ネタバレ?感想 九井諒子 『ダンジョン飯』10巻

ダンジョン飯 10巻 (HARTA COMIX)
ダンジョン飯 10巻 (HARTA COMIX)

 大体の内容「ダンジョンにはウサギですか?」。ここまでわりと危険なタイミングはあったものの、何のかんので全滅はしてこなかったライオス達。しかし、ここにきてさりげなく全滅の危機に!? というのが都合二回あるのが、『ダンジョン飯』10巻なのです。
 一度目の全滅の危機は、ウサギにやられかける、というもの。ダンジョン、下層、ウサギ……。当然タダで済むわけがなく……。ということで、迷宮の兎が超強いという、ウィズやってた人なら当然だよなあ? な展開に。派手に首は飛びませんが、でも喉笛を刈っ切られて、どんどん絶命していくライオス達。こんなところで超ピンチ! ですが、そこはマルシルの魔法で何とかなりました。マルシルの魔法、そういう操作とかも可能なのか! 君は小説家になれるな! とせがさん顔になるくらいにこの世界の魔法って多岐に渡るんだなあ、ってなりました。なんとかなったけど、マルシルにはトラウマ植えられた感じです。
 そのマルシル、実はとてつもなく無茶なことを考えていた、というのが今回明らかになります。それ、単純にやったらいけないんじゃないか? 許されないんじゃないか? という本当にトンデモなんですが、そこに思い至った経緯などを知ると、……いや、やっぱり許されないんじゃないか? となります。そこに悲劇性があるのは分かるんだけど、それひょっとしなくても不老不死よりも角がぶっ立ちますね? というレベルでトンデモで、そのタイプの悲劇性に対する対処としては私は初耳だったので、とても新鮮に感じました。成程、そこがライオスパーティーに加わった経緯と繋がるのか。
 さておき。
 9巻の時に、悪魔が望んだものを与える代わりに全てを奪っていく、という話になっていて、その上で翼獅子の真意が不明瞭である、と言うのが提示されましたが、そこに更にプラスαとして、マルシルの願いについても翼獅子が若干悪い顔していたのが印象的でした。そういう願いを持つ対象がいるなら、誰でもいいのか、あるいはまた違うダンジョンを作らせるようなことを、するのか? という謎がぶっこまれてきた形です。その辺は、読者に予断を持たせる作りで成り立っている部分ではありますが、でもいい加減やきもきしてきているし、そろそろ決着もつきそうなので、さて本当にどうなるこの漫画。って感じではあります。他の悪魔に魅入られた人たちのように、ライオスも、あるいはマルシルもやられてしまうのか。
 とはいえ、翼獅子は封じられているとはいえ、狂乱の魔術師に対して全てを奪うムーブをしていない点が気になります。あるいは、そこをする前段階で封じられたのかもですが、その点は気を付けておかないといけない部分と言えるでしょう。というか、ラスボスはこういう立ち位置のやつだよなあ。という感じもあるんですけども。ファリンを元に戻す算段の為には、この翼獅子のダンジョンを受け継がないと、という情報が提示されたので、倒しちゃまずい気もしますし、でも倒さないといけないやつかもしれないしで、その辺の加減がどうなるか、というのも見所ではあります。
 さておき。
 文字通り死ぬ思いでなんとかウサギを捕獲からの糧食として、作ったカレーを囮として使用し、キメラファリンをサツガイしたライオス。とうとう奪い奪われる覚悟も決まった模様で、果たしてそれがどう大勢に影響するのか。そしてこの巻二度目の全滅の危機に、ライオスの魔物鑑識眼がどう炸裂するのか。そしてカナリア面々とはどういう感じで相対することになるのか。あれ? なんかそういう部分も超面倒臭いぞ? 一気に決着するのかこの辺り!? ということで11巻を早く読みてえ……、となるのでした。

 感想 おしおしお 『しかのここのこここしたんたん』2巻

しかのこのこのここしたんたん(2) (少年マガジンエッジコミックス)
しかのこのこのここしたんたん(2) (少年マガジンエッジコミックス)

