ネタバレ?感想 カロル・ゼン:フクダイクミ 『明日の敵と今日の握手を』3巻

明日の敵と今日の握手を【電子単行本】 3 (ヤングチャンピオン・コミックス)
明日の敵と今日の握手を【電子単行本】 3 (ヤングチャンピオン・コミックス)

 大体の内容「アメリアさん、まだまだ朱に染まる余地がある」。ハラルドに前線に行ってこい、と見聞を広めに送り出されたアメリアさん。ついでに他の知り合い面々も、特に情報局の人とかナンデ!? あたしナンデ!? という感じで一緒に行って、そこで色々を見ることになるのが、『明日の敵と今日の握手を』3巻の序盤なのです。
 この序盤では一つ謎というか、アーモードユコト!? というものが設置されます。どう見ても相手側の戦力が高いレベルであるのです。艦砲射撃の精度が高いし、量も密だし、これが劣勢側なのか? というのです。これは絶対今後に絡んでくる辺りなので、記載して覚えておきたいと思います。
 さておき。
 出先機関に帰ったアメリアさんを待ち構えていたのは、大学とその間で行われる慣例。酒の席を催すことが慣例なのですが、その幹事にアメリアさんは任命されます。この辺りの慣例ゆえの話の展開が速攻で、且つ当然否も言えないので、アメリアさんは当惑します。
 すること自体問題があるのです。幹事ゆえに酒代はアメリアさん持ち! 色々セッティングもある! 金が持つわけねーだろ!
 ということで、もう当てこすりされてもしょうがないとハラルドに泣きつくアメリアさんですが、そこでハラルドが言い出したことが無茶というか。機密費で出していい、というのです。
 この辺りのセリフ回しがハラルド節というか、ある意味モンスターと呼ばれているだけはある切り分けで、納得するんだけどいいのか本当に!? という感じも。そういう絶妙な位置取りの会話、語りをしてくれます。機密費の使い道としていいのか? なんだけど、人間関係は外交には必須だから、というハラルドの言は重みがあります。それでも本当にいいのかなあ、するアメリアさんが読者視点に近くて助かるくらい、正しいんだけど正論モンスターだな。という言でした。
 さておき。
 この巻終盤では、ハラルドは中立国に行って密輸公社を立ち上げます。はてな? となる人もおられるでしょうが、読者側も何をする気だ?! と戦々恐々です。それに対する後ろ盾というか、とりあえず話を通しておくとこには通しておく辺りがマジ正論モンスターの面目躍如です。そこでの会話も、直言を中心に構成することで相手の懐に深くえぐりこむという手管で、マジこいつモンスターだな……。ってなりました。
 そもそもハラルドが一体何を考えているのか。更にそもそもハラルドは何を求めているのか。その辺が分かってくるとまた違うのかもしれませんが、単純にどちらかを勝たせたいという筋では動いていないようなので、マジでこいつどうする気なんだ? という言葉しか出てきません。何かはありそうなんだけど、まだ全然藪の中です。判明するまでこの漫画が持ってほしいですが、さてどうなるのか。
 さておき。
 今回もアメリアさんが不憫で可愛かったですね。前線にいって最初はなんじゃこりゃあ! だったのが慣れてしまって油断をみせるとことかいいですね。なんでか付き添いになった情報局の人いなかったらかなりやばいものを垂れ流してそうで、そういう緩んだの、ええぞー! ってなりました。やっぱり女の人の緩んだとこって、いつもがピチっとしていると更に倍満です。ええぞー!
 さておき、密輸公社が立ち上がったけど、一体何をしでかす気なんだ、ハラルド。そしてこの男にどこまでついていけるのか、アメリアさん。というのが気になるので、4巻待ち遠しいですね?
 とかなんとか。