一口感想 本田由紀他 『ニートって言うな!』

「ニート」って言うな! (光文社新書)

「ニート」って言うな! (光文社新書)

 題名に比せず、かなり固めの本でびっくりしました。もうちょっとぬるいのを想定していたので、なかなかそれに歩調をあわせられなくて苦労しました。
 内容的にはまあ、ちゃんと考えて品評しましょう、という話。如何にニートという言葉がいい加減な使われ方、持ち上げられ方か、というのをじっくり語り明かします。ついでに、こういう言説の大本も理解しておきましょう、というのが基本筋。それについてはおおむね了解して、ああ確かに人はこういうことを、こういう風に言うなあと納得しきりでありました。自分の不安を他人にぶつけちゃダメ、ゼッタイ。
 ちょっと気になったことはあるにはありますが、些事なので適当に。というか、一人くらい売らんかな、しかも自分を売らんかなしてる人がいたように思えます。誰とは言いませんが。あとがきも、なんか壮大なことを仰られていて、はあ、野望ですね。としか返せなくて困りました。こういう本は、そういう売名的なのとは違うスタンスの方がいいのでは? もっと共著者と歩調を合わせたほうが、と思ったけれど、気のせいかもしれないし、こういうことがあってもまあ、それはそれで楽しめたから、これ以上は言うまい。