 大体の内容「何よ、その女!(色んな意味で)」。ということで、元祖「なんなんだ、あんた」ことしかのこさんと、ちょろ過ぎるせいで大体発言権が失われるこしたんさんの、体を張ったド付き合い。それが『しかのこのこのここしたんたん』だと言っていいでしょう。
 1巻の段階で相当ヤバイ漫画だったこの漫画ですが*1、2巻になってそのヤバさに磨きをかけてきます。その一助、というか全助というかなのが、こしたんの妹餡子さん。よくあるシスコン妹ですが、この漫画にはまともな人がこしたんしかいない為、その周りがどんどんと危険人物で塗り固められて大変なことになってくるという事態に。
 それが如実に出るのが第8話と第9話。餡子さんがヤバイのをしっかり出しつつ、こしたんの周りにまともな人がいないことが明確になり、その上でそいつらが主導権を握るのでこしたんさんに発言権が無い世界が到来します。
 そして来る、いともたやすく行われるえげつない行為。それに対して何の抗いも出来ないこしたんさん。このままでは、こしたんの命が! というところで、しかのこさんが、しかのこさんが……! という展開にぶち込まれます。ぶっちゃけ何が起きているのか大体分かるんですが、何で起きているのかがさっぱり訳が分からず、こんな世界にいるこしたんさんの命脈について思いを馳せてしまいます。
 いや本当に、なんであそこで餡子さんがクナイダート乱れ投げしたのかもわからないし、基本回避できるしかのこさんもわからないし、そもそもなんでクナイダート乱れ投げなのかもわからない為、いきなりしかのこさんが命を張る展開になっても気持ちが追い付いていかず、なのでこしたんさんがなんで!? って泣き出しても気持ちが分からなくて、全体的に何この漫画……。こわ……。という気持ちしか湧いてこないという、いい加減亜空過ぎる漫画となっているのです。
 そんな訳の分からない漫画ですが、この後もtuberになる回ではしかのこさんの角が荒ぶったり、しかのこさんが神ムーブしたり、謎のシカ生ゲームしだしたりと、今回も全ての回で訳が分からないという謎の異形を達成していました。おしおしお先生があたおかなのは知っていましたが、感得してはいなかったのだ、という謎の不覚感すら味わえました。したくなかったけど!
 それにしても、こしたんさんの発言力の無さはちょっと余人では計り知れないレベルとなっています。大体ちょろいのでついつい不覚をやってしまって権利が与えられなくなっていくんですが、それにしたってもうちょい周りは聞いてあげるべきなのでは? というレベルです。あまりにひどいので、ここぞの発言力の大切さを思い知らされる仕儀となっています。シカコレ回とかでは、なんでそんな危険地帯に……。というちょろムーブをして、発言権を失っていきます。あまりに酷い……。
 しかし、そうは言ってもいつのまにかしかのこさんとこしたんさんが微妙に仲良くなっている、という面もあります。その辺もこしたんさんがちょろいせいしかないのが切ない話。しかのこさんも友愛とかあるのかよく分からんムーブで接するので、傍から見ていると都合よく使われてないか? という疑問がだくだくと沸いてきます。しかのこさんはこの漫画の中でもトップクラスで頭おかしいので、あれで友愛なのかもしれませんが……。
 そういう、仲が良くなる点すら怪しく思えるのが、『しかのこのこのここしたんたん』の妙味なのです。普通に仲良い気もするんだけど、でもしかのこさんだからなあ……。

 教養としてのまんがタイムきらら系漫画 第四回

この項について

 キルミーベイベ―――――!! じゃねえや。タイミング間違えた。
 この項は、きらら系漫画の教養を畜養しようというつもりはほぼなく、自分でどこまでこういうの書けるかという挑戦でもありつつ、単なる駄弁りを形にした感じです。教養って、漫画の、それもきらら4コマに対して出るモノなのか? というのもありますが、こういうのは、言ったもん勝ちなとこありますからね。言っていくぞ、積極的にな!
 でも、きらら系漫画を読んで得られるものがある、というのは正でも偽でもあるのですが、そう言う事を言い出すと永遠に終わらないので、ここではあるという建前を大事にしていく格好になります。人生の役に立つよ、きらら系は! とまでは言いませんが、何かの足しにはなる! 人は成長するのだ、してみせる! レベルの気合の入りようであることはお伝えしたい次第であります。空元気ですが。
 つまり、なんか意味ありげながら適当に語らっていく項。それがここの正体なのです。それを楽しんでもらえたらお慰み。
 ということでそれではいってみましょう。

第四回 『キルミーベイベー』のキルミーでベイベーなの

キルミーベイベ―――――――!!!

 ということで、いいか、今回はカヅホ『キルミーベイベー』(以下キルミー)について説明しておくぞ! とホワイトボード打しながら始めましょう。ホワイトボード殴られ損ですが、それはさておき。
 まず『キルミーベイベー』とは。女の子殺し屋ソーニャちゃんと、バカのやすなさんが織りなすコメディ漫画です。基本的にバカのやすなさんがバカをして酷いことになる漫画です。
 以上だ。
 というのが、キルミー長所であり、勘所であり、急所でもあります。
 この漫画、基本的にソーニャちゃんとやすなさん以外が全くと言っていいほど出ません。唯一偶に出る忍者でしのぎが一々アレなあぎりさんという第三者や、ソーニャちゃんを狙う刺客などもいるのですが、どちらも舞台設定。もっといえばさーて、今回の状況は? という程度のものになっています。あぎりさんも刺客もどっちも大概ヤバイんですが、それでも回の方向性を決める以上の動きはしません。
 つまり、ソーニャちゃんとやすなさんの二名のみで、この漫画は基本軌道しているのです。
 それも一話完結で、その上で今年13年目に突入します!
 グレートですよこいつは……。13年続いているだけでグレートなのに、2キャラだけで毎回話は変わる縛りですよこいつは……、それもコメディとしてですよこいつはグレート……。
 この辺の凄さは案外共有されていない気がしますが、関係性がボケとツッコミ以外にない状態でここまでする、というのは超絶なのです。並の神経なら、途中で違うキャラを入れて関係性をシャッフルしてしまうところなんですよ! それをしない、というのが本当にとんでもないレベルなのです。
 しかし、これはある意味では代わり映えがないやつ、という急所的な見方も出来ます。2キャラだけで回す漫画で、そんなにアップダウン大きく出来ねえだろと。
 確かに、代わり映えしない気はする。でもなんか違う。何かそれ以前の問題な気がする。というか、その変わり映えの無さが、こちらの慣れのせいだとしたら? というのが、1巻から読み直して気づいた点です。初手、そんなに無茶苦茶じゃないよ!? なのです。つまり逆に言うと今無茶苦茶です。慣れていることが不思議なくらいメチャクチャなのです。
 流石『Aチャンネル』アンソロでるんちゃんを毒殺したカヅホ先生。というレベルの状態が常態化しており、なので最近のが無茶だ、というのはわりと気づいてなかった視点です。そこが得られたのだけで、今回のこの項の価値は個人的にあったと思うくらいです。いつもの味は、いつも更新されているという話を思い出すところです。
 ということで、この対比を感じていたきたいので、そして12巻が3月に出る記念として、今回は予定を変更して、一つの巻の1話目のレビューを既刊11巻分やっていこうかと思います。これでキルミーの変遷はイチモクリョウゼンダ!(ぐるぐる目)
 それではいってみましょう。

