対ありでした。のワンワードを勝手に解説してみる の15

対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~ 3 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

この項について

 この項は、不定期に江島絵里『対ありでした。~お嬢様は格闘ゲームなんてしない~』のワンワードを取り上げてそれについて言及していこう、勝手な言葉をつぶやこうという項となっております。
 しばらくご無沙汰だったがな! まあそういうこともある!
 ということでそれではいってみましょう。

第15回 普通

普通に強い

 普通とは。普通です。特に取り立てたことがないことです。と、この語の難しさは中々のものですが、これが格ゲーにおいて適用される場合、その奥行きは歪み、並々ならぬことになってしまいます。
 何故なら、格ゲーにおいて普通とは普通ではないからです。普通の言葉の意味が混乱してくる! もう既に訳が分からないよ! ですが、まあちょっと待って欲しい。
 用例としてあげた、「普通に強い」。
 これを見てどう思う?
 強いに普通ってなんだよ?
 そうそうそういうラインでいい。つまり普通ではない意味合いがある強い、に普通が付く段階で普通の普通の使い方と違う訳ですよ。
 ごちゃごちゃしてますが、とりあえず、ちょっと常識的な意味での使い方ではない、という風に理解されていただけるとありがたい。
 で、通常の普通の使い方ではない、普通に強いの普通とは何か。
 これには色々な説はあります。
 特に派手さがあったり、荒らしたりしてない、堅実な強さを普通と呼ぶ。
 そのキャラの正道的使い方と言われるものに準じた動きで強いから普通と呼ぶ。
 ゲームのセオリーをかっちり意識した戦い方で強いから普通と呼ぶ。
 なんか重複がある気がしますが、それはさておき、色々と普通に強いという言葉が象徴するラインがあるのです。
 では、この台詞が出たタイミングの、言われた美緒さんの強さとはどれだったのか。
 ですが、これはちょっと難しい。上記三つのどれも当てはまるようで、微妙に違う気がする。トイウカ図々しい歩き投げで勝つ、ってどれでもない。
 となると、どういうことになるのか。
 それの解が、真の意味で普通に強いなのです。
 つまり、強いという意味以外の言葉が出ないくらいに、純粋に強い。
 でも純粋に強いというのは言葉として何か趣きが違う。
 だから、強いという言葉、その普通の意味であると。
 強い。
 ただ強いと。
 それが普通に強いという言葉の最上級の意味なのです。
 この時点で、美緒さんの仕上がりがヤバイのが分かってくる訳ですが、その実際の仕上がりはもうちょい後でないと見られそうにないですね。4巻で見れたらいいな?
 とかなんとか。