ネタバレ?感想 クール教信者 『ぱらのいあけ~じ』6巻

ぱらのいあけ~じ 6 (MeDu COMICS)
ぱらのいあけ~じ 6 (MeDu COMICS)

 大体の内容「エロ漫画はつづくよどこまでも」。ナチュラルボーンエロ漫画家、水木先生の生きざま漫画も6巻が出る運びとなりました。100回も越えてもますます力の衰えない水木先生というかクール教信者先生というかのほとばしる何か。それが『ぱらのいあけ~じ』6巻なのです。
 今回も、エロ漫画に対するエクスキューズというか、出来ることはヤろう。というチャレンジング精神に満ち満ちた、でもある意味いつもの『ぱらのいあけ~じ』です。
 今回は同業者ネタが結構多め。色々力強い、自分の妻のNTRを描いて離婚寸前になったという面白過ぎるエピソードを持ついかついおっさんもいいんですが、今回は連続三回ある他の女性エロ漫画家さんの話が白眉というか、水木先生ではお出しできないネタをカカッとやってくるの楽しかったです。
 一人目は抜群のエロ漫画を描いて水木先生もある意味お世話になっている方。生活感というものがけた違いにないという、ある意味抜き身の刀みたいな存在ですが、その人に生活をなんとかさせよう、と周りの人達が奮闘している描写などもあり、エロ漫画家コミュニティにはやはりエロというのが強いと重宝されるんだなあ、とか。
 そこでエロ絵でどう稼ぐか、という話もされていたのも面白かったです。イマドキなら、ネットを使えば色々と金策は出来るんだよなあ。というのをメインにしているのに間接的に見せられているとことか良。
 二人目はAIにエロ絵を描かせるという、今話題なやつをゴリゴリに進めている方。最初のイメージが出来れば、あとはAIがエロ漫画を描いてくれる、までやっていて技術レベル!! って感じです。でも最初のインスピレーションがちゃんとないとエロ漫画として成り立たない、というのでまだまだ人間のいる余地はあるのかしら? という話になるかと思ったらAIがどんどんエロ絵を作ってくれたらええのになあ! というオチになったのがこの漫画だなと思いました。エロ絵は七難隠すって言いますもんね。
 三人目は爆乳の方。そして自分の写真からエロ漫画を描く、というタイプで色々な撮影をしてたりするんですが、水木先生も爆乳マジありがてえしつつ撮影しながら、もっと他の人に写してもらえば? とのエクスキューズ。これにより、アシスタントの若い子が自動的にその先生のエロ漫画にアクセントとしてしっかり機能する形になってました。爆乳にドギマギする仕事か……。羨ましい……。
 さておき。
 個人的に他に好きな回というと断面図回が好きです。何故こういう断面図はないのだろう、というエクスキューズから、骨盤を描いてみたり手の場合の断面図とかやっており、そこを突き詰めますか? みたいな回なんですが、載せてみると意外と気になられてない、というのでそういうもんかね、となりました。エロとは微妙に違う感じだしなあ。
 最後にどうでもいいことですが、この漫画、他のクー先生の漫画とクロスオーバーしているのか? というのを思ったり。あれです、おっぱい絵本が出てきたのです。『チチチチ』の万光先生か? というか万光先生以外におっぱい絵本なんて奇態なもん描かんしな……。つながっているのかこの漫画も。
 とかなんとか。

 ネタバレ?感想 はも 『マグロちゃんは食べられたい!』1巻

マグロちゃんは食べられたい! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)
マグロちゃんは食べられたい! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

 大体の内容「マグロ、連載開始」。みさきさんはマグロまるで一本食いたい系女子。とはいえ高校生なので釣り船に乗っては無理なので堤防でフィッシング! それでもマグロを釣れたという人もいるらしいし、ならその可能性に賭けるッ!! と雄々しい発言をするみさきさん。そして、何の因果かそれが現実に! マグロが釣れた! と、友達のなぎささんに伝えに行って帰ったら、マグロが女の子になっていました。
 そんな出オチだけで連載を続ける漫画。それが『マグロちゃんは食べられたい!』なのです。
 実際問題、この漫画は出オチです。マグロが女の子になった、というだけで終わってしまっても問題ないというか、ゲストの一発ネタとしては特上です。
 でも、それが続くのかよ! となる状態が現状となりました。
 なのでどうするかというとマグロを食う、というのを女の子に言うと、というのを折々で混ぜていきつつ、きらら漫画なゆるいテンションをすーっと続ける漫画になりました。これを万策尽きたとみるか、あるいはこれこそ万策なのかとみるかで評価が分かれるところですが、個人的には出てくるのが大体ポンコツなのでポンコツ系漫画という謎のくくりで見ています。カヅホ『キルミーベイベー』と同じタイプのスタンドだとみています。
 キルミーみたく見ているので、この漫画がこのままどう壊れていくのか、というのが気になるという亜空の楽しみ方ですが、それに対して十分に期待に応えてくれるとみています。きららMAXがおかしい漫画が集いすぎている問題の中でも、一番やばいやつという認識もしています。過大な期待? 開かんと欲すれば、まず蓋をすべしです。期待を大番狂わせさせられる為に期待をかけるのです。
 さておき。
 個人的にはこれが本当に連載を勝ち取るとは思っていなかったので、3話目、つまり3話連続ゲストの3話目で新キャラ投入とかしてきて正気か!? だったんですが、でも連載を勝ち取っててマジ正気を疑いました。きららMAX大丈夫か!? でも、嫌いではない。(隆慶一郎ツンデレ台詞)
 きらら漫画としての素振りは大変いいです。可愛い絵、可愛い子、可愛い内容。
 ただ、女の子がマグロ。その一点だけで脳に致命的な致命傷を与えてくるのです。マグロ、撮影開始。(錯乱)
 というか、本当にこれだけ可愛い話で主人公格にマグロがいる、というだけでかなり混乱があります。そのマグロも、キハダからカジキ、養殖のクロまで、バリエーション豊富。
 なんのバリエーションだよーー!!
 と、ちゃんみおボイスが出るくらい、しれっとマグロが人になるので、マグロ、撮影開始。(錯乱)
 ポンコツ漫画としては、マグロは元がマグロなので人間としてみるとポンコツになる、のは分かるんだけど、人間のみさきさんやなぎささんもどこかポンコツ。風紀委員のさしみ(無茶なあだな)さんも野草を食うのが趣味とか言い出すし、これは稀代のポンコツ漫画になるのでは? という謎の期待が撮影開始。(錯乱)
 さておき。
 錯乱しているのでキャラの話をするとカジキちゃんが可愛いですね。謎触覚というかアホ毛というかそもそもカジキのあの角なんだっけ? という感じで特徴持ちつつも基本ちまい子なので可愛いのでいいです。マグロですが。そうなんだよなあ……。マグロなんだよなあ……。
 後、みさきさんがいい子なんだけど、そもマグロを丸一本食いたいとか、魚介系が好きすぎて学校に冷蔵庫持ちこんだりと結構エキセントリックで我が強いのも好きです。好きなことに一直線でいい子なんだけど、冷蔵庫は学校で生魚食いたいからって持ち込むな。というか学校で生魚を食おうとするな。
 ということで、マグロの女の子! と書くとひたすら違う意味にしか取れない、という段階で一つ持ちネタじゃねえか! であり、また食べられたい! でまた一つ違う意味にしかとれねえじゃねえか! な漫画、それが『マグロちゃんは食べられたい!』なのです。

