変だわ。でもすさみん、それはそっち面の悲しい話じゃないんだ。そういうのに弱い子だね君は。萌え。←ちょっと悪そうな子が、に弱い

今月のワンワード

 だけどまた来る
 またね 瞬

  • ロケットを作るなら、もっとちゃんとした知識と技術がいる、というので心当たりの瞬さんに当たるも、海果ちゃんの引っ込み気質を突かれ、袖にされる形に。しょげて帰る海果さん。しかしその後ろで、ユウさんはこのように言っているのでありました。果たして勝算はあるのか。海果さんは引っ込みから発展できるのか。次の回は結構重要な回になりそうですね。今回も今回で、海果さんの引っ込み気質に変化を、己から求めないといけない格好だと示したので、大変重要ではありますけれども。

 ネタバレ感想 殆ど死んでいる 『異世界おじさん』3巻

 大体の内容「おじさん、向こうで不遇とは思ってたけど、予想を三千倍増しでカッ飛ぶの止めない?」。おじさんの超苦難の始まりが、苦難過ぎだろ……、って思ってたらまだいい方だった時の俺はどういう顔をすればいいんだ。そんな球投げてくなあ! 止めろ! というか変な涙出そうだぞ! そんな苦難の話なのが、『異世界おじさん』3巻なのです。
 セガネタについてはあんまりなかった、今までちょっとやり過ぎたよね? という反省なのか、それとも話というかおじさんの苦難を描くのが楽し過ぎたのか。どっちかは分かりませんが、帯の後ろで本人比超テンション高い笑顔でメガドラミニ持っているおじさんを見ると、セガとしてはOKです! だったのでしょう。そういうとこだぞ、セガ。好き。*1
 さておき。
 2巻でメイベルさんが日本からの来訪者の子孫である、というので何か起きるか、でしたが、古文書知識があれば誰でも知ってんだよ、とエルフさんが一蹴してしまってました。エルフさんも必死だったとはいえ……。
 が、そこでおじさん気づきます。メイベルさんのご先祖は、異世界召喚の時に能力、凍神剣を与えられている。でも、俺は!?
 ということで、おじさんの記憶は異世界に転生した辺りに遡ります。そこで巻き起こる、酷い話の嵐! 顔が見にくいからオーク扱い、はその端緒からされていて、ボコられ、捕まり、銅貨三枚で売られてしまいます。ちまにみその辺に落ちていたたわしが銅貨120枚なので、桁が違います。オークの死にそうなの、というのであるとはいえ、単価安過ぎませんかねえ!
 それだけでも相当ですが、その後1週間放置され、雨水が無ければ死んでた、と言い出します。もうこの辺りでギブ! 案件なんですが、それでもこの話は続き、おじさんが牢の隙間から入り込む一条の光に話しかけ始めます。シン、狂ったか!!
 ではなかったので安心して頂きたい。
 ここで、おじさんの能力の一端が明らかになります。話しかけていた相手は、光の精霊だったのです! これで、おじさんは精霊と会話して魔法を使うことが可能になりました。それで脱走、しようとして捕まっている動物に仏心が出るおじさん。出してやろう、としますが、出てきた小動物は的確に頸動脈を狙ってきました。所謂モンスター! 既に死にそうなおじさんですが、それでも大量のモンスターをなんとか一晩で退治。新たな道を見つけるのでした。
 これだけのことがあって、いい出だしだな! って言うからおじさん本当にあっちでなにがあったんだ、もうあっちの話を適宜混ぜるだけでヒロイックな話になるレベルやん! です。 その流れでエルフさんの話もエロ目に濃いし、あれならそりゃエルフさん陥落(おち)るわなあ。ってなるしもう。
 さておき。
 おじさんサイドは、他にもメイベルさんの駄目人間っぷりが爆裂していたり、エルフさんもだいぶバカになっていたりと、萌えというか可愛いというか萌えな部分はしっかり出ているのですが、それよりたかふみさんサイドが重要です。2巻でおじさんの血筋……ッ! していた彼が、案外藤宮さんに気があるんかいお前! なシーンがまろび出てきます。
 藤宮さんがスマホ忘れたので、持って行こう。となり、おじさん飛翔体でかっとんで行った、そこで見たのは、藤宮さんと慣れ慣れしくする男の姿。
 たかふみさん、ちきーん、ときます。
 これで、2巻でおじさんは仕方ないにしても、たかふみ、お前は! ってなっていた私の心は有頂天です。有頂天変です。んだよ、お前そういう部分あるんじゃねえか!
 で、その慣れ慣れしくする男の正体は肩透かしというか、いやゴツ過ぎ案件だったのですが、その後、たかふみさんと藤宮さんが二人で、たかふみさんは否定するでしょうが読者側としてはちちくりあっていたとしかいえない状態に突入します。良かった……。酷い目に遭うのはエルフさんだけで十分、いやエルフさんもいい目を見るべきだろうけど。いやいや。いやいやいや。
 うーん、とにかく!
 たかふみさんと藤宮さんは、上手くいけば上手くいく方向になりそうだ。それが分かっただけでも、今回の巻は価値があったと思います。というか、おじさんの異世界転生初日が地獄なもんだから、清涼剤いるよそりゃ! ってなりますよ。そのせいで、勇者ってなんぞ? は次回持越しですが、それもまた美味くまたがせたな、と言う印象なので、やっぱこの漫画すげえや!
 とかなんとか。

