感想 saxyun 『空想科学X 3』

空想科学X 3 (電撃コミックス EX 108-3 THE NONSENSE OF WO)

空想科学X 3 (電撃コミックス EX 108-3 THE NONSENSE OF WO)

 大体の内容。「さあ、どんどん科学関係なくなってまいりました!」。って言っても前からそう関係なく、適当に極度に発達した科学は魔法と区別がつかないレベルの不思議アイテムがたまに思い出したかのようにぽっと出しては、一回こっきりで捨てられるってのが、かろうじて科学の面目を保っている漫画でしたが、今回もその例に漏れる事はありませんでした。宇宙行ったのは科学っぽいですが、でもそういうの見る漫画じゃねーからこれ!
 じゃあどういう漫画、となるとボケ有利漫画とでもいいましょうか。基本的にボケの方が優位というか、ツッコミが効かずにボケっぱなしだとか、ツッコミがよくボケに引っ張られてしまってボケボケになってしまうだとか、そも流れの筋がボケボケでツッコミしてる間が無いとか、まあとにかくボケが多い4コマ漫画です。この辺のボケの強さと、ツッコミの不全さによるどうしようもなくいたたまれない感じ、居心地の良いような悪いような雰囲気こそ、この漫画の持ち味ではないか、と思います。この不安定な足場! とでも感嘆すればいいのか。とにかくたまにぬかるんだ地面踏んでるような感覚を与えてくれるので、それを欲してみる、というのが正しい付き合い方でしょう。たぶん。
 一話一話の好き嫌いでいうと、“スカイラブまんじゅう”の中盤からのグダグダは最高でした。博士&コトさんの中でシュート対決が盛り上がりすぎてしまって、ちょっと勢い先行というか、いや勢いしかないだろ、っていう形になってるのがたまらなく愛おしいです。なんだかとっても、ありがてえじゃねえか……。