 格ゲーの強さは愛だ

ベルカ、吠えないのか

 岩崎夏海&稲田豊史『ゲームの歴史』で格ゲーに対する認識が非常にもにょった為、
hanhans.hatenablog.com
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 と、二回にわたって文章を書きましたが、まだ燻っているとこがあり、それを書かないと一歩も前に進めない……。と谷仮面状態なのです。
 ここは俺が俺である為に、格ゲーについて無駄な語りをしてしまおうと思います。
 覚悟はいいか。俺は出来てる。(そりゃね)

周回軌道を辿る

 格ゲーにおいて「強い」という状態は常に最上位にあることです。「上手い」も近しい言葉ですが、それ以上に「強い」がある。この「強い」を求めるが為に、人は格ゲーをするように思われているし、実際それは是であります。
 なので、格ゲーを語る時に強くないと楽しめないんだろ、というのは昔から幾度となく下される断罪の言葉でした。事実、格ゲーは「強い」が党是であるので、不服はなかった。おおむねその通りだと認識していた。んですが、それも仏の顔も三度までという名台詞を知らないのかよ、となるのが『ゲームの歴史』での雑語りでした。
 普通のゲーマーが思うくらいなら、別にそうだね、ですが、仮にも歴史を標ぼうするのにその部分が粗雑だというのは、マジぶち切れ散らかして、この腐れ脳みそがー! となるのもしょうがないと思っていただきたい。
 ともかく、格ゲーにおける「強い」に対する言説、強くないと楽しめないというのは周回軌道を辿っている、とも言えます。ゲーマー内でも外でも、似た言説は繰り返される。そういう仕組み、とすらいえるかもしれません。

「強い」と楽しめるか?

 前回前々回のエントリーで強くなくても格ゲーは楽しめるという話をしていたつもりです。とにかく格ゲーは「強い」に向かっていくのも楽しいし、強くなくても楽しめるところはある、というのが言いたかったりしました。
 ですが、別の視点もあります。つまり、実際に「強い」と楽しめるのか? という視点です。
 シン! 狂ったか!?
 といえるような無茶な視点かもしれませんが、やもすると「強い」が、格ゲーでは特に独り歩きするので、そこに対するカウンターをかましておきたいという考えです。
 さておき、格ゲーにおいて「強い」は重要ですが、その「強い」にも限度があります。端的に言うと、「無敵」まで行くと格ゲーを楽しむことが出来なくなります。
 これは大@nani&吉雄もこもこ丸まさお『ゲーミングお嬢様』を引き合いに出すと分かりやすいんですが(わかりにくい)、作中最強キャラの一角、東台院飛紀子様くらい「強い」と、つまり「無敵」に近くなると、格ゲーは虚無るところがあるのです。
 何故か。対人戦は一人では出来ないからです。迫稔雄『バトゥーキ』の言葉を借りるなら、「喧嘩も一人じゃできねえんだから」、ということです。戦える相手がいないと、対人戦は虚無るのです。

「強い」と何か

 よくよく対戦ゲーは勝てば楽しい、と言われます。実際においてほぼその通りではあるのですが、そこに幾ばくかの問題も含まれています。
 先述の通り、対戦は一人では出来ません。そして敵がいないほど強くなってしまえば、当然戦いが作業になってしまいます。つまり虚無る。
 勝てば楽しい、というのは一つの解ですが、一つの解でしかないのです。ゆえに必ず勝てる試合を楽しめるか、という問題に行きつくのです。それが楽しい、という人はそういないのではないか。そう感じます。まあここは初狩り問題などもあるんで、憶測ベースですけども。
 詰まる所、負ける可能性がある方が対戦は楽しいのです。ここが格ゲーの「強い」を語られる場合に抜けやすい部分ではないでしょうか。
 この部分は、某フレイザードの名台詞と真逆です。格ゲーマーは勝つのが好きなんじゃなく、戦うのが好きなのです。負ける可能性があるのが、むしろ楽しいのです。

