私の愛したトレモ第一回 『Guilty Gear』

GUILTY GEAR(ギルティギア) 20th ANNIVERSARY PACK - Switch

いきなりなんよ

 突如として格ゲー思い出語りとして、トレモ、つまりトレーニングモードについて語りたいという欲求がやってきました。天啓というかアホ電球点灯というか。この直接のモチベーションは『ストリートファイター6』の至高の領域に近いトレモにあてられたからですが、そもそもトレモについて語ったことがなかったという気付きもあり、今回一つネタとしてやってみようかと相成りました。
 こと格ゲーの歴史において、トレモは地味にですがしかし重要な位置にあります。如何にこれが発展してきたか。格ゲーの深度に関わる地点です。

トレモってな

 とはいえ、そもそも格ゲーにおいてトレモは最初からは存在していません。アーケードでは当然ありませんでした。今で言うとアーケードモードに値するとこで、延々とCPUを殴っていただけだったのです。トレモがないので、CPUをしばくしかなかったのです。
 家庭用にあってもそれは同様です。それでも、一応対戦モードで片方を何もしない木偶にして、それに色々仕掛ける、というのが出来ましたがまさにそれが関の山。これはガードさせるのも大変で、足の指で2コンの十字キーを押さえてガードさせたりしていました。何度か足がつるという体験もしたのは理の当然というやつです。

トレモ黎明期のお話

 ですがPSの時代になると、格ゲーにプラクティスモードなどの名前でトレモが標準装備されるようになりました。次回があればする予定の『鉄拳2』のようなその当時としてはハイレベルなのもありましたが、私の記憶に残っているトレモは『Guilty Gear』(以下GG)のそれです。
 先にぶっちゃけますが、GGのトレモはお世辞にもいいとは言い難いものでした。何せ木偶の体力の自然回復はなく、しかも体力をゼロにしたら最初から。一応カオスゲージは無しかMAXかとか、立ちしゃがみジャンプやガードの設定も出来ますが、ガードなどは初段からはガードしないなど、不備が目立ったものでした。次回あればやる予定の『鉄拳2』が2年前、1996年に現代トレモの雛形を作っているのにこれなので、見劣りは大きいところです。

あばたもえくぼ

 それでも、このゲームのトレモは面白かった。スピーディーに攻撃を繋げられるガトリングコンビネーション。そこから必殺技などに繋いでいけるので、『ヴァンパイア』シリーズのチェーンコンボをより激しくした格好で、どこから何が繋がるか、という知識を得るのが楽しかったのです。エリアルレイブのGG版のダストアタックのコンボも、以後のGGシリーズとは違って中々野放図。浮いた相手を追いかけて行かない方が減らせるキャラもいました。この辺を調べるのは本当に楽しかった。

いきすぎぃ!

 とはいえ最終的に、全キャラあるチャージ行動を一瞬だけで止めると攻撃の大幅な隙消しが出来て、更にその後ダッシュから小技をつないでから大技してチャーキャンしてまたダッシュして、と言う感じに無限コンボが発覚してしまいました。わりとアレな話なんですが、それはそれで見つけての無限コンボ開発はやってて楽しすぎました。どんな小技でも触れたらアウト! は頭お菓子過ぎました。これでダッシュのないキャラ以外は全員無限コンボ持ち、というシステムの穴をついた蛮行が行われることになりました。そんなただでさえアレなのに、GGは殺界というシステムがあり、始動技を当てると追加操作で即死する攻撃が出せるのです。これは操作で回避可能、なんですが、この即死攻撃を出されなかった時に回避操作をすると態勢が崩れるのでそこにコンボを……。ということで殺界当てたもん勝ちなとこがありました。バランスはどうしたバランスは!

いきすぎだったけど

 でも、それはそれで楽しかった。ゲームをしていれば一度はしてみたい、システムの隙を突く行動というのですから、酷い惨状になるけど、大変脳内麻薬が出る感じでもありました。俺しか知らない! という感覚というのは大事なんです。ネット全盛期の現在ではなかなか味わえないものです。手探りの攻略の楽しさを知ったのも、このGGからだったかもしれません。得難い経験とも言えますし、いらん知見とも言えますが、まあ楽しかったからいい思い出です。

ある意味スティグマ

 これゆえに、トレモを遊び尽くすという思考はGGをやって一番大きい収穫だったと思います。以後も格ゲーは買い、トレモもしていますが、あの頃の熱中ほどには達さないような気がします。全然足りないからこそハマりすぎる要素になったのかしら、とかなんとか。
 そんなわけなので、最近のしっかりしたトレモは正しいし戻れと言われたら力一杯拒否します。GG、今でもSwitchとかSteamで出来ますが、やはりやると大変お辛い。再びはしたくないレベルです。でもやってると昔の楽しさが思い起こされて、それはそれで面映ゆい。変な感覚です。
 と、まとめになったようなので、今回はここまで。次回あるとすれば格ゲートレモの雛形の完成である、『鉄拳2』の話になると思います。
 そういうことで、したらな!