1巻

 伝説はここから始まった! という有体なやつですが、ちゃんとキャラ紹介的な仕上がりになっているのが面白く感じます。とはいえ、語るべき、提示すべきラインは少ないので、すぐにどういう風にしていくのかが分かるようになってもいます。以後はそれを念頭には置かず、常にやすなさんはバカというのは常に初手の行動で、ああこいつバカだ。としているので、ある意味ではどこから読んでもいい漫画として、大体ソーニャちゃんがツッコミでやすなさんがボケだと分かるようにしているのだ、と最初を見る事で今を感じることが出来ます。
 内容自体はこの漫画がどうするか、というのを一話目として非常にきっちりしており、こういう基本はちゃんと出来るからこそのキルミーの滋味な人気なんだろうなあ、というのが垣間見えます。この段階でのやすなのバカさはまだちょっと駄目くらい。そういう意味では物足りなさもあります。物足りるのはそれはそれで違う気もしますが。
 とはいえ、このタイプのわちゃわちゃ漫画の基礎形として完全に一話目で完成している、というのは特筆点でしょう。ある意味ではもうこういう話しかしない、というのが分かっているからの感得でもありますが、本当にそういうのしかしてない、というのが如何に頭おかしいか、というのが、第一話を見れば得心出来るので、最初って何でも大事だと思うのでした。

2巻

 やすなさん持ち込みシリーズ。藁人形! そういうのもあるのか。やすなさんが懸賞で当たった藁人形を持ってきて、わちゃわちゃする。ベストわちゃわちゃ賞ものとなっております。当然のように持ってきた藁人形が無茶苦茶になりますが、それが最後に、えっ? ……いやいやいやいや。という流れにもっていく様は圧巻であります。そういうまだインガオホーがあるので、まともだったなあ、という印象が強い回と言えます。最近は因果はともかく応報が勢いおかしいので……。
 ということでソーニャちゃんとやすなの二人芝居は、2巻にして既に完成の域に達しています。やすなさんが何かやろうとして、それに対してソーニャちゃんが巻き込まれ、やすなさんは暴力を振るわれ、ある程度痛い目をみて終了。既に痛い目にあっているのに更にあう辺りに、この漫画の姿勢がうかがえます。
 とはいえ、何もやすなさんが応報を受ける因果が無いわけではない、というか大体やすなさんのせいなので、つまり自業自得。これがしっかりあるから、しょーがねーなー。ってなるのがこの漫画の上手さとなっています。応報されるだけの因果がある、というのが、これは応報されて仕方ないと感じさせる。そういうテクニックとして立ち上がっている訳です。これが2巻には既に完成の域に達している、とにかくやすなさんが悪いのが大体分かる、というので、成程長期連載するわ……。と納得させられるものがありました。

3巻

 蚊。わりと珍しい、やすなさんが持ち込んだり、あぎりさんが持ち込んだり、という持ち出しが無い回。自然現象の一つである蚊を中心にした回であります。
 自然現象ネタは偶にありますが、その中でもある程度自律している、蚊という生き物であるがゆえのわちゃわちゃとなっています。止まった所を叩いて、という基本ベースをしつつ、ソーニャちゃんはナイフでやるぜ! というので危険度高い回。ソーニャちゃんってナイフぶん回すイメージですが、ここはそれが顕著となっています。単に振り回すのではなく、斬! ってやるのはレアケースでしたが。蚊に斬! ってやり過ぎですが、通じてないので草案件です。
 で、やすなさんが当然ソーニャちゃんを合法的に叩ける! ってやりますが、これも当然のようにさせねえよ? ってなるのでこの漫画の基本は揺るぎません。強固です。やすなさんが基本応報される漫画です。
 さておき、小ネタとしてハエ叩きでシャボン液充填するとこの意味不明さな小ネタは流石としか。する必要が全くない! でもハエ叩きをネタとして使えるのは今回くらいだ! という見切りなんでしょうが、詰め込み過ぎ!
 そして、終わり方は中々独特というか、まだ、こんなに……!? エンドですが、蚊なのでそこまで戦慄する必要が無いのに深刻な雰囲気で終わるので中々変です。読んでると、そ、そんなあ! ってなるんですが一回落ち着くと何がそんななん? ってなります。勢いの勝利と言えます。