翻って「弱い」について

 「強い」から面白い訳ではない、という話をしてきました。強くても、相手がいないと対戦は出来ない。詰まるところ、格ゲーで「無敵」なのはつまらないのです。
 「強い」が面白いと限らないなら、「弱い」もつまらないとは限らない。上記リンク先でも言及しましたが、更にもう一段、「強い」人に当たって「弱い」人はつまらないか、という派生の話をカカッとしていきたいと思います。
 「強い」と戦って「弱い」が負ける。至極当然の流れです。理の当然とはこのことです。この流れが面白くないか、というのには、そうでもない、という解もあるのを知っていただきたい。実は負けても面白いのです。
 ここんとこが中々理解されないゆえに、強くないと面白くない無限提起編になるんですよ。いいですか、対戦は負けても楽しいんです! 悔しいのも楽しくないのもあるにはありますが、それでも戦った後は楽しさもあるのです! それがなきゃやってません!
 「強い」人が対戦するのも、負けるかもしれないから対戦するんです。必ず勝てるから対戦する訳ではない。負ける可能性、あるいは負ける為にすら、対戦をするのです。まあ、勝つ為に対戦する人も当然いますから、一概には言えないとこはあるんですが、でも必ず勝てるからやる、というのはそんな大きい部分ではないのだと、ここで主張したいのです。

強さは愛か?

 必ず勝てる相手と対戦しても楽しくない、と先述しましたが、相当「強い」人はかなりの確度で勝てます。初心者相手なら、「無敵」かもしれません。
 なので、「強い」人は初心者と戦うことはそうありません。ここは所謂ゾーニングと言えます。初心者狩りでないなら、大抵の「強い」人と初心者の対戦は起きないものです。現在の格ゲーはちゃんと腕前別の区切りもあるのが多いですから。初心者狩りはあるので、絶対ではないですし、言及元の時代が『バーチャファイター』の頃なのでまあゾーニングない頃よね、ではありますが。でも『鉄拳』のガチャプレイで上級者倒せるから楽しいとか言ってるからなあ。
 さておき。もうちょい「強い」人と「弱い」人に実力差がない場合は? そうなれば、「弱い」人でも勝てる可能性が見える、ということですから楽しいラインです。「強い」人でも処理で済むことはない訳で、つまり楽しい。win-winなのです!
 そもそも「強い」人と戦いたい、と思うくらいに強くなっているなら、既に格ゲーの薫陶を受けまくっている状態なので、勝てないという事実に対して面白いと思ってしまうよう訓練されていますから、そらそうよ、だったりもします。「弱い」側の人にとっては「強い」側の人との対戦は負けるにしても価値がありますから、そこが分かってくるくらいなら、もうどっぷりなので論を俟たないですね。
 「弱い」側にメリットはある。でも「強い」側の人にメリットはないのでは? ですが、これが中々面白いもので、戦って相手を育てるという感覚が生まれてくるのです。人にも寄りますが、攻略には相手に伝えるのが一番な時があるのです。自分の攻略の為な部分もある訳です。
 そして育てれば、当然自分に勝つようになるかもしれません。それがいいのです。相手が自分を負かすくらいに強くなるなら、それは対等に戦える相手が増えるということ。負ける可能性が強くなるということですから、その可能性があるなら、師匠役になる、というのも楽しいのです。「強い」というのが楽しさを生むというのは、単純に勝つことより、こういうところからなのかもしれません。

強さは愛だ

 つらつらと語ってまいりましたが、結局「強い」というだけで単純に格ゲーが楽しい、という地平はあるのは認めつつ、でも「強い」だけじゃあ楽しくない、というのを例示出来たと思います。
 本当に、よくよく対戦ゲーは「強い」ならいいみたいな言説は先述通り無限に同じことを言及されるので、そこに対するカウンターになればいいな。とは思うんですが、でも「強い」と楽しいからなあ。という部分もあります。
 元々の言及も、よく考えてないのが無限言及編の一角だというので分かるところですが、理解出来ない話ではないんですよ。「強い」人に挑むのは勝てないから面白くない、という雑なくくり方ですが、その点も事実ある訳ですから。勝てないからつまらない、というのは理が全くない訳じゃない。
 でも、対戦ゲーはそれだけじゃない、という話が結局したかったので、前回前々回と連なる話でそれが出来たかな、と思うくらいには書きましたから、さっぱりしました。結局さっぱりしたいが為に書いてた文章なので、その任はこれで終わり、という形です。本当に鬱憤溜ってましたね……。
 ということで今回はここまでです。したらな!

 キャラクターを動かす

この項について

 『ゲームの歴史』に対する憤りというか、憤懣やるかたが過ぎる為、格ゲーの話を無駄に書いてしまいたいという欲望によってその傷を慰撫する。そういう項となります。
 『ゲームの歴史』では格ゲーは初心者が勝てないから楽しめない。という趣旨をしてきますが、それをスト2の頃から言い出すならまだしも『バーチャファイター』から言い出す為、ココナッツバックブリーカー! と釘宮ボイスが出ようものです。めっちゃ許せんよなあ!
 という怒りを原動力にしつつ、しかし罵倒しても何も始まらないので、そこを取り上げつつ格ゲーの面白さってなんぞや、みたいなことをつらつらと書いて発散するという、生産的なのかなんなのか良く分らんムーブをしてしまっています。あの本を他山の石としたい。という発想でしょうか。
 さておき前回、
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 というのをやりましたが、今回は格ゲーの面白さの比重で実は結構これが高い、というキャラクターを動かすことについてつらつらと語っていきたいと思います。