*1:今回のセガネタは、『パンツァードラグーンツヴァイ』の音声を目隠しで日本語に訳すところです。当然の様に出来て単にやり込みすぎぃ! 案件でした。

 ネタバレ感想 船津紳平 他 『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』7巻

金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(7) (講談社コミックス)
金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿(7) (講談社コミックス)

 大体の内容「今日もどこかで金田一……!」。実際、37歳の事件簿があるので、新たな金田一……! 案件は積み重なり続けている訳ですが、そんな金田一も、過去にまさかこのように思われているとは、というのが頻出するのが、『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』7巻なのです。
 この巻から内容はFileシリーズからcaseシリーズに突入。それに伴い単行本の方もデザインリニューアルとなりました。内容の方はいつものなのでご安心ください。
 ということで、今回の3つの事件を見ていきましょう。

『魔犬の森の殺人』

 野犬が闊歩する森で取り残された面々に、死の足音が! と言う感じで、出ていけない環境をどう作るか、というのに腐心した感のある回です。
 この回の犯人は、金田一の友人、ということで、まず初手で金田一を呼ばない! というある意味最高の解答をかましてくるのですが、金田一が美雪さんとよろしくやるのを狙ってついてくる! というある意味最悪の返歌をされる形になってしまいます。
 ただでさえ、野犬のふりをすることになる犬たちに信頼されていないという、この話の根幹が崩れそうなところから始まったのに、その上で金田一まで来るなんてあんまりだぁー! なんですが、犯人は挫けず作戦をやっていきます。
 というのに、死をくれてやるやつらを追い込む為の手段を始めよう、としたら金田一がそうとも知らずに加担してくるというアクシデント。いきなり錯乱茸汁を振る舞う、という、金田一の頭おかしくねえか? そんなに美雪さんとやりたいの? 事象が巻き起こります。犯人も、殺人を犯そうという己がもっとも言ってはいけないコンプライアンス! というのを言ってしまうレベルの乱痴気騒ぎ。しかし茸ではラリらん! となった犯人が、ラリって火を点けだした美雪さんに乗じて灯油をまき、作戦は実行段階へと向かっていきますが……。後はある意味いつも通り。
 この回では金田一のヤバさが浮き彫りになり過ぎている感がありますが、最終シークエンスのなんか犬がけしかけてもないのに金田一は襲った、のに自分はけしかけても襲わない、というのもなんか趣深いものがあります。犬の気持ちが、とか言う前にやっぱり金田一は犬からしても襲うくらいヤバイのかなあ。という感想がもろりと出てしまう、そんな回でありました。

露西亜人形殺人事件』

 トリックを解いたものに、遺産を与える。というので巻き起こる殺人! 五人の遺産継承者の、誰が犯人!? という、疑わしい人ばかりの中で、まさかそこかよ! な犯人の位置が際立った回です。
 そこ、その犯人に視点が本編道中ではほぼいかない為、ある意味治外法権というか、もうギャグするしかねえぞお! という割り切りがぶっぱなされます。
 どの辺がというと、この犯人が今までの犯人の中でもメンタルの危険度はトップクラスな点です。異形、それ故にギャグに成り立つ描写が連発されます。五人の遺産継承者が全員死ねば、自分に遺産が舞い込んでくる! というのが確定した瞬間の、心中で「勝った!」ってなっても全く動じないように耐えれるとことか、一人殺すごとに牛丼に卵を付けられる。とか言い出すとことか、非常に危険人物のそれで、もしかするとこの漫画でも、高遠の次くらいにやばいのでは? という様を見せつけてきます。殺人をこなすのに、これで金持ちになる。でも執拗に牛丼を食っているシーン、場所がタワマンから飛行機の中へと、という金持ちに対する視線が偏り過ぎているけど、それだけで乗り切れるんですからね。ぶっちゃっけモンスターにしか見えませんでした。犯人も、まさか後世でこんな危険な奴扱いされるとは露ほども思って無かったでしょうが。
 ただ、この犯人が不幸だったのは、ただでさえいたら凶敵の金田一に加え、出番が少ないがゆえにかっこいい場面多々のちゃんとした高遠も場にいたこと。ある意味この漫画世界の最大知力同士の競演で、ジョニー・ジョースターならずとも「できるわけがないっ!!」という環境。それでもわりといい線までは行った辺り、モンスターの為せる業か、といえますが、まあ、あの二人いる環境で勝てたら、たぶん殺人とかしなくても世界制覇する会社とか作れると思います。それぐらいに高すぎるハードルですよ、あの二人。