4巻

 餅つき。あぎりさんが外接的に話をもっていくのですが、4巻ともなるとかなり洗練されており、全体的なあぎりさんの訳の分からなさが話をうまくごちゃごちゃさせます。単に餅つくだけなのになんでこんなことに……。ってなります。
 やすなさんがソーニャちゃんに杵で殴打されかけるとかは、まあいいんですが、よくない気もしますがいいんですが、そこにあぎりさんが槍と斧をプレゼント! された時は頭が混乱しました。いやマジ餅つきとビタイチ関係ない……。なんで出てきた……。というか、槍が出てきた時点でおかしいと思いなさい、やすなさん。
 そして餅、なら当然のどに詰まるですが、ってですがじゃねえんだよ! とも思いますが、まあしないとネタとして不十分よね、というカヅホ先生のサービス精神を感じます。そして、きっちりと餅は危険、それ以上にあぎりさんは危険。という雑感などが得られる回でもあります。
 あぎりさん、ちょっと話をまとめるのに便利で、この便利さは今後より強くなっていきます。忍者が出て終わる! ってレベルです。話が無茶苦茶になりやすくなってくにつれてその強引に終わらせる力が増していきますが、ここでは割と穏当に、謎分身しつつ終わるだけなので、でも、なんかすげぇ! という感想しか出てきません。まだこれで穏当だったのが頭おかしくなりそうです……。

5巻

 手が冷たい、からやすなさんが両手を負傷! しかし、それは罠であり……。後は流れでやってください。そういう感じに最後はいつも通りに終わっていく回です。手があったかいつめたいネタは有体でしたが、有体ゆえにネタの掘り下げが限界がある! ということで手が、手がー! ってなっていくのはなんとなく分かります。
 まあ、その手は、というのが予想できるというか、他の可能性がやすなさんの場合薄い。こいつ絶対しでかす。というなんか変な方向の信頼感については、全く揺ぎ無いので、その点がこの漫画の強固さだよな、と。やすなさんなら、やる! という謎の信頼性が、この漫画にはあります。伊達に長期連載してねえぜ! って感じです。
 そこで、腕が! だからソーニャちゃんが一応ギリギリかいがいしく、ソーニャちゃん的かいがいしさでやっていくのですが、当然読者的にはフラストレーションが貯まる訳です。このやすな……。っていうのを、貯めきって最後にインガオホー! することにかけてカヅホ先生の右に出る者はいない。そう感じさせるインガオホーエンドでした。
 この辺のフラストレーションの貯め方と放出し方が本当に巧み。読者としてはやすなさんがインガオホーされるのを今か今か、としているところで限界まで貯めて、ハイ終了! するのが水際だっています。タクミ! と吠えたりしたいくらいです。この辺のフラストレーション管理も、この漫画の面白さであるかと思います。それがどんどん際立ってきているのです。

6巻

 あぎりさん家のシノギ関係。今後ちまちまと出てくる、あぎりさんの家のシノギの話。今回は単純にシノギの話ではなく、シノギのせいで出来ない倉庫整理の依頼をされて、という話です。あぎりさんから何か頼まれる系の初手のやつですね。以後のあぎりさんのシノギ関係は、学校関係、登校とか教室内でとかではお送り出来ないやつを強引に外接してくる要員として機能してきます。
 そのあぎりさん家のシノギシリーズ第一回は、無茶苦茶さはそれほどなく、やすなさんがしでかす、といういつものパターンでお送りされます。まだシノギシリーズとしては出始め故のゆるさがそこにはあります。やすなさんが金目のものを! とすることによって生み出されるインガオホーへの道筋は大変見事で、あぎりさんは味方にしてもやや微妙だけど、敵ではないことだけは有利、というのが分かる展開になっていきます。
 以後のシノギシリーズはどんどん無茶苦茶さを極めていき、無人島で爆死したり、室内テーマパークで溺死したりしてそこで終わるようになるので、それに比べると、あぎりさんがぶち切れ金剛だけで終わっていたのはある意味まだまともだったんだな、という答えも出たりします。
 シノギシリーズは大体そうですが、舞台設定の方がアーパーなやすなさんに有利なので、ソーニャちゃんが大変そうになる、というのがこの時点で確立されているのは流石の一言です。大体この漫画ソーニャちゃんが大変ではありますが、シノギシリーズは場があたおかなので、よりそれが色濃く出る、という感じでしょうか。

7巻

 やすなさんが偶にする開幕馬鹿行動回。その最初の一本でこの漫画今回は終了! 閉廷! してもおかしくないくらいに完成しているという、奇跡のような回です。これが、最初の一本で終わっても完成されているレベルというのが結構あるからキルミーはヤバイのです。こういう仕上がりの回が増えていくのだから本当に。
 そして、一発目がそんなくらいに高い完成度をしているので、後の方はもうそれを越えろっ! 俺を越えろっ!! というコミックマスターJ面に対して解答していくみたいなところがあり、総じて一発目の完成度が高い回は神回という言葉を使いたいくらい際立った回になります。
 この回もそうで、そもそもバランスを養うというバランスボール回なのに、初手バランスボールに高い所からダイビング! な時点でもう終わっていいんですが、それでも終わる訳には当然いかないので、バランスを合言葉に色々やっていく回となり、全体的にやすなさんのアレっぷりが大全開になり、最後はやすなさんが持ち込んだ手押し車にやすなさん(気絶)が載せられて、ソーニャちゃんの手で退場していく、という事案になります。最後のコマの、気絶やすなさんを手押し車でどこかへ運ぶソーニャちゃんは、なんともいえないアトモスフィアで、この回が優れた回であった、という余韻に浸れます。この余韻がないと、最初のやすなさんのインパクトバカに抗することは出来ないのだ、まであります。

