ネタバレ感想 遠藤達哉 『SPY×FAMILY』1巻

SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックス)
SPY×FAMILY 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
(画像のリンクが紙、文章のリンクがkindle版)

 大体の内容「ちょっと楽しい、仮面家族」。コードネーム黄昏。彼は国一番のスパイ。その彼に与えられた任務は、家族を作る事だった!? そこから始まる家族計画。それが『SPY×FAMILY』なのです。
 さておき。
 まずこの漫画のメインの三人の話から。

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暗号名:黄昏
表の顔:精神科医
裏の顔:スパイ

 黄昏。誰そ彼とも読むくらいに、様々な顔、変装による諜報活動を得意とするスパイ。今回の話は、国の指定する要注意人物をどうにかする(様々な意味で)為に、その息子の通う学校に合法的に侵入し、息子関連の所しか出てこない要注意人物に接近する作戦の話。

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仮名:アーニャ
表の顔:ただの幼女
裏の顔:超能力者

 その作戦の為にまず子供、ということで孤児院で引き取ったのがこのアーニャちゃん(仮名)。この子は人の心が読める、という超能力者でした。黄昏さんがスパイなのを隠しているように、超能力者というのを隠しています。まあ6歳くらいなので危なっかしいですが。しかしその能力で黄昏さんに心読んだうえで取り入っていったりとしたたかな面も。ついでに黄昏さんがスパイなのも心を読んだので知っているし、母役となるいばら姫さんのことも知ってしまっています。黄昏といばら姫、お互いが隠している部分を実は知っているという意外な爆弾でもあったりします。

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暗号名:いばら姫
表の顔:市の職員
裏の顔:殺し屋

 子供の調達と懐柔、及び第一関門は突破した黄昏さんとアーニャちゃんでしたが、次の関門は両親、つまり父母両方ともいないと駄目な面接、となり、母となり妻となる人を探すことになった黄昏さん。難攻が予想されたそれは、当然全く時間がないのですが、その時に偶然いばら姫さんと黄昏さんが邂逅することに。この邂逅を好機と見た黄昏さんは猛烈アプローチ。丁度彼氏を連れてパーティーに行く、という大見栄を切ってしまったいばら姫さんも、それはそれで好機! となり、その後の一悶着の結果、二人は共犯関係になるのでした。
 これで、学校に入学する前の試験に対する準備は整った! となっていくのが、大体1巻の内容です。
 さておき。
 とりあえず、この家族もどきが大変怪しい繋がりになってきているのがいいですね。黄昏さんといばら姫さんが、お互いこいつちょっと普通と違うな? というのは腹に持ちつつも、お互いの利害の為に繋がっている、というのが徐々にこの家族としてつながっている、という方向に舵を切っているのが、特に。というか、黄昏さん、今までハニートラップ(用法違い? まあいいじゃん)として女性と付き合うのはあったけど、こういう家族前提の付き合いはしたことがない、のに要所要所でお前いいやつだな……。ムーブをする為、アーニャちゃんもちち! と慕い、いばら姫さんも今のカバーは結構悪くないかも、となっております。でも、本人はクールで仕事一徹のスパイとしての自分が揺らいでて結構懊悩していたり。そのせいで、時折思った以上の暴走をしてしまったりもします。そういう揺らぎが、しかしこの家族もどきには重要なのでは、という感想を持ったりします。
 対していばら姫さんの方は、こういうのいいかも、とはなっているものの、この巻では登場回での殺し屋稼業披露以降は身体能力が異常なのを時折見せるくらいで、本業と表の顔との揺らぎというのはあまり無かったり。ここが今後でかくなるのか、というのは見所として注視したいところです。黄昏さんとはまた違う軋轢を、見せてくれたらいいのになあ。
 アーニャちゃん? 可愛いですよ! というマジ句はさておき、この漫画の一番の爆弾、夫婦の秘密を知る者なので、この子の動き次第でこの家族計画はあっという間に崩壊してしまう可能性もあります。今の所、この家族みたいな繋がりを大変欲している感じなので、ぶっちゃけたりしないでしょうし、そもそも言い出したところで取り合わない可能性もありますが。
 さておき。
 この漫画、どういう広がりを見せるかなあ、というのが今気になるところ。要注意人物と接近出来るようになって、あるいは暗殺とかあるでしょうけど、そうなると意外と早く終わってしまう形にもなりそうです。学校話中心になるとアーニャちゃんメインが多くなりすぎそうだし、でも市井のスパイ話をカカッとやり過ぎてもバランス悪そう。この辺りをどうしてくるか、というのが今後の楽しみであります。そう書いて、終わり!