『銀幕の殺人』

 相変わらず殺人事件に絡む場合が多過ぎて、当時の謎本でなくとも「この高校、なんか呪われてんじゃないの?」と思わずにいられない不動高校での事件です。
 今回のネタは説明口調。内容面ではわりと地味ながら内容としては凝った仕掛けを、四苦八苦してつくっていく、という中で殺人も行うんですが、その前に被害者が妙に長尺でくちゃべり出すのです。犯人もつい聞いてしまうという、ネタ度合いの高い唐突の長尺。この迂闊な喋りで、犯人に以前起こった事件について知られているので、こいつら長尺しないと死んじゃうタイプのキャラクターだったんだろうなあと思います。
 さておき、一つ前の話の犯人はモンスターでしたが、対してこちらは地味な人。あっちの、金が入るぜうぃー! というテンションで、心の中では暴力が全てを解決する! とか言っているのに対し、こっちは肝のトリックを何度も繰り返しても落ち着かなかったり、金田一に謎を一解かれるか、と心配でナーバスになったりと、大変普通のひとでした。その人が殺人を、というのが重い訳ですが、それでも金田一の追求はしっかりなされます。ここの犯にはあんただ、の仕込みも奮っていますが、やはり豪運は恐るべしです。無ければ完全犯罪だったかも、というのに。金田一、お前どこまで運がいいんだよお前……。

まとめ

 全体的に尺長めになってますが、それ以上に、この3回は犯人が死ななかった、というのでちょっとびっくりしていたり。犯人がむやみやたらに死ぬのが金田一の印象なんですよね……。ケースシリーズはちゃんと読んでないので、どうなるのか分からず大変楽しみなんですが、でもこのままだとファイルシリーズは犯人が死に過ぎィ! とか言われそうです。どうなるんだろうか。
 とかなんとか。

 『スプラトゥーン2』プレイ記録(2019/10/21)

本日の徒然

 日が開いた。なんか出来なかったのである。竹をしないと、と思うと怖気づいてしまうというか。なので、今回はジェットスイーパーで仕りました。その結果については……。
 しかし、『スプラトゥーン3』はあるのか。個人的には永遠についていくくらいの気持ちですが、この、情報が出ない辺りで妄想するのは楽しいのですよ……。3、ブキの数増えるのかしら。とか。そろそろリストラブキという概念も出てきそうな気がします。いくらなんでもブキ、既に多いですからね……。ジェッスがその餌食にならなければいいなあ、とも。人気無い方だからなあ……。
 さておき、レギュレーション。

  • 10戦する。10戦中ブキとギア固定。

 その程度のレギュレーションです。今回のブキは先述の通りジェットスイーパー。何のかんので馴染むブキでやってしまいました。竹……どこまで練習すればいいのか分からないのよ、やつは……。
 ギアはアタマがインク回復、フクがメイン効率、クツがサブ効率。素早くポイズンを連射しつつも射撃も出来る、がコンセプトでしたが、思ったより上手くいかず。やっぱりどっちか偏らせた方がいいのかもしれないですね。次やる時はヒト速ジェッスもいいか、と思っております。試しうちで動かして、そこまでヒト速のらない感じですが、いつものジェッスと違う速さで動けるの楽しかったのです。偶には違うものもやってみないとね!
 その前に竹? たはは。

勝敗等の記録

テンプレートは、

  • 〇戦目:戦ったステージ:勝敗:塗りポイント:キル数(アシストキル数) デス数 スペシャル使用数:一口メモ

となります。それではいってみましょう

  • 1戦目:チョウザメ造船:負け:塗り867P:キル2(1) デス2 スぺ3:僅差負け。いらんとこで水落したのがいかんかったか。やはり鬼門……。
  • 2戦目:デボン海洋博物館:勝ち:塗り811P:キル4(0) デス3 スぺ2:いきなり煽りイカを味方がしだした時はどうなる事かと思った。でも、なんか勝った。お味方煽りイカするけど強かった案件。
  • 3戦目:チョウザメ造船:負け:塗り908P:キル0(0) デス4 スぺ2:もうちょい中盤で粘れないとなあ。いい感じにヘイト溜めてたけど、維持できなかった。
  • 4戦目:デボン海洋博物館:勝ち:塗り727P:キル2(0) デス2 スぺ2:やはり、デボンは粘り勝ち出来るので好き。射程長いからかもだけど。
  • 5戦目:デボン海洋博物館:負け:塗り832P:キル4(0) デス3 スぺ2:惜敗。お味方活かせずか。もうちょい対面あげんとなあ。
  • 6戦目:チョウザメ造船:負け:塗り859P:キル0(0) デス4 スぺ2:リッターがいると、チョウザメはきつい! 抜けずじまいでした。
  • 7戦目:デボン海洋博物館:勝ち:塗り837P:キル2(1) デス1 スぺ3:やっぱり粘り勝てるなあ。きついにはきついけど、何とかなる感じがある。もうちょい詰めないとだけど。
  • 8戦目:チョウザメ造船:勝ち:塗り645P:キル1(0) デス4 スぺ2:お味方強し案件。俺なんもしてない……。
  • 9戦目:チョウザメ造船:負け:塗り892P:キル1(0) デス1 スぺ3:押し負ける。というかスピナーもうちょい場所変えなさい……。俺も同じとこいたけど……。
  • 10戦目:チョウザメ造船:負け:塗り815P:キル0(0) デス5 スぺ2:最後完全に囲まれてなすすべ無し。
    • 10戦4勝6敗。大きくは負け越さなかったものの、だいぶ酷い試合も多かった。チョウザメ苦手……。
      • デボンはそこそこ戦えたけど、チョウザメ本当に酷かった。その後で番外ながらファミザップでリベンジしましたよ……。ファミザップ足速すぎて訳分からんかったですが……。