8巻

 やすなさんの物持ち込みシリーズ。レトロなおもちゃ回でした。今回も一本目でいきなり終わっても問題ないというダイナミズムがぶちこまれています。一本目の完成度が高まっている証左です。そして、大体この後もこれ以上にはならんな、という予断を与えてくれる、今回も暴力オチなんだなと気づかせてくれる、ある意味試金石というやつになっているのが注目点でしょうか。まあ、キルミーで暴力で終わらない回の方がレアですが。今回もほぼ暴力オチみたいなもんですしね。
 しかし、ソーニャちゃんは何に対しても暴力で解決しようとする癖が強いのは今まででも分かっていますが、それにしたってです。大体やすなさんがけしかけるからその反応として暴力になるんですが、それにしてもやはり暴力! 暴力は全てを解決する!! 何事も暴力で解決するのが一番だ!! ってなり過ぎるというか。
 この漫画の終わり方を暴力オチ、という言葉でくくりたくなる、というか実際しているのもしょうがないというレベルで、暴力が全てを解決するんですよね。この回は一部暴力オチではなかったりもしましたが、やはり大半が暴力で全てを解決しているので、やすなさんのバカ具合に抗するには暴力しかない、という諦観すら感じてしまいます。ある意味で、暴力オチはこの漫画のテーゼとすら言えます。
 むしろ、やすなさんのボケに対して暴力なのもまたしょうがないの域なのかもしれません。基本、いつもソーニャちゃんにボコされていても、ボケを止めないやすなさんを見れば、やすなさん対組織暴力するのは、ある意味では当然の域であるのかも。あれだけされてもめげるとかいう精神性を持ってない辺り、やすなさんもバケモンですねえ……。

9巻

 やすなさんの持ち込みシリーズ。今回は生け花ということで、剣山を持ち込み、当然ソーニャちゃんがこれを武器に、みたいなムーブをします。もうこのまま終わっても問題ないというまたしてもレベルの高い一本目をしつつ、生け花をしていく回となります。どちらも素人だし、判定役はあぎりさんだし、そもそもキルミーだし、でかなりひどい惨状になっていく回となります。
 この回は大変ひどい回で、生け花がどちらも出来ないのは当然分かっていたことですが、そこを更に推進して、あぎりさんの判定で優位に立とうと、生け花が野菜スティックになっていくやすなさんがバカ過ぎて困りました。そして本当に優位に立てるというのでかなり爆笑。やめろお! こんなの生け花の判定じゃない! ってなるんですが、これが最終的に焼肉を添えて、となった所は本当に爆笑しました。植物ですらなくなった!
 その後状況が七転八倒して、やすなさんが不可抗力されて終わりますが、ある意味一本目で暗示というか明示された展開で、しかしソーニャちゃんもあぎりさんも特にやすなの心配をする顔じゃないのが、この漫画がいかなる積み重ねをしてきたか、というのを感じさせてくれます。読者の方もやっぱ刺さったか―、程度になって心配とかしなくなっており、慣れって怖いなあ、というのを如実に感じさせてくれます。たぶん、大怪我ですよ!? そんな普通の事みたく見ちゃダメなんじゃないですか!?

10巻

 あぎりさん家のシノギシリーズ。その中でも最高傑作と謳われるお化け屋敷回です。お化け屋敷ですが、幽霊的なのではなく、グロ姿タイプのクリーチャーで推すお化け屋敷となっております。けっ気持ち悪、やだおめ。なグロさで推してくるのですが、この回が最高傑作と言われるのは、そこが大変スピーディーであるがゆえでしょう。
 キルミーはこの辺りになるとテンポの良さが格段に上がってくるのですが、その中にあっても、際立って素晴らしい速度感で、このお化け屋敷回は進んでいきます。とにかくレスポンスが早い。グロクリーチャーがでたうわあ! の速度が素早い。それでいて、早いだけではなく、一旦間を置いてみたりもする。基本グロのやつは絵のインパクトが一定時間過ぎると慣れてしまうのですが、そこを見越して素早く場面を入れ替えていく、というのをやっている。偶に慣れるがゆえに小ボケになるところもある。このお化け屋敷回が最高傑作と言われるのは伊達ではないと感じさせてくれます。
 個人的には入口で武器が買える、という初手を見せている時点でこの回はやべえな、でしたが、更にその武器が中だとやけに高いという小ネタがグレートだったと思います。この辺りの仕込み具合も、この回が最高傑作と言われる所以でしょう。細かい所も忽せにしない、その精神! そりゃ長期連載だわ。