キャラクターについて

 そもそも論、ゲームというのはキャラクターを動かすことを手段としたものです。キャラクターというレベルではない、棒だったころでも、それをキャラクターとすることは可能と言えましょう。言い過ぎですか? そうかもしれない!(坂口大助ボイスで)
 とりあえず、最初は棒でしたが、それがゲーム機のパワーが上がるにつれてよりキャラクター性を帯びていきます。表示できる情報が増えるにつれて、そのキャラクター性は増していき、そしてそれの行き着く先の一つとして、格ゲーは存在しているのです。
 格ゲーはキャラクターゲームの一つの粋です。言い過ぎではありません。現代においては他にも色々なゲームで、キャラクターを動かすということを施行していますが、格ゲーはその現代においてもキャラクターを動かすゲームの粋であり続けています。一時期のキャラゲーが軒並み格ゲーだったことからも、それがうかがえます。至近でも、『月姫』格ゲーの『メルティブラッド』にFGOキャラが出て話題になっています。優れたキャラクターは優れた格ゲーキャラになる、とでもいいましょうか。
 そうなった理由は二つの動き、つまり多種多様な動きと、キャラクターに沿った動き、この二つにあります。

二つの動きとは

 多種多様な動きというのは、移動行動から攻撃行動まで幅広い動きが用意されていることを指します。
 この多様さは、『ストリートファイターⅡ』、つまりスト2がもっとも例示しやすいかと思います。通常の前歩きや後ろ歩き、しゃがみやジャンプという移動や地上の立ち攻撃からしゃがみ攻撃、ジャンプ攻撃に必殺技と、8方向スティック+6ボタンのインターフェイスによって色んな行動が繰り出せました。
 その動きの数は、実際現代のゲームシーンに至っても数が多い部類に入ります。その多彩な動きを、様々な用途で使う。これにより、キャラクターを動かすというのがダイレクトに感じられるのです。他のゲームでも似たようなのがないでもないですが、格ゲーくらいダイレクトに操作している、というのは操作性に優れてド派手なアクションゲームが相当します。個人的に好きなベヨネッタとかですね。ゆえにアクションとしては上澄みの高い位置にあるもの。それが格ゲーと言っても言い過ぎではないでしょう。
 このダイレクトな操作感を楽しむのも、格ゲーの面白さになります。動かしているだけで楽しい、という領域です。これに、対戦に勝つ、というのが乗るので、格ゲーは更に楽しくなりますが、ただ動かすだけでも、実は楽しいのが格ゲーなのです。
 そこの掘り下げは後でするとして、もう一つ上げたキャラクターに沿った動き、というのは、そのままそのゲームにおけるあるキャラクターの、そうあれかし、という動きのことです。つまり、そのキャラの動きだ、と感じさせる動きということです。
 このそのキャラの動き、というものは『イーアルカンフー』辺りがアクションゲーにおけるキャラクター独自の動き、というのを形にした、と言われています。とはいえ、それは独自だったのは主に敵、つまりCPU側の動きでした。それを進ませたのがスト2、といったところでしょうか。
 スト2のキャラの動き、というのは、ぶっちゃけ言ってしまうと当時見た時は常の域を超えていました。今ではエドモンド本田がスーパー頭突きで横に突っ込んでいく様はイラつきの様式美ですが、出た当初というのは大変な衝撃でした。力士が地面と平行にしつつ頭から突っ込む、というのはある種完全なネタという趣でもありましたが、これが後ろに踏ん張って前に飛んでいく、というタメの動作で出すということがシームレスに理解出来たりしたのです。
 そもそも、力士は低空飛行するわ、ヨガの人は手が伸びるわ、緑の人は電気放つわで、とにかく無茶苦茶な動きなんですが、それが操作ときっちりシンクロする、あるいはそう感じる納得性を持ってもいました。ある意味では異常ですが、ある意味ではそう動くよな、と納得させられたのです。
 この動きに対する納得具合が、キャラクター性と見事にミキシングしている、というのがスト2の偉大なところなのです。

二つの動きの結節点

 上記二つの動き、多様な動きとキャラに沿った動き、というのは以後の格ゲーにもきっちり伝授されていきますが、その現在の一等地は間違いなくGGST、『GUILTY GEAR -STRIVE-』だと言っていいかと思います。多様で攻撃的な動きと、キャラクターらしさというのが勘案された動きがマッチングして、格ゲーというのがまだまだ発展するし楽しいんだ、と思わせてくれる作品になっています。はい、ダイレクトマーケティングです。好きなゲームなのでね。
 さておき。
 多様な動きとキャラに沿った動きをGGSTでいうと、個人的には名残雪というキャラクターが動かしていて面白いし、体現の一つだと思っています。
 格ゲーにはキャンセルという、通常技の動きに必殺技で割り込むシステムがありますが、名残雪の場合はこれが必殺技に対しても適応されており、これにより他のゲームではあまりお目にかかれない動きをすることが可能になっています。普通のキャラなら所謂ゲージを使わないと到達しない火力がするっと出たりします。
 それだけなら無駄に強いだけですが、これにブラッドゲージという特有のゲージが存在し、必殺技を使うと溜るそれが溜りきると大変危険な状態になる、正確にはHPがどんどん減っていく、という枷があるのです。この枷の中でどう動くか、というのが楽しくて堪らないのです。一見野放図になりそうな要素に、このキャラらしさ、というのを流し込む。こういう、多彩な動きとキャラ性の乗った動きがかみ合うのが、GGSTのいいところなのです。

キャラクターを動かす

 それはさておき、キャラクターを動かすとはどういうことか。
 詰まる所、格ゲーの面白さにはキャラクターを自在に操る、というものも存在するのです。それがキャラクターを動かす、という考え方です。そしてそれは腕前が弱くても堪能出来るものです。ついでに言うと、CPU戦だけでそれを楽しむ、というのも当然是とされます。これは『ゲームの歴史』で記載されていた、久米宏さんがレースゲーのタイムアタックを延々としていた、というのと似た楽しさとも言えます。自分の好きなキャラを、そのキャラらしく、且つ自在に操るというのは、それはそれでちゃんと癒しにさえなる。そういって差し支えないでしょう。
 格ゲーは対戦は確かに華ですが、それ以外の部分で楽しんでもいいのですし、それがまた楽しいのも格ゲーなのです。それを感じさせるのが、キャラクターを動かす楽しみ、ということになるでしょうか。

