ネタバレ感想 増田こうすけ 『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GB』4巻

増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GB 4 (ジャンプコミックス)
増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GB 4 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 大体の内容も何もオムニバスだよ! ということで、年に一度のお楽しみ、日和新刊でありますよ、皆々様。今回も珠玉のギャグオムニバスとなっております。後、個人的にはホラーとしか言えないのも標準装備。増田こうすけホラーをお見舞いされろ! という感じなのが、『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GB』4巻なのです。
 毎度のパターンを活用して、マスト良かった六つの掌編を語っていきます。

第71幕 ちびっ子勉学シリーズ からだの中の大冒険

 ビー玉をテンション高く飲んでしまった男の子の中に、小さくなる乗り物でダイブ! 体の中について話していく、などと、その気になっていたお前の姿はお笑いだったぜ。とばかりに、かなりひどい話に着陸していく回。
 からだはかせのミクロシップがいきなりからだはかせという言葉と乖離があるのはさておき、体の中に入るまでに一悶着、ミクロシップの主翼がちょっとギザギザだしそもそもちょっとでかいだろ! からの体内侵入後の特に何もしないというムーブにはやられました。なんか言えよはかせ! お前そういう為にミクロシップ作ったんじゃないのかよ! というボケからの大オチの展開のひどさは、もしかしなくてもギャグマンガ日和シリーズ随一のひどさで、そのひどさにくらくらきました。理屈が成り立っていない! それでも可能だとすると、フラッシュかお前! もう、好き。

第72幕 目指せプロゴルファー! レッツゴルフ勘太郎

 プロに勝って、プロになる! その為なら出来る事は何でもする! という話。
 プロの尻は勘太郎ゴルフクラブが殴打します。勿論、性的な意味ではなくリアルにゴルフクラブで尻をガンガン殴ります。プロは普通に怒っていい場面ですが、プロは心が大きいので、妨害されつつもきっちりとゴルフボールをコントロールします。勘太郎は他にもなんかいる! というバレバレのブラフをぶっかましていきます。普通に出禁になるレベルの妨害工作です。最終的に、プロの尻に自分の手がしびれてしまうくらいにゴルフクラブをぶち込んだ後、それでもアプローチに入ったプロにサメがいる! と言い出してもうこいつ……。でもプロはスルーってなったところで、勘太郎のブラフが行き過ぎて逆にえ? ってなる一言によって、勝敗は決します。なんだったんだこの試合。最後のオチも中々に秀逸でした。そりゃね……。

第75幕 ぼくちゃんは名探偵

 夢探偵ぼくちゃん、校長探しに着手!
 ぼくちゃんのところの校長がいなくなった、という話から、夢に入れるぼくちゃんがその居場所を探す、ですが、夢の中に入ってみようとしたら他にも入ってこれる誰かがいて、それに追いかけられて、というホラー要素も混ぜつつ、校長探しという仕事に着手します。やっぱり相変わらず夢のリアリティが現実寄りで、そうそうメルヒェンなのはないよね、というのをぶっぱしてきます。でも、だからこそ情報を持ってこれる、というので、結構ちゃんとミステリーしていたのは印象的です。夢に入れる範囲の話はちょっと反則感ありましたが、ちゃんとお母さん、妊婦なんですよね。種はまいてたんだなあ。そして真相の方は相変わらず校長は……。でした。うん、知ってた。

第76幕 デスゲーム

 いきなり始まったデスゲーム! しかし、その運営が超ドクソタレ酷く……。
 増田こうすけがデスゲームものを! というので色んな意味で期待したら色んな意味で超酷くて感動しました。何が酷いかって運営者がルールをずーずーに作り過ぎというか、その場の思い付きでやっているとしか思えないやっつけジョブで、だからカードがなんなんだよ! とか、カード持たされたり回収されたりが多過ぎ! とか、そもそも混ざってたらいかんカードが何であるんだよ! とか、とにかくデスゲームの運営は頭良くないと駄目なんだな……。というのを如実に感じさせるものでした。一応、シリアスの面をしている場面ありますが、これは当然この茶番を際立たせるため。なので、最後にスパイの正体が分かった辺りからの、砕けていた腰を更にE本田の百貫落としで砕き直す展開は最高でした。

第82幕 ゾンメリー

 ゾンビから逃げる、という時にメリーさんからの電話!
 増田こうすけがゾンビもの! というので色んな(略)しました。何が酷いって、ゾンビ系ホラーにメリーさんからの電話を組み合わせつつ、それとはまったく関係ないゾンビ(40代)の下着をかっぱいで嗅ぐおっさんと首をばっきばきと鳴らす若者という要素を足したためにゾンビ的恐怖もメリーさん的恐怖もごちゃまぜになって訳が分からなくなっているのです。怖さの次元が違う4つのケミストリーにより、完全にギャグマンガだこれ! という内容に昇華されてしまっていました。オチへ向かう進行もそのせいでごちゃごちゃしまくり、ゾンビものとしての絶頂がガチャガチャに砕かれてしまうというのも含め、ギャグマンガ日和GB最高の一つとさせていただきます。

第84幕 あの娘のクッキング

 学校一可愛い女の子は、料理が苦手! それも、次元を揺るがすほどに……。
 あの娘はメシマズ、というよくあるネタを、ガンガンに突き詰め過ぎてそのジャンルを殺す一撃になってしまった回です。あまりに酷いメシな為、あの娘は鼻はいかれ、歯は総入れ歯で、視界もぐちゃぐちゃになっていて、更に指紋もない、という限界まで到達しています。それでもあの娘がメシを作るのは、前にあの娘のメシを食って異界に行ってしまった先輩をこの次元に引き戻すため! というので、もうまずいとかそういう次元じゃなくなっていて、笑うしかないものでした。オチの強引さ加減とそれで終われるのかよ! 感も最高でしたが、道中の楽しさは相当のレベルでしたよ、ええ。

総評

 というか、20周年! 20年もこの漫画読んでたんだ! と思うと、大変嬉しくなる、そんな『増田こうすけ劇場 ギャグマンガ日和GB』4巻なのでした。