11巻

 やすなさん持ち込みシリーズ。今回は壊れ傘持ってきたという端緒から、これだけ傘があれば問題ないね! ということで特殊傘を持ちこむという、二段構えの展開でしたが、そんな沢山傘要らんだろう、と思ったらどれもクソタレ使えない傘という、ソーニャちゃんでなくともまたごみを……。案件でした。
 前段階の壊れ傘の件もひどく、途中で壊れたのではなく壊れたのを持ってきた、というやすなさん以外がやると嫌味にすらなるネタを、しかしやすなさんだから成立しているという仕上がりをしています。もう、この巻くらいになると馬鹿な行動するやすなさんから、やすなさんがしているからバカ行動だ、という視座に立ててしまうようになっており、実際そうバカ行動ではないのでは? という疑念すら出ないので、やすなさんのキャラの立ち具合は尋常ではないと言えるでしょう。
 同時にそのまたごみを……。という傘の性能を素早く効果的に見せてくれます。この辺りのテンポの良さが極まって、ネタとしては壊れ傘持ってきたと特殊傘持ってきたの二種あるのを、一話に落とし込めています。二回に分けるネタでもないしな、という割り切りが素晴らしいと言えるでしょう。特殊傘でもロング傘とかなんの使用用途を想定したのか全く分からない仕上がりで、それ電線とかに引っかかりませんか? になるのを、しかしサクッと終わらせる辺りは卓越の域です。これを一回のネタとして使いきるなんて……。

では、キルミーでベイベー

 さておき、11巻分の一番目のを軽くレヴューしてみましたが、やはり後になればなるほど、そのテンポの良さというのが浮き彫りになってきます。10巻の一発目、お化け屋敷回がその中でも顕著に素早いテンポでやっていくんですが、ソーニャちゃんたちと同じタイミングでうわあ! うわあ! ってなる見事なジョブとなっています。このテンポの良さが、キルミーの魅力とも言える状態になっています。
 とはいえ、2人にキャラクターを絞りに絞ってこの内容を作れる、というのは何度も言いますがちょっと平静でいられないくらいの凄さです。凄いんですよ! と喧伝しても問題ない奴だと思います。ほぼ同じ関係性矢印のまま、12巻がもうちょいで出るという領域。そして大体二人で回るネタを、毎度作り続けて既に100回を優に越えている訳ですよ。きらら系の最長不倒まではまだありますが、現在のきらら系最長の一角である、というのにこの絞ったキャラ数! そして一回で終わるネタ! どちらも軽々に真似できない仕上がりで、きらら系の強さというのは、実際こういう漫画の存在を許していることにあるのだ、というまとめのような言葉を出して、今回はこの辺りで失礼します。

キルミーベイベー 11巻 (まんがタイムKRコミックス)

今月の、こかむも『ぬるめた』コマ数確認枠 2021年3月号変

この項について

 新刊出たよ! でかした!! なこかむも『ぬるめた』のキャラクター登場コマ数をカカッと確認していく項となります。今から予言するなら、『ぬるめた』はもっと跳ねます。要チェックや! と懐かしの言葉もでるくらいチェック要です。気を付けていきましょう。
 さておき、それではいってみましょう。

第10回 「さぼり」(暫定で付けた)

  • ちあき登場コマ:36コマ(61コマ中で)
    • 今回の影の主役というか、さきなさんの引き立て役感があったちあきさんです。いつもメインでわちゃわちゃするので、影の主役みたいなムーブされるとまた違った見え方がして、好きです。寝ている内にみつあみ付与されてたとことかナイスすぎます。さきなさんとちあきさんの関係が近い!
  • さきな登場コマ:48コマ(61コマ中で)
    • 今回の主役はさきなさんだった。そう書いて全く問題ないくらいに、今回は大体のコマで出ていました。内容的にもダウナーなさきなさんとちあきさんが学校さぼってぼやぼやする、という起伏に乏しくて最ッ高だぜ!チームサティスファクションの復活だッ!!(カーン!)なものでした。いつものバチクソわちゃわちゃするのとは真逆の内容でしたね。ダウナーさきなさん最高。至高。究極。
  • くるみ登場コマ:11コマ(61コマ中で)
    • 今回は添え物だったくるみちゃん。持ち前のコミュ力でなんなく過ごしてる辺りは流石です。鳩時計機能絶対要らんやろ!って感じで出してくるのも最高でした。そしてロボット人間言われてなにおー! なのがよく分からん感情回路でした。おま、ロボット人間やろ!
  • しゆき登場コマ:7コマ(61コマ中で)
    • 今回は目立ったムーブをしなかったしゆきさん。ちあきさんとさきなさんの休みがほぼさぼりだ、というのでほぼ……!? ってなってただけでしたね。コミュ力もないから、くるみちゃんみたく立ち回れなかったのも痛い。なのでほぼ出番なしでした。