まとめ。そうねえ。

 対戦格ゲーはどうしても対戦という勝負の部分がクローズアップされがちで、そしてそれはそれで正しいんだけど、そこには色々な面白さがちゃんとある、その内の一つがキャラクターを動かすである、という話でした。
 正直言って、格ゲーはキャラゲーなんですよ。動かしたいキャラを動かすゲームなんです。そこはもっと知られてほしいですね。先述の久米宏さんの話のように、ある種対戦でないとこでの楽しみ方が許されるなら、格ゲーだってCPU戦で楽しむのが認可されてもいい、そう思ったのでした。
 とかなんとか言いつつ、今回はここまで。したらな!
GUILTY GEAR -STRIVE- スターターエディション 2022 - PS4

 格ゲーを遊ぶことと強いことと心強さと

GUILTY GEAR -STRIVE- スターターエディション 2022 - PS4
 格ゲーで強いのは正しいのか。正しいのかと聞いているー!!
 と突如五飛顔になっておりますのは、岩崎夏海&稲田豊史『ゲームの歴史』で、格ゲーについて雑過ぎる騙りをしていたのを読み、大変グログロした気持ちになってしまったからです。そりゃ五飛も出るわってもんですよ。
 どういう内容かというと、格ゲーは強くないと楽しめない、つまり弱い人が強い人に勝てる可能性がないから楽しめない、と一蹴する、だけならまだ可愛気があったんですが、それが『バーチャファイター』の時点で言い出すのです。スト2の話を全くせず、なのです。
 めちゃ許せんよなあー! になるのも理の当然です。更に、バーチャに比べて『鉄拳』はエフェクトが派手だしガチャプレイできて楽しい、初心者も取り込める、とか言い出しますから、格ゲーマーなら大体イラつく上がりで、メチャクチャ厳しい人たちが不意に見せた優しさをマジかなぐり捨てんゾしてボロクソに言いたい気持ちなのです。
 しかし、ただキレ散らかすのも生産性がない。ストレス発散ゆえ生産性がなくてもいいんだけど、これを他山の石として、格ゲーについて考えるのもありかなと思い、この項を書く次第です。事実誤認とか色々あるでしょうが、そういう理由で変なことを書くかもしれません。ダメだと思ったら突っ込みいれてください。直すし励みになります。
 というのはさておき、それではいってみましょう。

格ゲーの楽しいとは

 早速、格ゲーでまず何が楽しいのか、という疑念を持つことから始めましょう。上記の『ゲームの歴史』では、対戦して勝つことが楽しい、つまり勝てない人、弱い人は楽しくない。という論法をカカッとぶち込んできました。中平正彦版スト3漫画でのオロの台詞、「教本通りじゃのお。千手先まで読めるわい」だったかな? とりあえずそういう、あまりにもベタ過ぎる予定調和の格ゲーdisですが、これが『鉄拳』だとガチャって楽しいとか言い出んですよ。バーチャでもボタンガチャガチャレバーガチャガチャ出来るやろ! 複雑なコマンド少ない分、むしろバーチャのがガチャガチャ向いてるだろ! と言いたいですがそれはさておき、ここで汲み取るべき点は弱い人が強い人に勝てないといけないか、というところです。強い人も、弱い人に稀に負ける可能性がある方がいいのか、とも言えます。
 これについては、様々な角度の補助線が引けます。弱い人にも勝てる可能性がある方がいい、だったり、強い人はちゃんと積み立てて強いんだからそこは峻別すべきだろう、だったり、変なギミックで有耶無耶は勘弁な、だったり、なら運の要素を高めるのは? だったり。*1
 そう考えると話が永遠じゃねえ、無限だよ。とハイロー構文しないといけなくなるので、ここは格ゲーは強くても弱くても楽しめるのでは? という線を引いてみようと思います。
 当該の本の理屈では、勝てないと楽しくない。それは正しくはあります。勝敗のあるものは勝つと楽しいようになっています。
 しかし、それは一面の真理でしかありません。というのも、どうあっても負ける時というのが来るからです。人は全部勝ち続けるということは出来ません。全ての人が、どこかで負けます。勝者と敗者がある以上、それは厳然として、存在する部分です。つまり、必ず、ならばつまらなくしてやる、という局面が来るということです。いつかは勝てない、つまり面白くないになるのです。これは、バーチャのことの引き合いに何故か出てきたマリオカート*2でもあることで、対戦していれば必ず負ける時があります。それも、マリオカートは運要素強めでそうなります。というかそっちのが闇深いだろ案件です。
 タイムアタックなら? それでも、最もベストな自分に勝てない状況が続くこともあります。特に自分のギリギリの限界のとこを攻めるなら、抜きたい自分に負けまくりなのがデフォルトです。
 詰まるところ、勝つを目的にする場合、必ずどこかで負けることを考慮しないといけない。それは弱い人なら多いでしょうが、強い人でも負ける局面はある。勝てないのが楽しくないなら、格ゲーのみならず対戦ゲームはおしなべて楽しくない状態になる、と言っていいでしょう。
 でも、対戦ゲームって楽しいですよね? あるいは、当該の本では対戦ゲームは面白くない、という立場なのかもしれないですが*3、そうはいっても対戦ゲームは楽しいのは、諸賢には自明だと思います。
 それは、必ず勝てるからでは、当然ない。負けることもある。なんなら負けまくって一勝もとれないかもしれない。でも、それで面白くない、とはならない。なる人もいるけど、そうでない人もいる。まだ弱くても、強くなりたいと思う人もいる。多くはなくても確実にいる。当該の本ではそこのとこが抜けているのだと思います。大きなマスでないと、眼中に入れない、とも言えましょうか。まあ、アメリカでのメガドライブの市場規模をアウトオブ眼中してたので、メインストリーム以外、オルタナティブなとこは全部スルーなのが当該の本の癖なのかもしれませんが。
 話がそれました。強い弱いと楽しいの話です。強ければ勝てるから楽しい、というのは先述通り一面です。上記のように負ける局面が必ずと言っていいほどあるからです。そして格ゲーにおいては勝てなくても楽しい、という地平、別の一面があります。
 わたくしもこういうの書くくらいなので格ゲーや対戦ゲームは大好物。しかし下手の横好きです。つまり弱いのです。例を挙げるならGGSTでは10階未達なのですし、あるいは『スプラトゥーン3』もバンカラマッチでBどまりだったりします、それでも格ゲーは楽しいと思えますし、対戦ゲーも面白いと思います。
 それは、その腕前でも勝てる試合があることもありますが、負けたとしても楽しいと思えるからです。お? 負け惜しみとかではなくてな? お?(落ち着け)
 いや、実際問題勝ったら楽しいというか楽しすぎるんですねそりゃあ。勝つと永遠に勝ちたいまで思ってしまうくらいに、楽しい気持ちになります。しかし、上記の通り永遠に勝つというのは可能ではありません。弱いので尚更負けは多いです。
 でも楽しい。それは格ゲーの面白さが強い弱いだけではないからだ、と言えるかと思います。そりゃあ、強い方が楽しいのは確かなのですが、弱いから強いへ、そこに向かっていく、というのもまた楽しいのです。
 例えば、自転車に乗りたい、というので乗ろうとして失敗する。その時、そこで止まる、乗らなくてもいい! になるか、進む、失敗しても乗る! になるかの違いとでもいえばいいでしょうか。つまり、弱いから強くなりたい、という方向性をもって行動するならば、負けがつまらないということはないのです。それもまた先の楽しさへの布石になるのです。負けが次の勝利の足場となる、とでも言いましょうか。つまり今は負けても次は勝つ。そういうメンタルがあれば、格ゲーは負けても楽しいといえるのです。
 そういう強くなろうとするムーブでは、負け試合を振り返るのも楽しくなってきます。当該の本なら、絶対にそんなのが面白いとはあり得ない、とでもいうかもしれません。でもあの動きが出来た、あるはあの動きが出来なかった、というのを確認する行動は、面白さをちゃんと含んでいます。そういう弱いから面白くない、というのを超える楽しさというのもあると、ここでは言いたいと思ったのです。
 まあ、それ以前に格ゲーはキャラクターを動かすのが楽しいというプリミティブな側面もあるんですが、この項もいい加減長くなったのでそれは別の機会としたいと思います。
 で、結論としては強いから面白い、弱いから面白くない、ということは単純には言えない、というものでしょうか。強くなろうという気持ちがあるなら、そこは負けても楽しくなるというものなのです。
 もちろん、全てのゲームをする人がその領域にある、とは流石に言えませんが、しかし全くそういう層がない、というのもまた言えないのではないか。そういう悪魔の証明みたいなことを言いつつ、この項を終えたいと思います。

