私の愛したトレモ 第二回『鉄拳2』

鉄拳2

開幕情報ぶっぱ

 皆さん、トレーニングモード、つまりトレモはしていますか? 唐突ですがスト6のトレモ、どうも良くわかんねえ、という方もいらっしゃるでしょう。いらっしゃいますよね? そのていで話を進めます。
 スト6のトレモ、筆者もわりと頭こんがらがるときがあります。格ゲー中級者歴分の理解力があるので最終的には分かりますが、初見ではてな? となるとこがあります。スト6のトレモは現行の格ゲーのそれとしては至高の領域に近いのですが、その微に入り細に入りは初心者の方にはチンプンカンプンかもしれません。
 この辺はYoutubeのだと
【講座】スト6から格ゲーを始めるあなたに!トレーニングモードの使いかた大解説 - YouTube
【初心者講座】トレーニングモードの使い方【ストリートファイター6】 - YouTube
【スト6β】何でも出来るトレーニングモード機能の全て - YouTube
 辺りを参照するとわりと分かりいいと思います。これを覚えていると、ゲームに知悉していくにつれてこういうことだったのか! とアハ体験が得られます。なのでとりあえずまだはてな? なら一見の価値はあるものだと思います。回し者ではありません。ありませんったら!
 さておき、これでスト6のトレモが少しは分かるようになれば幸いです。

本題の語り開始

 さて、なんかちゃんとしたことをしたことにして、今回も唐突にトレモ語りをやっていきます。
 トレモは格ゲーを変えた部分がかなりあります。攻略、あるいは操作レベルの深度を増させたからですが、そんなトレモ実装初期の頃の傑作トレモを持つのがプレイステーション版『鉄拳2』です。
 そもそもナムコの『鉄拳』シリーズを色物から本物にしたのが『鉄拳2』です。『鉄拳2』の段階でも色物スメルは強かったですが、やりたいことは分かるくらいには、ちゃんと芯はありました。その真芯を支えたのが、トレモだと言って過言ではありません。そのトレモについて語っていきましょう。

『鉄拳2』のトレモ

 『鉄拳2』のトレモは衝撃でした。木偶の体力自動回復やキーディスプレイ、ガードする設定などから、コンボダメージの表示まで、今なら当然のやつを1996年の段階で不足なく標準装備。
 また、トレモ以外でも見られますが、スタートを押すだけで使用キャラの出来る攻撃リストの確認も出来ます。それもそのキャラの全部が。
 これは今では標準のレベルですが、『鉄拳2』の頃では大変レアなケースでした。2D格ゲーだと技が少ないので取説を読むにゅーで済ませられたとこですが、3D格ゲーは動作が多いので取説にも乗り切らなかったのです。それの解決策としてなのか、『鉄拳2』はスタートで技表に直結でコマンド表が見られました。これをゲーセン店舗での対戦やCPU戦では見られない点を考えると、家庭用の方がユーザーフレンドリーだったとすら言えますし、この為にPS版買うまである仕様でした。
 そもそも論ですが、キングの投げによる連続技、ワンダフルメキシカンコンボなんてゲーセンで練習出来るか! というレベルの煩雑さ、なので複雑なものの習得にはこの技表の仕様は必須とすら言えます。大体、アケだと一度途中まで当ててると、相手の体力がないから最後まで出来ねえ! というのもありました。なので、体力自動回復で操作コマンドを見ながら出来る家庭用でワンダフルメキシカンコンボを練習したキング使いの人はかなり多いと思います。
 さておき。
 それ以外にも、攻撃の上、中、下段のヒットエフェクトにその属性を示す文字が出たりしていたのも、この時期のゲームとしては先進的です。またそもそも論ですが、『鉄拳』シリーズの攻撃は見ただけではどれか分かりにくいものもあります。それを、トレモのその表示で覚えられやすくなっているのは、アーケードでガチに喰らわないと分からないとこを明確化させる点で、作品の理解には得難い利点です。
 このエフェクトの違いでどういう攻撃か示すやり方は、後のゲーム、特にアークシステムワークスの『ブレイブルー』辺りでも発展された形になっているので、この部分の慧眼というか、トレモをする意味をちゃんと分かっている仕様として、後世まで語り継ぎたいレベルですし、実際だからこそこんな文章をつらつらしているのです。
 『鉄拳2』のトレモの凄さは、上記したトレモ要素が現在のデファクトスタンダードの一つとして1996年に一つの雛形として存在しているいる点です。
 トレモがあるゲームは他にもありますが、それでもここまでのものはなく、また以後もこの雛形は手を替え品を替え援用され続けている点からして、格ゲーのトレモの歴史はここから、といって言い過ぎではないレベルなのです。
 またしてもそもそもですが、以後の『鉄拳』シリーズのトレモは基本的にこの『鉄拳2』の流れを踏襲しています。色々改良や新規の要素の組み入れはありますが、基本は『鉄拳2』にあるのです。それくらいには、偉大なトレモなのです。

懐かしみのターン

 『鉄拳2』のトレモは散々やりました。特に空中コンボの練習をしこたまやりましたよ。『鉄拳2』はまだ浮かせてからのコンボが超のつく基本、というかそれ以外にコンボの様子が少なかった。なので後年の『鉄拳』シリーズと比べて手軽に浮かせる技が沢山ありました。それを全キャラ全浮かせ技、それぞれの最大を考えるのが大変面白かったと記憶しています。『鉄拳2』の頃はネットも今ほどの隆盛ではない頃なので、一人で調べて一人で作り上げるのが特に楽しかったと記憶しています。この辺も、未だに格ゲーを色々調べながら遊んでいる素地になったのだな、と振り返ってみると感じるところがあります。

まとめ

 『鉄拳2』のトレモは当時としては相当レベちだった、という話でした。実際トレモにハマるというのを最初に経験したのは『鉄拳2』で間違いないので、本当に凄い出来だったんだよなあ、と感慨深くなります。その流れは現代にも続くものもあるのも鑑みると、ちゃんと歴史に残すべきトレモだ、などといい加減な台詞も出たり。なんだ歴史に残すべきトレモって。
 と、ボケたところで今回はここまで。したらな!