 ネタバレ?感想 大@nani:吉緒もこもこ丸まさお 『ゲーミングお嬢様』1巻

ゲーミングお嬢様 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)
ゲーミングお嬢様 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 大体の内容「格ゲーをする時というのはね、なんていうか、お嬢様じゃなきゃ駄目なんだ。一人静かでオギャアアアで……」。
 最近の格ゲー漫画というのは、お嬢様じゃないと駄目なんですか? という感じで女の子が格ゲーする話が乱立していますが、その中にあっても常時ねじが三本程抜けている漫画。それが『ゲーミングお嬢様』なのです。
 『ハイスコアガール』から端を発した格闘ゲームするを女の子話。江島絵里作『対ありでした ~お嬢様は格闘ゲームなんてしない~』*1などはある意味では正統派。格ゲーに対してもお嬢様に対してもきっちりと前歩きの圧をかける、見事な技前です。
 対して、『ゲーミングお嬢様』はこちらもある意味正統派。それもギャグ漫画の文法での正統派です。『ハイスコアガール』も基本コメディですが、こちらはコメディというよりギャグ、という部分まで、格ゲーというものを推し進めています。
 最近はe-sportとして脚光を浴びる格ゲー界ですが、その積み重ねは一朝一夕ではないので、当然ジャーゴン、というかまあ格ゲーオタなら普通に口にしますわね。という単語がある訳です。そこが、しかし良く分からない人にだからこそ、ギャグとして通用するのではないか。という悪魔的奸智を持って前ダッシュ四回からの瞬獄殺という圧倒的ミラクルをしてくる漫画が、この『ゲーミングお嬢様』なのです。
 とりあえず、お嬢様が格ゲー、という設定が突飛なのは、それが異化効果ってやつを出す為というか、まあお嬢様が格ゲーって図抜けて頭おかしい案件ですわね。そういう地点の発見だった訳です。これについては後世に語り継がなくてはならない、ハイクラスだ! インシデントなのです。
 そもそも、格ゲーとギャグというのが親和性があるのか、ということへの解答がこの漫画です。何かよく分からない。でもなんかすげぇ! といわしめる語の配置と勢いだけで突っ込む、ドン・キホーテ級荒武者なのです。
 これで、格ゲー用語が分かっているからこそ楽しめるのですわよオジョオオオン、という格ゲー猛者だけに分かるのをなのに、普通に刺さるギャグ漫画にするからこの漫画は得難いのです。格ゲー分かってないと訳が分からない、が、お嬢様というかませがあるがゆえに、お嬢様が、格ゲー! というインパクトで有無を言わさないアトモスフィアを形成しているのです。
 とはいえ、この漫画を最大限楽しめるのはどうしても格ゲーマーという側面はあります。普通の人はベガ立ちの準備というワードでゲラゲラは出来ません。ワンチャンありますわ! でゲラゲラ出来ない。そういう意味では、格ゲーマーなら選ばれし者として、この漫画は楽しめる。そういう謎の優越感をバフしてくる漫画でもあるのです。
 この辺の情報の出し方、という面で前掲の対ありはちゃんと分かるようにしよう、というムーブをしていますが、この漫画は知らない? 調べろ! とまではいかないものの、知らないんですわね? でも、やるわよ。というある種王者のムーブでネタ漫画街道をバクシンガーします。その部分も、この漫画を格ゲーマー以外が最大限楽しめない足かせとはなっています。
 しかし、こういうネタは狭い所に投げれば爆釣なのは、今までの色んな濃いネタ漫画でも証明されています。狭ければ狭い方がいい、という割り切りは、翻ってネタの濃さについていける層に強く響きます。そういう意味においても、格ゲーを履修してない人なんていらっしゃいませんわね? という強面ムーブは、この漫画の強度の担保となっていると言っていいかと思います。
 この強度、地味に裏返って、でもなんかすげぇ! となってしまう偉容になるから、何が起きるか分からない世界です。ここから格ゲー用語を知っていく、という人すら生み出しかねないパワーに満ちています。そういう部分へのサポートメントが出来ないか、ということで私は<今日の『ゲーミングお嬢様』のワンワードから貯蔵庫 - オタわむれ 日々是戯言也blog>なるものをやって楽しんでおりました。そういう楽しみが見いだせるのも、『ゲーミングお嬢様』の強度を証明するものかと思います。
 さておき。
 基本的に格ゲーとお嬢様とそれらが生み出すケミストリーの漫画ですが、格闘ゲームには素直なのよー。という部分がちゃんとあるから困ります。ちゃんと格ゲー物としての理路がしっかりしていて、こうだから、こう! という理詰めさも存在します。
 これだけ頭おかしい前提の漫画なのに、格ゲーに対しては手を抜かない。そこが、本当の意味でこの漫画の凄いお所なのです、と提示して、今回はここまで。

 不定期な今日の『ゲーミングお嬢様』のワンワードから 第三十六回

ゲーミングお嬢様 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

この項について

 単行本発売ッッッ!! 単行本発売ッッッ! とエンドレスで言い続けたいですが、それだと単なる電波なのでそこはあえてせず、でも単行本発売されたので皆も買いに走るのです! というパッションは大事にしたい、そういう項となります。
 嘘です。大@nani&吉緒もこもこ丸まさお『ゲーミングお嬢様』のワンワードを取り上げて、適当に語らう。そういう項です。ちゃんとした感想? いずれ、具体的には明日な!
 さておき、それではいってみましょう。

第三十六回 クソつまんねぇ

お排泄物(クソ)つまんねぇですわ!!