*1:後半はPS2ソフト『仮面ライダー剣』を念頭に入れています。あれはギミックと運要素のせいで対戦ゲームとしては相当あかんやつでしたが、一発ネタとしては楽しいゲームでした。

*2:マリカー!? マリカーナンデ!?

*3:雑な内容で繰り出されてジャーゴンになっている”ハッキング”と”箱庭”にはつながらないように見えるし。

 リズムゲー好きが勝手に語る『シアトリズムファイナルファンタジー ファイナルバーライン』の素晴らしさについて

シアトリズム ファイナルバーライン -Switch

何を書きたいか

 『シアトリズムファイナルファンタジー ファイナルバーライン』(以下TFBL)がやたら楽しいので、むやみにオススメしたい。それゆえにポチポチタイプする次第です。
 元から音ゲーするヒューマンなワタクシからしても、音ゲー、リズムゲー初心者にTFBLは良物件だと認識しております。ぶっちゃけると、スマホなどの音ゲーの方が手軽且つ範囲によっては無料で出来るので、そういう意味ではスマホ系の音ゲーのがお勧めしやすいのですが、その分を軽く超すくらいにはTFBLは良ゲーとなっています。
 前にDEMO版をお勧めしてましたが、
hanhans.hatenablog.com
 今回はそれより細かいところなども掘りつつ、魅力を3つ、リズムゲーとしての良さ、スクウェア曲が遊べる、そしてレベルがある良さというのを、つらつらと語っていきこうと思います。
 それではいってみましょう。

魅力その1 まずリズムゲーとして仕組みがチャーミングですヨネ

 本国流法から入りますが、まずリズムゲーとして単純且つ奥が深い、というのをきっちりと体現した存在となっていることが魅力です。
 基本的にこのリズムゲー、TFBLの操作は、ボタンを押すかスティクを傾けるかが主な動きです。正確には、ボタンを押す、ボタンを押しっぱなしにする、押しっぱなしを離す、スティックを傾ける、スティックを上下する、という5種類になりますが、さておき、これを色々組み合わせて、このゲームは出来ていると言えます。使うボタンは右四つとLRどれでもいいし、使うスティックも左右どれでもいいので、手元での操作はかなり楽な部類、とも言えます。
 この辺の簡素さはそもそものシアトリズムシリーズが3DSゲーだったことに起因します。元々タッチペン操作だったから、タッチで出来る動きに最適化されていた作品が、ボタンで操作するようになってその流れを踏襲した、という形です。いい意味でシンプルだったのです。
 しかし、タッチ操作からボタン等の操作に変わったことで大きく変わったところがあります。それは同時押しです。
 タッチペン操作ではどうしても単発でしか出来なかったがゆえに、同時押しという操作はシアトリズムシリーズでは、アケ版は知らんのであれですがそれはさておき、一か所しか押せない、あるいはスラッシュ動作も一方向のみしかできませんでした。この操作性が変わったところを、TFBLは貪欲に使ってきています。
 例えば、ボタンを押しっぱなしにしながら更にボタンを押したり、違う方向に同時にスティックを傾けたりが可能になったのです。
 これにより、リズムゲー用語でいうところの譜面の幅広さが格段に増しました。単なる同時押しから、高難度になれば押しっぱなし中に更に違うボタンを押す、という行動もさせられるようになったのです。若干出来る操作が単純だったのが解消されて、更に遊びとして面白くなっているのです。スラッシュの誤操作も減りましたしね!