動画

ニコニコ動画

www.nicovideo.jp
1、4、7戦目の動画となっております。

 ネタバレ?感想 ビリー 『シネマこんぷれっくす!』4巻

シネマこんぷれっくす! 4 (ドラゴンコミックスエイジ ひ 4-1-4)
ASIN:B07YD6JT2L

 大体の内容「あーたーがーわー!!」。などと、ナースのお仕事めいた口もききたくなろうものが、ビリー『シネマこんぷれっくす!』4巻の様態なのです。
 熱川よお、俺は前から今のお前の状態こそ、青春なんだって言ったよなあ!? という向きの話も出来ますが、ここはそれは全く無し、28話ノー言及で今回は突っ切りたいと思います。
 と言いつつ、先に28話はいいですよ? とだけお伝えしながら、23話から。

23本目<見た目は怪物くん>

 終業式の最中に巻き起こる、黒澤さん対ジェームズの胸キュン映画対決! と文字にすると訳が分からないですが、実際に訳が分からないまま突き進んだので、その訳の分からない、がこの回の特徴でしょう。
 ぱっと見の圧倒的ジョッグ感のあり、戦争映画好き、というジェームズ君が、この学校で腐れ縁となった黒澤さんに対して、この学期で去るが故に最後に仕掛けた最終戦。それが胸キュン映画クイズ対決だったのです。
 お前戦争映画は!? 案件ですが、ジェームズ君はジョッグでありつつも精神的にはナード、つまりオタクで、特に日本の胸キュン映画にしこたまやられてしまったという、超難儀なやつだったりするのです。あれだけのガタイをもってもナードだと、というアメリカの業を見る感じですが、本人は日本在住最後の日に胸キュン映画で盛り上がってだいぶ楽しそうでした。本国に戻ってもしっかりやっていけそうです。
 というか、「女の子になっちゃう!」とか言えるいいキャラが、この回だけというのが、この漫画がちょっと頭おかしいという感想の一助になっているなあ、と。重大事件をさらっと描写しないからなあ。
 ああ、小津さんが胸キュン映画の話でジェームズ君と盛り上がってたコマが大変可愛かったです。

24本目<参ってぃ遭難 サバイバル>

 夏だ! 海だ! 遭難だ!
 ということで、いつもの3人+ガクトで遭難体験する話。ちゃんと、ドッキリではあるんですが、いつも3人がいつも通り映画話しかしてこないせいで、一周回ってこれはもしやガチ遭難なのでは!? ってなっていたガクトの姿はお笑いだったぜ。案件です。地味に泣いてますからね、ガクト。ある意味ハーレムというか、エロゲなら三人はらませエンドとかありそうですが、そういうの出来ない子だからね、ガクトは。そういう意味ではいい子なんだよなあ。
 とはいえ、最初の方はまだガチかもというのを思っていなかったので、俺『オデッセイ』見たから遭難してもなとかなりますよ! という、あれ火星の話だろなこと言いだしてたりして、そこが大変良かったです。最終的に『スイス・アーミー・マン』の印象でガッツリ持っていかれるのですが。やはり無限に屁が出るってどう考えても話題性の塊だよな……。
 ああ、この回の小津さんはガクトに送ったラインに既読が二日つかなくて、なんで? と思いつつベッドの上で横ローリングしてて可愛かったです。

25本目<熱川、出し物決めるってよ>

 文化祭の出し物を、という会議をしていたけど、皆がガクトに生徒会長とのコネがある、というので各々が各々の欲求を満たす出し物にせんと、ガクトに映画馬鹿でそこつくと簡単に、という脆弱性があるのを理解してガンガンそこをつく、という回でした。
 以前からガクトが映画馬鹿方向に行くと小津さんが孤立無援になるじゃねえか! と思っていましたが、そこを本格的に突いた格好だったせいで、小津さんが終始可哀そうな展開を見せていました。ばーか! 熱川くんのばーか!! のとこの小津さんはベストスナップ。気持ちが分かる。本当にこの回のガクトバカだったし。
 しかし、出し物を決めるだけで一話を、そしてここまで楽しく彩れるって、中々出来る事じゃないですよ。ビリー先生の腕前がいかなるものか、というのが如実に出る回でもあったかと思います。こんなグダグダからきちりと出し物も決まって次の回へと展開していくんだから、タクバツです。