 言葉は百貫寺張子様のですが、これをどう解説したらいいのか。とりあげておいて手に余るムーブをしてみます。
 という冗談はさておき、クソつまんねぇとは、お排泄物並みにつまらないことです。まんまですね? ですが、この言葉を出す時、その話者はつまらないと思っているのか? という点から突破口を見出したいと思います。
 実際問題、ゲームに、特に格ゲーにおいてクソつまんねぇと思うことは、どれくらいあるでしょうか? それを紐解くにはまず、じゃあ何が面白いんだよ、という部分を解説せねばならないでしょう。
 何が面白いか。ゲーム一般で言われる言葉で、一見難しそうに見えますが、格ゲーマーにおいて、とするならわりと答えは簡単です。キャラクターを思い通りに動かし、思い通りに相手を叩きのめすこと。思う様動き、思う様蹂躙すること。
 これが格闘ゲームにおける一番楽しいことです。一応、そこだけではないとはフォロー出来ます。読みあいで痺れるような快感を覚える人もいるし、精密な動きを可能にすることが楽しいって人もいます。ですが、少なくとも張子様においてはそれは相手を適当にやって蹂躙することでした。
 なればその逆、自分の思うようにいかず、叩きのめせない。これがクソつまんねぇ、な訳です。
 さておき、自分の才によって、思うように動き、思うように倒す。これはかなり気持ちいい。そして楽しい。そういう張子様に、楽しいかと問われた隆子様は、苦しい、と返します。そこでははてな?だった張子様ですが、隆子様との対戦で、その苦しい、自分の動きたように動けないというのを体感します。
 そして、「お排泄物つまんねぇですわ!!」となるのですが、ここで張子様がキレとか表情を曇らせて、この言葉を言わない、むしろ輝かしい笑顔で言うのがポイントです。
 これについては諸説あるでしょうが、私は張子様が真に格闘ゲームの門を叩いた、格闘ゲームの面白さに目覚めた瞬間だったからだ、と思っています。
 目覚めたのにクソつまんねぇなのかよ! ですが、クソつまんねぇが分かるということは、面白いのがどこにあるか分かっていて、そこでないから思うのです。ここで、どう面白くするかに気を配れれば、一端の格ゲーマーになる。つまり、クソつまんねぇという感情を得ることで、格闘ゲームの素晴らしさに目覚め、以後もやっていきたいと思ったであろう記念すべきシーンが、「お排泄物(クソ)つまんねぇですわ!!」なのです。
 ということで、クソつまんねぇ、という時の格ゲーマーは、一周回って格ゲー超楽しい! になっているのです。まあ、本当にクソつまんねぇ時もありますがね!
 とかなんとか。

 『ストリートファイター5』適当調べ かりんと相手の技相性 コーリン編

この項について

 最近ご無沙汰でしたが、ウィンターシーズン到来ッ!! なので今更ながら適当調べをやっていく、かりんの通常技がどういう相性を、他のキャラとするか。その辺を調べる項となります。
 でも、ウィンターシーズンで性能がごろっと変わったらどうしようか……。
 ……再就職だな。
 とソーイチロー・ヤガミ顔しつつ、それではいってみましょう。

第17回 コーリン

  • 立ち中P
    • 意外と発生が遅い感じなので、立ち中Kを早め早めと打てば何とかなるかもしれぬ。まあ、普通に立ち大Pで一方的に勝てる場面も結構あるんだけど。
    • 足払いは屈中Kがやはり負けやすい。大足は先端ならぶっ潰せて気持ちがいい。足払い潰し系の屈中Pと立ち小Kは基本的に勝てない相手っぽい。
  • 立ち大P
    • これも発生遅めなので立ち中Kで早め早めとかできる。タイミング遅いと当たり負けてクルクルするが。立ち大Pも平々凡々の成績である。
    • これも足払い潰し系を潰される。足払いを潰す間合いだと大体負ける感じですね。大足はまだしも中足は全然決まらないので、大足狙いっ手感じかもしれない。
    • 立ち大K先端だとかなり潰しやすいが、そんな間合いで大パン振る人はいない……。
  • 立ち大K
  • 立ち大Pや立ち中Kで潰すのは難しめ。クラカンくらう場合もあるので、立ち技で対象刷る技ではない。そもそもジャンプ抑制用っぽいけど。
    • しゃがめば食らわない技なので、そう使われる技ではないかもしれない。屈大Pで最大リターンだ! って言いたいけど、そういうことでそう見ない技なのかも。
  • 屈中P
    • 見た目からしての足払い潰し技感は伊達ではなく、距離を取っていれば立ち中Kですら潰せるという。近いと負けることもあるけど。立ち中Kぇ!
      • 立ち大Pも、少し遠いと潰しやすい。相手の攻撃判定に行かないければ、って感じ。
    • 足払い潰し系でも遠めだと意外と潰せる。先端の判定がデカくなるタイプか? ああ、足払い系はきっちり潰してきやがりますよ。
  • 屈中K
    • 意外と相手の食らい判定がでかいらしく、ちょい近くなら普通に立ち大Pがはいる。そして、遠目なら立ち中Kで一方的が出来る。まさか! 立ち中Kが優位取れる技があるなんて!
    • 足払い潰し系も十全に機能します。中足は相打ちが多い感じ。大足ならボロボロだ!って出来る。
  • 屈大K
    • 変則的な二段技なのでタイミングが取りにくい。基本的に立ち技は通じない大足ではあるが。
    • 足払い潰し系が基本機能するが、二段目はそれらは負けやすいので、スカったらスルーするのが肝要だろう。

まとめ。そうねえ。

「相手の足払い潰しが分かり易いので、それを潰す選択肢と足払いを上手く使い分けたい、でいいんじゃないの?」
「そうですね」