感想 あfろ 『mono』1巻


mono 1巻【Amazon.co.jp限定描き下ろし特典付】 (まんがタイムKRコミックス)
(画像のリンクが物理書籍のページ、文章のリンクがkindle版のページ)

大体の内容「シネフォト部の活動記録」。などと、その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ。と亡き家弓家正声が聞こえてくるくらい、ベースに対してアドリブ部分が際立っている漫画。それが『mono』なのです。
この漫画の細かい良さというのを書くのを今回は放棄します。というくらいにこの漫画のイレギュラーな良さが際立っているのが1巻なのです。細かい、いい話なところとか、ボケ倒すところとか、書きたいですが、この1巻に限って言えばここで書くことの偉大さというか、異常さというか、とにかく今後10年はこれと同じタイプのことをする漫画は生まれえないだろう。そんな予期をさせる漫画となっているのです。
婉曲に語り過ぎました。直接的に行きましょう。なにがこの巻を異常性の獣にしているか。それは、あfろゆるキャン△』の聖地巡礼をこの漫画、あfろ『mono』でしてしまっているということです。自分の漫画の聖地巡礼を、自分の違う漫画で! これが如何に頭おかしい案件か、よく噛み締めていただきたい。聖地巡礼漫画というのも多くはないですが、本人の漫画を本人の漫画で、というのは古今類を見ません。あるいは今後一切出てこない可能性すらあります。丁度連載していて、丁度アニメ化で、丁度そういうのが出来る漫画があって、というここまでの好条件は揃う可能性は極めて低い。そういうことを踏まえてれば踏まえるほど、この奇跡と、その上であfろ先生がやったという事実が、極めて強く輝くのです。ある意味コメディ漫画としては最上のネタですよ。それが出来る位置に、あfろ先生がいた。それになんというか、感謝するしかねえじゃねえか……。とCV稲田徹です。
さておき。
この天の采配は、しかしおざなりに繰り出さたりはしません。ちゃんとボケの要素、ペーパードライバー講習受けたから! と自信満々で実際運転も安定しているけど運転姿勢がおかしくなっているとか、や絶景パートとかも完備。アニメになった漫画の方の家があるところは更地だとか、細かいネタも織り込みまくりで、成程、自分の漫画でネタにしたからこそできるネタがあるのか。と納得しきりです。本当に、こんなネタをする漫画は早々現れないだろうな、という思いを強くするばかりです。ぶっちゃけ、この無茶さを感じ入るだけで、十分満足させていただいた。そう言わざるを得ません。
とはいえ、それ以外の部分も取り上げはしませんが大変いいので、『ゆるキャン△』からあfろ先生に入った人には手軽にお薦めできます。本当は『月曜日の空飛ぶオレンジ。』をごり押ししたいという面を隠して、まず懐に入る為の一作として、布教家の方にも一読をお勧めしたい。そんな漫画。それが『mono』なのです。