26本目<ユースフル・ドリーマー>

 ガクトが見るそれは、夢か。はたまた幻か。
 と言う感じで、まあ夢なんですが色んなif世界みたいな話でもありました。これまたバタバタしつつ、こ、こは何事? という感じで推し進められて、わりと楽しかったぜ。する回でもあり。捉え所がないので、感想しようにもあやふやな感じになってしまいます。まあ見てください案件ですね。
 地味にこの話の後、ブラックスキャンダル事件というのが気になるんですが、これに関しては恐らくこの漫画の連載部分で語られることはないな、とも理解出来ます。カバー下でフォローされたらいいなあ。くらいの感覚でいるのが、この漫画との正しい付き合い方です。2巻最後の話に繋がる部分もこの4巻のカバー下でフォローされましたしね。するの遅い!

27本目<死ね部のおいしい文化祭>

 映画食い物話を、文化祭と絡めて。映画の中で特に大きくはなくても、地味に気になる食い物の話を、文化祭の出し物として組み込みつつやってくるテクニカルな回。『ブレードランナー』の2つで十分ですよとか、忍殺でもネタとして取り入れられたマニアックなネタで攻めてきます。後ジブリ飯とかアべンジャーズネタとかね。
 地味にメイン所の女子全員いつもと違う服に、というのも見所。特に小津さんの学ラン姿可愛すぎか! 案件なので、目に焼き付けたいと思います。

29本目<バーニング・小津ちゃん>

 はい、28本目はスルーして、29本目! この回こそ、この巻の最大のポイントなのは言うに及ばず。何せ、小津ちゃんがとうとう自分の気持ちに気づいてしまうのですから。自分の中のガクトに対するそれが、嫌い、というのではない、と気づいた小津ちゃんの可愛らしさと言ったら! と言いつつ言うに及ばないんですがね。まあ見てください。この漫画ここで終わったと言っても特におかしくないくらいに、小津ちゃん可愛いですから。
 にしてもあれですね。小津ちゃんなんであんなに可愛いんだろうっていうのは、この回で大体結論づけられて、それだけ愛ってのは愛おしいものなのさ、というのですけどでるんですよ。ラブと言う様態は中々現実では肉眼で見れないですが、漫画ならそれは可能! という強さを全面的に押し付けてきた格好、とも言えるでしょう。カワイイデスヨ!

さておき

 やはり、小津ちゃんはこの漫画最カワですね……。という感想しか出なくなったので、この項はこれで終わり!

 きらら展in大阪の話 つまり、もしかしなくても旅行記だよ!

承前

 開催! ということで早速行ってきました、<きらら展in大阪>。去年の<きらら展in東京>については、

 にあり、大体の展示はこの時と同様なので、そこんとこを知りたい向きは参照されたし。知りたくない向きは無視して戻るするべし。
 そして、宣言します。もりっときらら展バレします。全く予断無く行きたい、行って直撃されたい人も当然今からカカッと戻るのだ! その点に関する配慮を一切しないのをぶちかますぜー! 一応、すぐに戻ればいいように前段階を書いていきますので、本当に今から戻らんとどうなっても知らんぞー!
 そう言うの問題ない。むしろ知ってみたいという向き、あるいは既にみた向きなどは、そのままずずいと読んでいただけると幸いです。
 ということで、それではいってみましょう。

戦いは始まる前から始まっているのだ。

 2019/10/13。4時20分。起床。などと、その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ。前日の夕方に寝てしまった為、この日殆ど寝る事は出来ませんでした。うつらうつらをしましたが、ほんの少し。
 ということで、殆ど不眠のまま、きらら展に向けて出発することに。
 郷里からの格安且つ最速の方法で、大阪に、そして天保山大阪文化会館に到着した私を待っていたのは、また、地獄だった。
 運よく事が運んで、9時30分辺りに到着したのですが、既に行列は出来上がっていました。これには私、びっくり。前回の東京会場ではそこまで並ばなかったので、とっても余裕をこいていたのです。
 そこから会場にin出来たのは、1時間後。それまでに、併設カフェに既に並ぶ剛の者や、どういう仕組みなのか既に物販を済ませてカフェに並ぶ剛の剛の者などを横目に見ておりました。
 剛の剛の者の速度は本当に、音ゲー用語でいうところのわけのわからないものでした。展示を見ないで物販狙いで、更にノベルティ狙いなのは分かるんですが、あんな魅惑の空間を前にして総スルーなんて出来るのか!? ってひとり正直驚愕してましたよ。

会場にin!

 じりじりと進む列から解放された先は、まずきらら作品の色んな絵で楽しい空気をばっとするあれでした。これを見るのは二度目ですが、やはりちょっと異世界に来たアトモスフィア、というのがあります。異化効果!
 というのはさておき、その後はきらら誌の展示。東京の時より数が増えた印象です。あるいは、東京では一直線の位置だったのがカーブ入ったから広く感じたのか、それともやっぱり多かったのか。
 とりあえず言えるのは、きらら誌が超沢山あると圧が凄いということです。『トリコロ』の圧、強うございました……。
 その雑誌配置の末端には、付録の展示。これは明確に増えてましたね。そしてやっぱり得能正太郎先生の描き下ろし付録は見栄えがいい。東京でもそうでしたが、大阪でもぱっと見でやっぱり際立って目が行きます。タツジン!

