ネタバレ?感想 kashmir 『ぱらのま』6巻

ぱらのま 6 (楽園コミックス)
ぱらのま 6 (楽園コミックス)

 大体の内容「彼女は彼女は可愛いやたら旅する女の子」。油断すると(油断?)すぐ旅に出る娘さんの旅をただ見ていくだけの漫画。それが『ぱらのま』なのです。
 しかし、今回は旅に対する解像度というか、旅の側面のところにズームアップした回が多く、この漫画も長くなったんだなあ、という感慨が得られます。
 その一つの際である、旅行の持ち物をどうするの回はこの巻の白眉の片方。旅慣れれば、旅の持ち物は少なくなる、と言います。からのどれがいるのか。そしてどこまで削れるのか、というのをやっていって旅に出る。という回でした。娘さんが兄とどういうの削れるかねえ、という会話しているとこのそれはいるなあ、というのと、それを極限まで減らした荷物で旅行に出た娘さんの感慨が大変良い塩梅でした。軽くなればなるほど自由になれるなどと、その気になっていたお前たちの姿はお笑いだったぜ。というのは言い過ぎですが、荷物があることによる自由というもあるんだなあ、って感慨してて良かったです。確かに、旅行先で揃えられる、けどそれを調達する手間もある、というのがマジ白眉でした。そういうのもあるのか……! 旅ガチ勢の言なので信用しちゃいそう!
 もう一つの白眉はマジで旅行先を考えず、手持ち時刻表に頼らず、青春18きっぷの力を活用して旅をしてみよう。というある意味では究極の旅の仕方を始める回。旅をする時、自由にしているようで意外と縛っているな? 旅行先があるだけで違うな? という発案で、その旅行が解禁されますが、それが中々大変そう。というか電車内のアナウンスを聞き逃すとやばい、というのが今の時代の旅行としてあり得るのか! まであってみていても楽しいものがありました。それでも対応していくもんだ、という旅慣れも垣間見えます。郷里に近いとこではその慣れではいけない、というか一時間一本世界だったので襟を正してて、そうなんよー、ってなってしまいました。あの辺り快速もないからむしろ新幹線をその区間使うのが正解まであるからなあ。
 さておき。
 白眉な点以外でも旅慣れというのが見れるのが、ビジネスホテルの朝ごはん回。そういうのが色々あるよね、という回でしたが、娘さんが止まったのは色々あるの中でもいい方で、バイキング形式で質もまあまあ、という波乱がなさそうな奴でした。実際、波乱はなく、娘さんが三回行こう、としたのを成立出来るくらいにはちゃんとしてて、へえ、いいとこ(ビジホ)じゃないの。ってなりました。ビジホの飯はあんまりいい印象がないんだよなあ。最近は違うのかしら。
 にしても、三回行こう、って食いすぎでしょ。少しずつ取って、というのはあっても、ちゃんとご飯とみそ汁コースもカレーもやってるし、意外と大食漢なのか、娘さん。1回目に駅弁結構食ってた気もするし、案外そういうことなのかもしれない。それでも昼少なくすれば更にそばも食える、とか言っているので、案外とかでもないのかも。
 さておき。
 どうでもいいですが、kashmir背景はやっぱりいいですね……。描けるとこは微妙に手癖で描いている感じがあるのが、真に真直線な家とか木とかはない、というのが意識されるというか、そうそう、こういうの微妙にたわんでるんだわ、っていうのがあって大変見ていてギリギリ認識できる感じのたわみがいいです。この辺、なんでも正直線がいいって訳でもない、というのがやっぱりカシ先生のリアリズムだよなあ、とか訳の分からないことを書いて、今回は〆。
 したらな!