感想 結城心一 『ちろちゃん 4』

ちろちゃん (4) (IDコミックス 4コマKINGSぱれっとコミックス)

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 大体の内容。「やえひぃ先輩よ、さらば」。サザエさん時空になる事なく粛々と年が進んでいき、ちろちゃんは全く成長的な伸び代が無い代わりのようにまとちゃんがすくすく成長している『ちろちゃん』ですが、中学編で結構な尺を使って鳴り物入りで登場していたやえひぃ先輩がこの巻でフェードアウト(卒業)と相成りました。正直に申しますと、中学編でのキャラはやえひぃ先輩といいむらあのといい大概微妙判定をジャッジしていたワタクシなのですが、最終的に学年主席おかしくなった!という感じでやえひぃ先輩がフェードアウト(卒業)したのは流石にもののあわれを感じずにはいられない出来事でした。端的に言って\ひでえ/。
 そのもののあわれを助長するのが、やえひぃ先輩のダイモンジャーレベルの上昇です。勝手にチキンからチキンブロイラーに意味が良く分からないクラスチェンジしておられ、色々溜まってるのかな…。と思わせてくれるに足るモノがありました。しかも、そのチキンブロイラーを名乗る回がご丁寧にも単行本では珍しい、というか『GA』以外ではまずお目に掛かった事が無い、カラーページ収録という特待生扱い。もう一つ収録回があり、そこはまとちゃん虫嫌いになる?! 回でそれはそれで重要な回だったんですが、いや待てそんなのと同じ位重要な回かチキンブロイラー!? って気分になる事請け合いです。しかもパワーアップの意味があまり無いというか、ぶっちゃけガワ変わっただけですよね! というのも含めて玄妙な気持ちになれます。でも、そうなったらチキンから開放されるので、やえひぃ先輩としてはそれでいいのかもしれません。と、分かったような口を利きますが、でもやっぱりこれは酷いのではないのか。人生地味に狂っているのではないのか。そんな事をして良かったのか。など考えオチになるくらい考えなくてはならない物があるように、錯覚してしまいます。まあ、周りはどうあれ、式典つつがなく終わらせれたんだから…。
 他の話も何故か粛々感が強いですが、そんな中でまとちゃんが虫スキーの呪縛から開放されるというファンタジックな回がありました。ちろちゃんの催眠術で虫スキーを剥奪されるんですが、その時に謎の黒い何かがまとちゃんから、という亜空の表現は漫画だなー、って気分にさせられます。でも、それが実際に他の人に、具体的にはやちほ先生に憑依するという段になってああ、この漫画おかしいんだ…。とか思わないとやってられません。そして虫スキーが無くなったまとちゃんは単に危険人物になってしまうのも白眉。虫限定だからあのスキーは許されるのか…。というかあんなに好き好きなのか、虫の事。コワイ!
 しかし、今回まとちゃんあんまり虫ネタしてなかったよな。まあ、この漫画『ちろちゃん』だからし過ぎたらおかしいんだけど。でもちょっと物足りない。虫で追い詰められてこそのちろちゃんでしょうに!
 とかなんとか。