メインイベント、描き下ろし展示物について。in大阪。

 今回、私にはミッションがございました。そう、みらくるる先生のサイン会! ということで、一度見た部類についてはスルーして、先を急ぐ形でした。石見翔子先生の払暁とか、あfろ先生の払暁とかに目を奪われたりしましたが。どっちも、やっぱり明ける空と言うのの美しさというのがしっかりあって、ほんと凄い好き……。
 というのはさておき。
 スルーするとはいえ、今回新たに追加されたものは、図録に載らない、グッズには載るんだけど、ので、目に焼き焼きしてきました。それらについて、プレイバック!

はまじあき『ぼっち・ざ・ろっく』

 出来ておる喃……。
 一枚絵の方はライブの一場面、一瞬間という感じのもの。これが大変いいのです。ライブ中の、その瞬間だけで、色々な情報がしっかり内在しており、そこを読み解くと大変上がってくるのです。
 まず、キタさんが楽しそうにしているところ。ノってます。ノリノリです。流石メインボーカル。伊地知さんもノッてます。この二人は楽しそうなんですよ。
 対して、リョウさんが真面目です。リョウさん、ベースやっている時以外はダメ人間ですが、そこはベースやってますからね。ちゃんとやってます。真面目にやっているリョウさんというレア画像です。
 最後に、後藤ひとり。
 それは全く、苦悩すら見えます。真面目にやっているんですが、余裕がないのです。表情が暗い! まだ他人とのセッションに対して自信がないのが、その真面目ゆえに苦悩して見える表情から察せられます。後藤ひとり、まだ羽ばたけぬか。
 と言う感じの情報量をぶっこんでくるはまじあき先生は天の才だと思いました。
 それに対して漫画の方は酷く、そりゃぼっちちゃんはきらら誌、別の意味で刺さっちゃうよ! と言う話でした。そこでのリョウさんがピンポイントに酷くてそれもまた最高でした。お前の為なんだ、ってきららを強引に読ませる、と文字にすると殆どサイコパスです。こういう役回りだけはきっちりこなすんだよなあ。
 総じて、高いレベルの展示でした。

険持ちよRPG不動産』

 出来ておる喃……。
 一枚絵の方はメイン4人がきっちりいて、どこかの偉い壁絵のような趣。この漫画についての過不足ない、それでいて見て良さを感じさせる、大変いい一枚でした。
 漫画の方はこの漫画のテンポというのがどういうものか、という説明として格別のものだったと思います。展開のよどみなさといい、メイン4人の立ち位置といい、最後のそうかー! な終わり方といい、優れた、とはまさにこのことだと感じました。この辺の、小池一夫門弟としての小池メソッドをきららに持ち込むというわけのわからないものが、しかしちゃんと構成員として認められるというきららの奥深さを感じる。そういう展示だったかと思います。

みらくるる『メイドさんの下着は特別です。』

 出来ておる喃……。
 下着の妙味はいやら可愛らしい、というものだとは皆知っているね? そこに対して全くブレずに、きっちりいやら可愛らしいをド直球でぶっこんでくる一枚絵と漫画でした。
 特に、漫画の方は本編ではちょっと灰汁が強くて出せないような、一風変わったというか妙など派手さのあるランジェリー姿で、そんなのでもやっぱりいやら可愛らしいというのがブレないというこの漫画のポテンシャル、ひいてはみらくるる絵のポテンシャルの高さを見せつけられる一場面でした。個人的には漫画の方の雫さんのランジェリーが、本当にちょっとどういう用途で使うんだそのランジェリー、感があって好きです。

うちのまいこ『スローループ』

 出来ておる喃……。
 一枚絵の方は釣りの一場面、という大変地味な瞬間の、でもそういう瞬間にこそ宿るものがある。というこの漫画のテーゼというか、きらら誌全体のテーゼがしっかり出た、でも本当に地味、でも本当にいい瞬間の一枚でした。
 漫画の方はもうひよりちゃん可愛すぎか! しか言えないものでした。もとからひよりちゃん派だったのですが、これでもう、今後のひよりちゃんプッシュは俺に任せろ! にまで到達するくらいひよりちゃんが可愛かったのです。皆で海外のメジャースポットで釣りしたい、って言ってるだけなのになんで可愛いんだよもうー!

