対ありでした。のワンワードを勝手に解説してみる の4

対ありでした。 ~お嬢さまは格闘ゲームなんてしない~  1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

 互いの待ちきれなさを反映したかのように
開幕3連続の打撃相打ち!!!

hanhans.hatenablog.com

この項について

 6話が来る頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。筆者は5話でいいのを収穫する(?)ムーブで忙しいです。2巻が早く来ればいいのに……!
 さておき、この項は江島絵里『対ありでした。~お嬢様は格闘ゲームなんてしない~』の格ゲーワードを勝手に解説してしまおうという、邪知暴虐を働く項となっております。怒られたら困りますが、まあ怒られないでしょう。←短絡
 さておき、それではいってみましょう。

第4回『相打ち』

 相打ちとは。攻撃と攻撃がぶつかり合うタイミングです。格ゲーにおいては、お互いの技が同時にお互いに当たる、というものです。
 この同時に当たるというのは、実際そう多いことではありません。戦う場合、こちらが当てられて相手のは当たらない、ということを狙うのは、少し考えればわかっていただけると思います。一方的に殴りたいし、出来るなら全力でその手を取ります。
 格ゲーには当たり判定という概念、あるいは仕様があります。出した攻撃の当たる範囲、という感じ。これに対して食らい判定、つまり攻撃を食らう範囲というものもあります。
 この当たり判定と食らい判定の組み合わせで、相手の攻撃をかわしつつ攻撃したり、あるいは当たり判定の大きさを盾に強引に殴るなど、様々な噛み合い方をしていくのです。技の相性なども、この仕様によって決定づけられます。
 その中において、繰り返しになりますが、相打ちというのは基本多くありません。そもそも、相手の攻撃を食らわないように、という意思が普通は働くからです。わざわざダメージを貰って、というのは、ダメージ差がある場合以外ではそうやることはないし、そもそも相手のこともあるので狙って出来る場合はまれ、あるいは読み切っている時だけとなります。
 その相打ちを、開幕位置から三連続、というのが作中で発生している、というのは、つまりかなりのレアケースである、というのをまず気づいていただきたい。普通にやってなるにはかなりの低確率に、極小確率でなることです。
 しかし、この相打ちは、逆に言うと綾さんと白百合さまの殴り合い意識がバチバチに噛み合った、という言い方も出来ます。狙ってではなく、とにかく相手を殴りたい。開幕から最大ダメージを狙っていきたい、という意志力です。
 普通は一回でも相打ちすれば、攻撃とは違う行動、つまりガードによる防御や、後退およびバックステップなどの距離を取る方法など、殴るとは違う方向をしようとするものです。いかんいかん、ってなるものなのです。
 しかし、そこんとこを全く無視した殴り合い。それも、相手の攻撃を回避しつつとか、そういう意志は全くなく、とりあえず殴れる、という技を選択している辺り、如何に両者がバチバチにやる気なのか、というのが分かってくる。そういうシーンに、相打ち三回のとこはなっています。
 実際の所、試合運びなどを見ると、白百合さまはかなり野生児的な、直感タイプで、対して綾さんはクレーバーな理論派なっぽいのですが、そのある意味対照的な二人が、その三回の相打ちを行う、という噛み合い方、というのがまあいいものだと思うんですよ。
 特に、綾さんは白百合さまを潰す! という意志力を、その三回の相打ちで逸らさなかった、という点が非常にいいです。
 理論派タイプだったら普通一回で済ませるようなところを、三回もする。
 特に綾さんの使用キャラはスピードタイプ、つまり一発が軽いことの多いキャラクターとみましたので、それでも殴り合った、というのは結構デカいんですよ。ダメージ差自体は無かったっぽいですが、普通ならスピードキャラなら忌避する、ガブリ四つの殴り合いを、なのです。如何に前のめりだったか、というのが如実となるところです。
 この、相打ち三連打に、綾さんのバチバチぶりが如何に高かったか、が地味に現れていて、良いシーンといえるのであります。
 とかなんとか。