魅力その2 ファイナルファンタジーの楽曲で遊べる。あるいはスクウェアゲーの曲でも遊べる

 リズムゲーの魅力は、操作性も当然ですが、実際には楽曲に多くあります。どんな過疎ったリズムゲーにも、名曲というのは存在します。あるいは、その曲をする為に筐体を探すまでやるレベルのものがあるものです。
 その点に対して、TFBLはファイナルファンタジーの名を持っているので、当然ファイナルファンタジーシリーズの楽曲を使ったリズムゲーとなっています。この段階でポイントが高い。収録曲も、戦闘曲だけではなくフィールド曲やイベント曲など、バリエーション豊富となっているのもポイント倍点なところでしょう。
 シリーズの方もナンバリングから派生作品も網羅しており、あのFFのあの曲が、というのがちゃんとやっています。
 これに加えて、今後のDLCスクウェアゲー、クロノトリガーライブアライブロマンシングサガなどの曲がプレイ可能になります。スクウェア曲でリズムゲー! という点に興味を持たれたら、DEMO版からでも是非とも手に取っていただきたいと思います。

魅力その3 プレイを楽しく、あるいは楽にするレベルアップの概念

 TFBLの特徴は何か。
 これについては一言で言えます。
 レベルがあるのです!
 FFがRPGだから、という部分が、このゲームにレベルの概念をぶち込んできています。SFC末期からPS期のスクウェアのなんでもRPG要素を組み込むという所作が、シアトリズムで先祖返りしたような格好です。
 ですがそのRPG施策は成功だったと言えます。その理由は二つ挙げられます。挙げていきましょう。

RPG施策の成功理由の1

 一つは、レベルの概念によってキャラを育てることによる難易度の軟化です。
 RPGにおいてはレベルが上がると、どうなるのが一般的でしょうか。攻撃力が上がったり、アビリティを覚えたりありますが、すぐ気がつくのはHPが伸びることでしょう。
 TFBLでは、4人のキャラでパーティーを組み、その総合HPがゼロになると曲のクリア失敗になります。つまり、HPが高ければ高いほど、クリアしやすくなるのです。
 ならば難曲難譜面も、レベルを上げてHPを上げればいい。という脳筋な発想に辿り着くでしょう。
 また、アビリティでHP回復するものやミスによるダメージを軽減、あるいは回避するものもあり、レベルを上げてそれらを覚えれば、より曲失敗することが減ります。
 流石になにもせずクリアは無茶ですが、ミスが多くてもなんとかなる、というのはリズムゲーに慣れていない人でも高難度曲に立ち向かえることも意味します。リズムゲーの高難度は上手くなると曲と一体した感じがして楽しいのですが、そこまでに至るのが難しいのが難点でした。
 その点を、レベルアップによるHP上昇と回復などでケアする、ということが可能になっているだけで、レベルの概念を入れたのは成功していると言えます。

RPG施策成功の理由2

 もう一つの成功と言える理由は、成長を感じさせる仕組みを組み込むことで、いろんなキャラを育てさせたくさせるところです。
 TFBLでは、キャラクターによって様々なアビリティを覚えます。種々様々なアビリティは、上記の回復や、ダメージ軽減や回避以外にも、出てくるモンスターにダメージを与える攻撃や魔法、あるいは状態異常回避や移動速度アップまであります。
 これらアビリティは、キャラのタイプである程度決まった汎用タイプと、そのキャラ限定の固有タイプがあり、それによってキャラの幅を広げています。
 これだけでも、どんなアビリティを覚えるか、という興味を惹きますが、更にこれを考えさせる仕組みもあります。
 それが、曲の解禁をする場でもあるシリーズクエストでの曲ごとにあるミッションです。
 これはあるキャラをパーティーに入れておくという簡単なものから、特定の条件を満たして敵を倒すという難度のあるものまで、多様なミッションが用意されています。
 このミッションの、特に高難度ものとなると、しっかり育てて且つ必要なアビリティを厳選したキャラを用意しないといけないので、これをクリアする為にキャラを育てるというモチベーションに繋がります。このミッションにより、漫然とレベル上げをするのではなく、目的をもってキャラクターを育てる、という方向に導かれるのです。*1

RPG施策成功の理由外伝

 RPG施策がいい理由は上記二つが基本ですが、全く個人的な外伝を語らせていただくと、レベルは上げるだけで楽しいので、つまりレベルがあるだけで成功なのです(グルグル目)。
 というかですね、このゲームレベルがもりもり上がります。特に戦闘曲の場合は敵を倒していればたくさんEXPが入るので、高レベルのキャラをお供に低レベルキャラを育てることも可能です。これでもりもり低レベルキャラが育ちますし、なんならお供の高レベルキャラももりもり育ちます。能力もHPも上がるし、アビリティももりもり覚えるしで、レベル上げの為に曲をクリアする、というなんか本末転倒した状況にもなってきます。
 特にレベルを上げることにメリットしかないのがいいですね。ミッションでもレベルで制限とかないですし、とりあえずレベルを上げてHP上げて耐えればいい面もありますから、レベルを上げるのは得しかない。つまりレベルを上げるしかない!
 という感じでレベルを上げることが楽しいのです。楽しいんですったら。

まとめ。そうねえ。

 最後個人的な快楽の中枢を突かれて壊れかけましたが、さておき、リズムゲーとして、スクウェアゲーとして、そしてRPGとして面白い、というのを言いたかったんです。対戦することも出来る模様ですが*2、それ以前の部分がしっかりしている、という話でした。
 ということで今回はここまで。したらな!