富士フジノ『マギアレコード』

 出来ておる喃……。
 闇から光へ、という絵ではある一枚絵なんですが、『マギアレコード』は『魔法少女まどか☆マギカ』の派生作品。というのが頭に入っている人からするとその光の下がグリーフシード、というのでうわ、わあーーーーー! と島田兵の叫びになってしまうのでもう駄目。想像以上に、この漫画恐ろしい方向へと突き進んでいくのか? と襟を正したくなる一枚絵です。
 漫画の方はのんきな話なんですが、話の俎上にグリーフシードが上がる時点でもう駄目。恐怖しかない。普通の可愛い話、というのには向かわないんだろう。という予断をぶっこまれました。富士フジノ先生、あまり知らなかったけど、やりおる……。

PAPA『マギアレポート』

 出来ておる喃……。
 一枚絵の方はピンク! という印象が非常に強いくらいにピンクです。全体がピンクに塗られているのではなく、まどか先輩といろはちゃんのピンク色が乱舞する。そういう感じのピンクです。マギレポのクリアファイルはこの絵柄なので、大変良いです。思わず買っちゃいまいした。
 と言う話はさておき、漫画の方は、1ページ漫画とまどか先輩の限界に挑戦するようなものでした。お前体が普通の等身じゃ1ページやっていけんぜー! とかしつつ、どんどん小さいコマで、という強引な展開へと持って行きます。Web連載の方で1ページをどこまで情報量無くやっていくか、という限界に挑戦したPAPA先生だからこそ出来る、その反転としての限界攻めで、大変なんだと思うんですがそれ全然落ちてないですよね―!? という。もう、好き。

付帯情報

 この新作組は、その掲載誌の展示場の最後にあるので、そこだけピンポイントしたいなら、それを理解して動くといいと思います。俺はそうしました。非常に忸怩たるものがありましたが!

ライブドローイング

 ライブドローイング、内容的には東京のものと変わりありません。なので、見た方はカカッとスルーでもいいかと思いますが、しかしやはり川井マコト先生のそれは必見です。
 『幸腹グラフィティ』のそれは、本当の意味で異形のそれです。とにかく、料理の描き具合が半端ではないのです。
 おお、これで完成か。
→ってまだやんの!?
→と、これで完成か。
→ってまだやんの!?
 というのを都合二十回ほど繰り返すのです。そこに顕現する、圧倒的描き込みの料理。元々我々としては相当描き込んでいるよな、と知ってはいましたが、ここまでするという川井マコト先生のある種の狂気とすら言えるそれは、マジで必見です。やり込むとはこういうことだ、という無言の圧力があります。時間があれば最初から終わるまで見ていたかった。ちょっと見ただけでも描き込みの執念深さを感じてめまいすら、ですけども。得能先生も牛木先生も凄いんだけど、一人だけ亜空の瘴気漂わせてるんだよなあ……。

眉毛先生による特別ムービー

 色ついてたよ。

写真撮影可能領域

 立て看板と、漫画家さんが東京の時に描いていったパネルは写真撮影可能でした。前回これを見逃していたので、大変ありがたく写真に収めましたよ。
 しかし、うちのまいこ先生の描いた絵の台詞が、となりがぼっちちゃんじゃなくなったせいで単なるスゴイシツレイになっている、とツイッター見て知って見てその通りで笑いました。そこはちゃんと合わせてあげて!

きらファン設定画

 差があったのか記憶にないですね……。急いでいたので注視してなかったです。『まちカドまぞく』のがあったような、なかったような……。

漫画家さんのきららな一品

 色々な一品がありました。真面目に設定とかのものから、本当に趣味のものまで、さまざまに。その中でいくつかピックアップしましょう。

あfろ先生のバイク

 『ゆるキャン△』でりんさんのお爺さんが乗っているバイクでした。マジでバイクだったので場違い感が半端なく、ついでにコメントもガチの説明で、門外漢には良いバイクなんだ、くらいしか分かりませんでした。本当にこういうの好きだよなあ、あfろ先生。

伊藤いづも先生の付箋

 創作メモとして色々沢山な付箋に色々な文言があり、それをノートに貼り合わせている、という風に書くと、それが? 感あると思いますが、実物を見るとそれがガチのものであるという凄みがある! とブチャラティ声が出てしまう、なんとも圧の強い一品でした。創作する人は見たら、なんか殴られた感じがすると思います。

蒼樹うめ先生のフラフープ

 ちょっと前のうめてんてーはなんか体を壊しがち、という印象があると思いますが、それはうめてんてーも思ったようで、なら運動だ! として行きついた先がフラフープ、というので、わりと意味不明な選択で笑いました。でも、わりと効果はある、とうめてんてーが言っているので、そうなんだろうなあ、と。

ざら先生のゴリラフィギア

 ゴリラは外せません。という謎ワードが脳に沁み込んで抜けません。ツイッターでは適当に渡した、とか言っておきながらのこの発言なので、つまりそれだけゴリラ。ゴリラ。スラングル。

異識先生の新庄君

 異識先生は本の枠で、出していたのが新庄君でした。つまり、川上稔終わりのクロニクル』でした。本当に川上稔先生が好きなんだなあ、異識先生。後、ハトポポコ先生があずまきよひこあずまんが大王』でした。色々いいのかそれは。

