ネタバレ?感想 ノッツ 『好き好きだいちゅきつよつよソード』2巻

好き好きだいちゅきつよつよソード 2 (電撃コミックスNEXT)
好き好きだいちゅきつよつよソード 2 (電撃コミックスNEXT)

 大体の内容「うわあ! 急にきれいに収まるな!!」。ということで好きド(好きド?)、堂々の完結です。堂々と完結したのがわりと不思議過ぎて、不思議、はっせー、と気だるげに言ってしまいます。それぐらい、ドレッドノート級カオスだったのが、『好き好きだいちゅきつよつよソード』なのです。
 ノッツ先生と言えばお下品、という言い方は失礼ですが、でもくるみくんの人だと言えば、ああ……、とはなるくらいにはノッツ先生と言えばお下品です。ですったら!
 ということで、この漫画も結構ギリギリ。ウサチヨ、ルネ、ティナラさんの爛れた関係にしか見えないやつとか、会えなくて心がざわつき過ぎてテンションおかしいウラニャ王女とか、敵側の四天王がどんどんエトロン君に傾いていくとか、その四天王の一人のモルが倫理的に結構ギリギリというか死霊術師だから体をとっかえひっかえというのでヤバとか、ラスボスが何年こじらせ系やっとんねん! だとか、とにかく内容が際どい。攻め攻めです。
 それに、2巻で決着をつける形になっていくのも相まって、色んな情報がつるべ打ちで叩き込まれる事態にもなり、情報量が……、情報量が多い! となってしまうのもしょうがないのです。というか、ディモバさんがサモン能力に目覚めたのと、ウラニャ王女が知識バフアイテム手に入れたのと、そのウラニャ王女がエトロン君欠乏症みたくなっていたのが全て繋がった! されたときは正直に申しまして「くそ! やられた!」と夜神月状態でした。その情報がここで結実するとは思わんだろ! みたいな実の付き方してました。そこまででかなりわちゃわちゃごちゃごちゃぐちゃぐちゃした展開だったのがするっとまとまられたので、本当に何をされたのか分かった時にはしてやれた感すらありました。こんな出オチ漫画なのに!
 さておき。
 2巻完結となった本作ですが、ある程度着地点は決めていたのかしら、というくらいにきっちり収まっております。いやまあ、ある意味では終わってないじゃん! ではあるんですが、きりはいいからこのオチもまたよし。とする自分がいます。まあ、先述のネタにしか見えない要素が全て伏線として機能してバチっとはまる様を見せられたせいで、目の前がにじんでいるからかもしれません。
 というか、とにかく出オチ感が強い、愛でパワーアップする装備で名前が好き好きだいちゅきつよつよソードな時点で出た瞬間に終わっているんですが、それを続けることが出来る! 出来るのだ!! したのがこの漫画です。ここまでネタ香が強いのに、ちゃんとバタバタギャグ漫画としても冒険漫画としても成り立っているのだから、それはもうドレッドノート級を与えてもいい作品です。バタバタギャグと冒険と愛が絡まって、予想の斜め上をカッとんでいかれた、と言う方が正しいんですが、それらが合わさって話のトドメが決まった瞬間というのが法外に良かったので、そのカッとびも不問にしたいレベルです。
 というか、この最終回の決まり具合からして、この巻数でを終わった方がむしろ良かったのでは? まであります。3巻とか続いたらノッツ先生が持たないぞこれ……。話の収集というか、Sで始まってEを経由してXで終わるやつやる世界になるぞ……。と危惧するくらいには破天荒で、しかし綺麗に展開が決まっていました。すげえ。
 さておき。
 個人的にはエトロン君、ディモバさん、ウラニャ王女の三角関係が解決しなかった、というかある意味解決したけど、それはそれでどうよ!? だったのが少し消化不良です。特にウラニャ王女は2巻序盤以降、エトロン君に会えないを擦られていた為、ディモバさん優位感が常にあってウラニャ王女かわいそ……でもないか。となっていました。でも、会えないを擦られたのが最後の展開の為だったので、そこで出てきて愛を爆裂させた辺りで三角関係、終わったか! な爆発力がありました。エトロン君はその辺まったく頓着しないので、そこまで気になってなかった、ゼロじゃないんだろうけど、っぽいのがもの悲しさです。というか、ウサチヨの言っていた、俺は最近エトロンが怖い、はマジそうよな。ってなります。何か大事なものが壊れているのでは? とまで思わされる愛情スルースキル。あそこで有頂天になって地位、名誉、女! にならないのはいいんだけど、少しは何かあるやろ……。とは思うことも。ある意味一番ファンタジーなのはエトロン君なのかもしれない。そう思ったりも。
 ということで、2巻終了を惜しむ心はあるにせよ、ここで終わっていてむしろ良かったな? という気もするラストを迎えたのが、『好き好きだいちゅきつよつよソード』でした。綺麗に終わりを決められたとこは本当にいいので、手軽に読める作品としてオススメしたい。2冊でさくっと終わってきっちり面白い。いいやん。
 といったところで今回はこの辺で。したらな!