*1:キャラによって強い弱いはあるっぽいですが。

*2:リズムゲーの対戦は苦手なのでやってない。リズムゲーはなんというか、救われてなきゃダメなんだ。一人静かで、豊かで……。

 黒ZAP……、生きていたのか……。(『スプラトゥーン3』雑語りシリーズ)

スプラトゥーン3 -Switch

急にどうした

 皆さん、知っていますか! 黒ZAPが超絶面白いことを!
 と、黒岩知事(『超光戦士シャンゼリオン』)のイントロで入りますが、久方ぶりの『スプラトゥーン3』で黒ZAP、つまりN-ZAP85の相当な面白さで堪らなかったので、条件反射気味に文章を認める項となります。今までも、つまり1から2でも面白いブキでしたが、3ではまた違う魅力も持つブキになったので、それについてカカッとやっていきます。というか、黒ZAPはやたら面白いので、世の中に称揚文章はたくさんありそうですが、俺は俺の文章で褒め称えたいんや! アウトプット至上主義!

なんがいいねん

 黒ZAP、とてもいいのです。やはり、ZAP系は最高や。という感想すら出てきます。もっと言えば最THE高なのです。
 黒ZAPの良い点については昔からのが二つ、3になってからが一つ挙げられます。どれも個人的にZAPシリーズを贔屓にする理由なのでここは無駄に語ってみようと思います。どれも大変楽しくなる要素で、マジ楽しいので楽しいのです。楽しい! 結構! ますます楽しくなりますよ!(語彙力が)

なんがいいねんへの回答その1 足

 ZAPシリーズの最大の売りは、足の速さにあります。他のブキより、射撃しながら歩くスピードが速いのです。射撃時の移動量の補正が緩い、というかむしろ速くなってないか? まであります。特に、足の遅いブキを使った後に使うと、次元すら違う速度で驚きます。私も、スペースシューターから黒ZAP、としたらあまりの早さに腰を抜かしました。神速! とすら言える違いでした。
 この相当な速さにヒト速を積むことで、より早い移動速度で射撃しまくれる、というZAPシリーズの特徴が出てくることになります。1で速すぎたと製作陣が思っていたのか、2では初期の頃は抑えめにされる程でした。でも、それが個性! と思っていた人が多かったからか、すぐにほぼ元の速さで堪能できるようになりました。それくらい強い個性です。
 3でもこの速度を踏襲しており、ヒト速積みで猛烈に練り歩くことが可能です。ヒト速の大が一つでも、他のブキとは比べ物にならない速さを見せるので、機動力でかく乱しつつ塗り歩きたいところです。

なにがいいねんへの回答その2 攻め性能

 黒ZAP、あるいはZAPシリーズは中射程ブキの部類に入ります。正確には中射程にギリギリのボーダーなブキ種。そして相手を倒すのに必要なのが4発、つまり4確なので、結構当てないといけない。その辺は弱みではあります。
 しかし、連射力はある部類に入り、塗り半径の方も悪くないので塗り能力はそれなりに高い部類にはいります。それに機動力を絡めると、ガンガン進みながら塗り広げつつ強引に前線を上げていくという攻め性能になるのです。敵を置いてけぼりにしつつ、内部に切り込んでいくのはまさにZAPの攻めの面白みです。
 戦闘面では真正面からでは危ない場面もありますが、機動力を駆使していくのもまたZAPの楽しさ。足の速さで相手の的に捕らわれないように動きつつ攻めるのが楽しいのです。真正直に足の速さを絡める。連射力があるので少しでも相手がミスすればこちらの勝利、というのが良いですね?
 また、他の攻めの魅力として、サブのボム類も挙げられます。初代でスプラッシュボム、2でキューバンボムでしたが、どちらも相手を退かせる能力が高いものでした。3では2を踏襲してキューバンボムです。これゆえに上手く投げて爆発と同時に攻めたり、定位置にいるタイプの相手を退かせたりするのに使えます。これも攻め性能を押し上げています。
 射撃の塗り性能と前線を強引に広げられる力、それにキューバンボムで局面を変えることを含めて、楽しい攻め性能となっています。

なにがいいねんへの回答その3 エナジースタンド

 上記二つは1、2でもそこまで変わらない内容でしたが、3になってスペシャルが変わりました。それがエナジースタンド。エナジードリンクをふるまうスタンドを出すスペシャルです。
 このエナジードリンクがかなり面白い。ギアで上がる能力値を爆上げするのですが、ヒト速やイカ速は勿論、インク効率からインク回復、果ては復帰の短縮まで爆上がりするので、強引に攻め込めるしやられてもすぐ復帰できるんや! となるので脳シ特攻が出来るのが堪らなくよいです。もちろん、長生きして塗りまくったりしても問題ないですが、やはり脳シ特攻は決まると気持ちいいからよ。
 また自分の味方にもふるまえるので、いきなり脳シ特攻するやつらが攻めてくる、というのは中々恐ろしい光景になります。それもいいんだ……。
 ただ、上手く攻めの起点になる為にはいい位置に設置しないといけないのが弱点で、そのいい位置もタイミングで変わってくるので、上手く設置するのが意外と大変です。黒ZAPだと前に出ているので前線に置くのもなあ、という形になりやすい。ここは痛し痒しですが、自分だけでも脳シ特攻すればいいや! と開き直るのもありかもしれません。

SNKG(そんな感じ)

 ということで黒ZAPについて適当に書き散らしました。ぶっちゃけると赤ZAPの為の慣らし運転もかねてやってたんですが、黒ZAPもそれはそれで面白かったので、文章を書いてしまいました。これだと、赤ZAPが来ても黒ZAP使うかもしれない……。と懸念のようなものが出てまいりました。ただの腰掛でない、使えるやつかもしれない……。
 とかなんとか。