Koi先生のヨーロッパの写真

 写真枠のKoi先生のそれは、ヨーロッパの色々な写真。それを見て、成程そこ原点なんだな、というのが腑に落ちました。ヨーロッパガチ勢なんだな、Koi先生。そしてこれも一部なんだろうな、というくらいには、たくさんの写真がありました。やはり、ガチ勢はものが違う……。

アニメ化作品の間

 ちゃんと『まちカドまぞく』とか、新しいのも追加されてました。よき。

本日のメインイベント、みらくるる先生サイン会について

 サイン会も大きな目的で、このイベントにやってきましたが、まずサイン会会場がどこか分からない。スタッフの方に話を聞き聞きして、あっちこっち探しましたよ。初めて来た建物の、そういうのに都合のいい場所なんてわかるかあ! と半ば逆切れしてました。物販の列に紛れ込みそうになったりも。導線!
 さておき、サイン会会場に到達して、その途上で予め買った図録(そのサイン会会場で買えたみたいでした。分かるかあ!)を持ち。
 待つ。
 待つ。
 待つ。
 列が全然進まない。みらくるる先生、けっこうきっちり描いているようで、それでどうしても長くなってしまっている模様でした。実際、1時間ほど並んで自分の番が来る前に、当然前の人のサインの様子が見れるわけですが、キャラクターの絵を、顔だけじゃなくバストアップで、というのでそりゃ時間かかるわ! な案件です。でも、それしてくれるのなら、待つわ! と待ち、ついに番。
 誰を? と問われて心に決めていたのはご主人様。でもご主人様を、はなんか変な意味にならないか? と考え至り、エマさんを、と発言しました。
 だが、これが裏目
「エマさんって言われるの、珍しいですね」
 アイエッ!? 皆ご主人様って言ってたの!?
 というのがジャブであってしどろもどろになってしまいましたよ……。ご主人様のどこがいいですか? という問いに金持ちだから、って言ってしまったり……。傲岸不遜なキャラが好きなんで、と後から付け足しましたが、なんか変な空気じゃなかったか!?
 という反省点バリバリしつつサインは恙あり終了。なんだろう、スゴイ悔しい。
 さておき、みらくるる先生の絵の良さって、本当に色々とパーツが組み上がっていく感じだなあ、とか。ご主人様、最後の方まで何か足りないなあ、って思ってたんですが、最後に口を描かれて、一瞬でパチンとはまったのが、気持ちいいまでありました。そうそう、こういう感じ! プロって凄さが凄い……。と語彙が死にました。

物販。それは地獄めいた地獄。

 きらら展、再入場はないイベントなのですが、サイン会に行った人に限り、再入場が可能でした。なので、ここは物販いかんといけないだろう。と物販目当てに再入場。今度のinは30分程度で済みました。展示を再度確認し、色々なキャラクターの絵がそこかしこにあるなあ、とごきチャのごき2人(?)が下の方にいたのを確認したりしつつ、物販に並ぶ形に。
 ここからが、地獄でした。そもそも、サイン会で番が終わったのが13時頃。飯食う場所は外だし、中は飲食禁止だし、で、何も腹に入れない、水さえも、という状況で物販に突入してしまったのです。
 これが完全に方策の間違い。そこから、列に並んで物販を買えるとこまで行くのに、1時間半。その間、飲まず食わず、更にほぼ寝てないも合わさって、体調は最悪に。もう少し暑かったら、熱中症を発症してもおかしくない状態でした。せめて水分さえとっていれば……。
 とはいえ、物販の買うものリストを渡されると、テンションが高まって案外その辺気にならなくなるという、ある種精神力のそれが発動したので、なんとか事なきを得ました。でも、やはりあそこは一旦水分を取りに出るべきでした……。以後の教訓にしよう。
 さておき。
 買えるとなると何を買う? となるのですが、今回は一つ買うと決めていたものがありました。
 それがPAPA『マギアレポート』のトートバック。これが二種類あるのです。
 どちらを買うか。これにずっと悩まされていました。個人的な趣味で言うとまどか先輩のやつが、得も言われぬ良さがある。でもいろはちゃんのガチャシブ顔も捨てがたい。どうするか、というので直前まで。
 しかし、実際に買う番がくると、調子の悪さが反転して、逆にハイに。そして気づきます。
 欲しいならどっちも買えばいいじゃない! ということに。
 はい。両方買いました。トートバック二つってお前……。案件ですが、これはある種積極的ドネートです。アイウォンチュ。PAPA先生に金が入る余地があるなら、開拓するのは因果。ついでにぼっちちゃんの肝臓売らなきゃコインケースもネタで買いました。大きな出費でしたが、悔いはない……。ネタは止める予定だったけど、ハイだったから……。

そういうことで

 物販買って、私のきらら展in大阪は終了となりました。体調的にヤバめでしたが、終わってみれば楽しい展示会でした。カフェの方にも行きたかったですが、そこも行列だったので、流石にもう行列は、いい……。と。ネタとしては入った方が良かったんですが、こればかりはね。本当にもう行列はいい。ってくらい並びましたよ……。しばらく行列はいいです。本当に。
 とかなんとか。