大体の内容「クラウスさん早く来てー! 早く来てー!!」。ということで、対吸血鬼の切り札、クラウスさんがいないのに、タイクーンブラザーズはガンガン攻めてくる! というか、強過ぎるだろタイクーンブラザーズ! なのが、『血界戦線B2B』9巻のあらましです。
バトル展開が大量に投下されるせいで、お話の方の進みがちょっと遅い、というかクラウスさん早く来て―! ってくらい、クラウスさんがカヤの外のまま話が進み過ぎです。クラウスさんを投獄させたのは悪手だったのでは? まであるくらい、クラウスさんが戦線に復帰できていません。大丈夫なのか、色んな意味で!
の内の八割は、タイクーンブラザーズ強過ぎ案件があるからです。実際の所、タイクーンブラザーズが無茶苦茶強いです。ザップのとこの師匠ですら、見たことがない次元の強さ、というので、おそらくこの漫画の最強のキャラクターの一角を完全に独占しちゃっています。
吸血鬼は前からヤバイ相手として出てきていましたが、タイクーンブラザーズはそこを軽々に凌駕しています。ライブラ相手でもそうでしたし、パワーアップしたザップとツェッドとか、師匠相手でもそうですが、グリーディナッツの厄い強さにも全然堪えない、という無茶苦茶さを発揮してくれます。というか、脳食ったり磨り潰したりしているのに、全然ダメージを見せない、ってどう考えても強過ぎます。強いのレベルがバグってます。
実際、師匠のプラズマ火球でも生きていたので、おおよそ生命体としては無限の強さになっていると言えます。クラウスさんで封印、というのがベターな策になるんでしょうが、それすら耐えたりしないだろうな……。というレベルです。
しかし、タイクーンブラザーズには何やら制約というか、軛があるようで、あともうちょっとでライブラ壊滅! のとこで、雇い主が呼び戻したら一気に帰っていったり。なんか、契約と力とが関係するタイプなのか、そもそも吸血鬼にはそういう枷があるものなのか。というか、この漫画の吸血鬼について、我々は全然知らん! というのが浮き彫りにされた格好です。その辺の枷と、封印に関係があったりするんだろうかなあ。K.K.姐さんの授業参観に行きたい! の回の吸血鬼も、人間の女の子を育てる、っていう謎の行動してたしなあ。なんかその辺、一設定ありそうですね。
それはさておき、この鉄火場も、クラウスさんが到達するまでの前哨戦。そう考えるとやっぱりクラウスさん早く来てー! なんですが、前哨戦でここまでガチャガチャしたバトルをこれでもか! という濃度でぶっこんでくる内藤先生はドSだと思います。どうなるのか大体わかるけど、でも本当にそうなるの? と言う以前に次の巻で終わる可能性が一番見えないんですけど! やることはシンプルに、またぞろレオ絡みで大事になっているから、これなら流石に次の巻で終わるとは思うんですが、でも予断を許さない所はある。というか、これ決着ちゃんとつくの!? そしてついた後はどうなるのこの漫画!? 今回以上の乱痴気騒ぎ、出せるの!? という地点まで読者を混乱させるのが、『血界戦線B2B』9巻なのです。
あ、番頭、やっぱり人はいいんだ、ってのがあったのが個人的に救いでした。K.K.姐さんに痛いとこ突かれてたけど、まあクラウスさんについていくんだから人は良いよな、だからこそあの目をしてたんだしな、というのが分かったのが大変良かったのです。でも痛い所突き過ぎだからK.K.姐さんは後で誤った方が良いと思いました(小並感)。
ということで、10巻でどういう結実をするのか。あるいは11巻まで順延なのか。そっちの方でも気が気じゃないなあ、と感嘆して、この項を終えたいと思います。