今回のまんがタイムきららキャラット三作取り上げ(2019年5月号)

承前

 まんがタイムきららキャラットから三作を取り上げて、それぞれについて感想を書くという試みです。三作だとバランスがいいのです。
 選ぶのは好きな作品。とはいえ、号によって振れ幅がありますので、最大のゲインがあるやつ優先です。その方が楽だしね! 楽はしたい。
 それではいってみましょう。

浜弓場双『おちこぼれフルーツタルト』

 すまんな、アニメ化だ! という感じですがある意味順当のアニメ化発表となった『おちこぼれフルーツタルト』ですが、そのお披露目効果でカラーをもらったら、ちゃんと色違いが分かるネタを突っ込んでくる辺りに浜弓場先生の卓抜を感じさせます。その前の月、つまり先月号の段階でこうなることをヒット確信して、実際の所そうなるからこそでしょうけども、カラーに映える展開を持ってくるんですから、流石にきらら系で違う作品二つをアニメ化したという実績持ちになった先生は違います。
 でも、この漫画で本当にいいの? という気持ちになるのもむべなるかなな回でした。タイツ、イコールじゃあ体の線からして下着は? というので「やろう、タブー中のタブーに触れやがった」と本部顔になってしまいますよ、そりゃあ。で、ぽろっと言葉にでた絆創膏、それ使い方違う! 案件です。そして落ちてた絆創膏という素敵ワードが最後にぶっこまれてもう駄目。このアニメ化企画持ってきた人はこの惨状が分かっているのか!? という酷さでした。もう、好き。

中山幸『ブレンド・S

 ファン視点! そういうのもあるのか。ということで苺香さん推しのファンの方の動向を見る回でありました。2クールアニメで挿入される無駄に無駄がかってない無駄な回ですが、そういう回がその作品の良さを決定づける、ってばっちゃが言ってた。などの妄言が出るくらいに、基本的にあってもなくてもな回でした。
 しかし、苺香さんファンというのは今までちらっと出てきては苺香さんの天然サディスティックにやられる画しか見てこなかったので、その内面と言うのが見える、というのは大変エキサイ天狗でした。これが男性なら角が立ちやすいですが、女性で、というのがまた目線として正統派であるかと思います。今まで苺香さんにてきめんにやられてたの男の人ばかりでしたから、そこを女性でやる、というのは唸らされます。展開的にも同担拒否勢という業の深さをきっちりと納得させるもので大変ようござんした。ああ、オーナーはうざかったです(定例会見)。

険持ちよRPG不動産』

 ファーちゃんの、謎が、解かれない! という見事なゲンゲン肩透かしをぶっかましつつ、難民化した人たちの為に城の方でお仕事することに。というかセーラさんのうっかり属性が強固になり過ぎて単なる無能になっている気がして仕方がありません。無能力では『魔術師オーフェンはぐれ旅 無謀編』の名無能警察官コンスタンス・マギーとタメはれるレベル、というと分かる人にしか分からないと思います。しかし、マジであのレベルの無能になりかけている気がします。城の収容力より多い人を受け入れてしまう、ってうっかりにも程がある!
 しかし、ここではファーちゃんの異種族の言葉が分かるという能力によって、城の空きスペースが分かります。実際の所、それは地下牢なので城の暗部なんですが、今はここが人々の為に使われることが重要なんだ、という話に。この辺を忽せにしないのがこの漫画のいい所。しかし、この展開だとしばらくは城に収容した人たちの住処を考える形になりそうです。しばらく仕事が忙しい、というのは良いことだけど、ドラゴンの話もあるし、そしてファーちゃんの言語のそれがドラゴンである以上の能力っぽいともされているし、でマジでこの漫画の着地点がいい意味で見えなくてよいです。もっと、もっと焦らしてえ! ←唐突にマゾる